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V6のニューシングルにVR映像が特典で付くので調べてみた

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ようやくV6の新曲発売情報が出た。実に昨年6月以来9ヶ月ぶり。

初回・通常など合わせて4形態でのリリースとなるのだが、中でもやはり気になるのはセブンネット限定版。なんとVR映像が特典でつくというのである。

 

オムニ7 - セブンネットショッピング|V6/Can’t Get Enough/ハナヒラケ(セブンネット限定盤/CD+VR)(セブンネット限定特典:オリジナル大判ポストカード 絵柄A) 通販

 

VRという言葉、最近たまに耳にすることもあり「あーVRね」なんて思うこともあるのだがよくよく考えればあまり知らない。

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なんか↑こういうヤツでしょ?というくらいしか知識がない。

ということで、改めて少し調べてみた。 

 

 

 

 

 

バーチャルリアリティとは、現物・実物(オリジナル)ではないが機能としての本質は同じであるような環境を、ユーザの五感を含む感覚を刺激することにより理工学的に作り出す技術およびその体系。略語としてVRとも。日本語では「人工現実感」あるいは「仮想現実」と訳される。

バーチャルリアリティ - Wikipedia

では果たしてV6の場合はどのような映像になるのか。

エイベックスがVR映像という形態を扱うのは今回が初めてで、その第一弾がV6と、X21という女の子アイドルユニットなのだそう。

こちらの記事ではX21のVR撮影時の写真が掲載されているのだが、なんだろうこの楽しそうな感じ。カメラを中心として、おそらくグルグル円になって回っている。

V6の場合も特典紹介に「360°パノラマVR映像」という言葉が入っているため、同様のものだと予測される。

つまり、「カメラの位置」=自分(私)が立っている場所

X21さんの件で言えば私を中心にしてグルグル回っている状態が体感できる、ということになる。なにそれ楽しそう。

 

ここで参考として映像リンクを貼る。

ご存知、昨年大ヒットしたRADIO FISHの「PERFECT HUMAN」。

この映像ではカメラの位置はステージのド正面、ステージ上でセンターに立っている人の目の前だ。

ナ・カ・タ!ナカタ!ナ・カ・タ!ナカタ!に合わせて前に出てきて、目の前でI'm a perfect humanキメるあっちゃんに思わず噴く。この部分のシュールさを見ていただきたくてこのリンクを貼ったようなものだ。

 

この映像はVRなので360°見渡せるわけなのだが、「目の前にPERFECT HUMANがいるのに他に何を見渡すんだろう?」と画面を回してみる。

ああなるほど、客席が見渡せる。センターに立つ人間が見る景色を体感できる、というわけだ。

 

V6の場合はカメラの位置はどこになるのだろう。

X21のような「メンバーたちがいるド真ん中」なのか、RADIO FISHのライブ映像のような「ド正面」なのか。

前者であればメンバーたちの真ん中に立ちほのぼのと輪になって歌っているところをグルグル見回すことができるのかもしれないし、後者であればバキバキのダンスを目の前で見ている状態を疑似体験できるのかもしれない。

どちらにしても今からワクワクが止まらない。

 

なお今回のVR映像は「360°パノラマVR映像」に加え、「視差付VR(裸眼でスマートフォンを見ると同様の映像が2分割された画面に見え、ビューアーを通して見ると奥行きと没入感に浸れるような、“そこに自分が存在する”感覚が味わえるVR)」でも楽しめる、ということである。

 

 

そしてもう一つ気になるのは、「ビューアー(試聴機)」も付属されるという点。

もう一度言うが、私の知ってるVRはこれである。

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これが?付く?そうなると、お高いんでしょう?

いやいや、なんと今回のセブンネット限定版はお値段たったの1,800円 (税込1,944円)である。

何かの間違いでは?「付属」という部分に思わず疑いのまなざしを向ける私である。

エイベックス・ミュージック・クリエイティヴは、音楽パッケージの新たな形態として、VR映像をダウンロードしてスマートフォンとVRゴーグルで楽しめるサービス「スマプラVR」を3月15日より開始する。(中略)「スマプラVR」は、VRコンテンツをダウンロードしたスマートフォンを、付属のVRゴーグルにセットして360度のVRコンテンツを楽しめるサービス。

エイベックス、CD購入で360度VR映像が観られる「スマプラVR」。May J.やV6、X21など - AV Watch

 

調べてみるとVRゴーグルにもいろいろあるようで、Amazonで現在最安値の商品はこちら。

なるほど。

どうやら私が想像したあまりにも存在感のありすぎるあのタイプ以外でもVRは楽しめるらしい。確かにスマホをセットするだけならばあの重装備は必要ないかもしれない。

CDのお値段から考えてもとてもとても簡素なものが付いてくるのかな、と想像する。

 

今回はゴーグル付属なので我々には必要ないが、クラフト感満載の上記タイプ(セール品・289円)以外にもしっかりとしたカッコいいタイプのものも2,000円前後からあったりするので、参考までに。

 

 

 

 

今回リリースされるシングルは全4形態。

VR映像が特典でつくのが【セブンネット限定版】。

【初回A】には攻めのダンスチューン「Can't Get Enough」のMV+MVメイキング+ジャケット撮影メイキング。

【初回B】には笑顔こぼれるポップソング「ハナヒラケ」のMV+MVメイキング。

そして【通常盤】には新曲がさらに2曲、そのうち1曲はプリンスホテル「冬プリ」のCMソングとして使われている「足跡」。

 

なんだろう、この逃れられない包囲網を貼られてしまったような感覚は。

学生の私だったら泣く泣く選ばなければいけない状態に陥っていただろう。そういうことも度々あったので知っている。

ああ、今大人でよかった。

 

2月2日に情報解禁、発売日は3月15日。約1ヶ月半、待ち遠しいがおそらくあっという間だ。春のV6祭りはすぐそこである。

  

  

  

 

 

 


初めてのVR体験記〜V6のVRが最高すぎた話〜

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2017年春、V6のニューシングルの特典に「VR映像」が初導入されたのだがこれがとんでもない代物だった

思わず誰かにこの感動を伝えたくなるほど鮮烈な体験だったので、初めての「スマホで楽しむVR映像」が一体どのようなものだったのか拙いなりにレポートしてみたい。

 

このVRなのだが発売される前からおおいに期待していた。浮かれ気分で書いた記事がこちらである。

 

予習はばっちり、余談だが私は今回このVRに合わせスマホを機種変更した。

実質ここに一番手間とお金がかかっているのは言うまでもない。

 

目次

 

 

 

STEP 1・スマホにアプリとコンテンツをダウンロードしよう

このVR映像特典は、V6が属するレコード会社であるエイベックス「スマプラVR」という新たなサービスを開始したため実現した。

さらに今回のシングル「Can't Get Enough/ハナヒラケ」はこのサービスの中でも第1弾としてのリリース。誰も足を踏み入れていないコンテンツの最初の一歩になったのだと思うとなんだか嬉しい。が、重要なのは質だ。それについては後述する。

 

本題に戻り、まずはスマホにアプリとデータをダウンロードする。

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データ容量はこんな感じ。今回配信のVR映像は2種類あり、各4分程度でこの容量。

 

開始してまもないサービスともありフラゲ日には早々にトラブルに見舞われた。

むしろこちらこそフラゲ日から全力で群がってしまい、なんだか申し訳ない。

しかしそれほど楽しみだったのだ。とにかく期待が高まりすぎてもう早く見たかったのだ。

不具合はほどなくして解消され、中の人のすばやい対処に感謝である。

 

そんな不具合に加えて我が家のWi-Fi環境ではダウンロードに時間がかかる上に途中で止まる事態が続発。一応再生はできるのだが途中で映像が止まってしまう。

これについては「Wi-Fiを使わずにダウンロードする」という力技で解決した。データ通信量は食うが一刻も早くVRにたどり着くためには仕方ない。

Wi-Fi接続を切りダウンロードし始めたところ「さっきまであんなに時間がかかっていたのはなんだったの…?」と拍子抜けするほどあっという間に作業が完了した。

 

 

STEP 2・付属ビューアーを組み立てよう

今回のCDにはVR映像を見るためのビューアーも付属されている。

名称上ではビューアーなのだがゴーグルといったほうがわかりやすいかもしれないし、形式的にはスコープと言えよう。

つまりこのVRを見るにあたり必要なのは、特典付きCD(1,944円)とスマホだけ、ということ。

 

CDを開封すると異様な存在感を放つ付属ビューアーが出てくる。

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黒を基調としたオリジナルデザインに両目に当てがう為のレンズが2つ。

広げた状態では仮面のようにも見えて「これをつけて妖しい儀式が行われていても違和感ないな…」などと余計なことを考えてしまった。組み立て後にこのビューアーを覗き込み大興奮している様を思えば「妖しい儀式」でほぼ合っている気がする。

 

さて、このビューアーを子供の頃よく見かけた雑誌付録のような要領で組み立てていく。ちょっとした工作のお時間である。

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仮面のような形から箱型へ。ここにスマホを置き、

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左右についているマジックテープで固定する。

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これでビューアーは完成である。

あとはスマホで映像を再生しレンズを覗き込めば、そこはVR(バーチャルリアリティ)の世界だ。

 

 「Can't Get Enough」ダンスVRの感想 

両A面のうちの1曲「Can't Get Enough」。

ジャニーズ事務所所属の彼らはMVさえ公式でインターネットに上がらない。ここに動画を貼れないのが残念だが、かろうじてSPOT映像のみ見ることができるので以下リンク。

V6「Can't Get Enough」SPOT

MOVIE | V6 Official Website

 

公式サイトには「かっこよさを追求した攻めの大人なダンスチューン」ともあり、まさしくその言葉通り。

ファルセットと低音で構成された歌声と、派手な技を決めるわけでもなければ激しく踊り狂うわけでもないのに惹きつけられてしまうダンス。3脚の椅子をスマートに移動させながら巧妙に振りに取り入れている姿も含め、まさに大人かっこいいV6。

 

歌割りも複雑、また低音パート・ファルセットパートでコンビになっていたりと誰がどこを担当しているのか聴き分けるだけでも「なんなんだこれは…!」とおおいに振り回される。

デビュー22年目のV6、攻めている。

攻めていながらも歌詞カードにはちゃっかりメンバーの歌割りも記載されていたりして、痒い所に手が届くような抜かりのないこのサービスっぷり。ありがたい。

 

そんな「Can't Get Enough」のVRはもちろんダンス映像だ。

 

最前列よりもさらに前でV6のダンスを見る、そんな仮想現実の世界。近い。あまりにもV6との距離が近すぎる。

 

どれくらい近いかと言うと、ビューアーを覗きながら思わずのけぞって距離を取ろうとしてしまったほど。

VRの視点は上下左右には振れるし後ろを振り返ることもできるのだが、あくまで定点なので体ごと移動することはできない。

つまり私が前に進んでも彼らには近づけないし、後ろに下がっても距離は取れない。

にも関わらずそんな動きが思わず咄嗟に出てしまうくらいのリアリティがあった。

 

奥にいるメンバーはしっかり遠くに感じる分、奥から手前に来た時に「こっちに来た…!」という感覚もあって、近づいてくる時のドキドキといったら。相手は映像なのにここまで感情を高ぶらせてしまった自分に苦笑いである。

 

そんな遠近のリアリティに加え、もう1つ感動したのは「大きさ」と「造形」のリアリティ。

 

V6は163cmの森田さんから175cmの坂本さん・井ノ原さんまで身長差も大きい。バラバラな6人のフォルムの差はグループとしての魅力でもある。

グループとしてフレームに収まった時、その特長に優劣をつけて「比べる」わけではなくて、それぞれ違うからこそ各々がより引き立って見える。

写真だろうが映像だろうが常々思っていることなのだが、VR映像では特にそれが色濃く出ていてなんだか泣きそうな気持ちになってしまった。

 

今回のVRで感じた感情の1つとして「剛くんちっちゃい!!!」というのがあった。先に言っておくがもちろん悪口ではない。むしろ最たる感動の類いだ。

森田さんの身長が低いことは今更さして触れるまでもなく、あのフォルムが森田剛であるし、あのフォルムでなければ森田剛ではない。あのフォルムだからこそ好きなのだ。

ちっちゃいというのは言葉が悪いかもしれない。しかしそんな「ザ・森田剛」なフォルムはあまりにもリアルで、実像ではないのに「本当に小さい…!」と、まるで本物を見たかのような感想を抱いてしまった。

 

メンバーそれぞれに、頭が小さい!だとか、足が長い!だとか、腰が細い!だとか、挙げ始めればそれこそキリがないほど「身体的特徴」の生々しさを突きつけられた。

それもVR特有の圧倒的にリアルな奥行きのせいで、こればっかりはビューアーを使って体感してもらわないことには伝えられない。

実際に自ら体感した今「とりあえずこれ覗いてみて!」とビューアーを手渡したい気持ちでいっぱいである。すごすぎてとにかく誰かに見せたい。

 

この映像はMVとは別モノなのだが、大きな違いはやっぱりアングル。

アップや引きのさじ加減・モノクロ加工など、クリエイターによって画的に映えるように美しく構成されたのがMVとするなら、このVRはいたってシンプル。

目の前でひたすらにメンバーが踊る。それだけだ。

 

でも実はシンプルなそれこそが「踊る」ことを武器としているグループを見る側としてもっとも求めていることなのかもしれない。

リアリティを求めていけば、結局のところ「シンプル」に行き着くのだろう。

 

「Can't Get Enough」のVRは、「踊っている姿を目の前で見たい」という夢をかなえてくれる映像だった。踊るグループ×VRはあまりにも相性が良すぎる。

 

目の前で踊っている6人に対してどこに目線を向けるかも自分次第。

あまりにも距離が近すぎて、右端に目線を振れば左端にいるメンバーは見えない。近すぎるゆえに死角が出来てしまうのだ。

 

目まぐるしく入れ替わるフォーメーションに思いっきり翻弄されてしまった。

例えば左から右へ移動するメンバーを目で追っていると、正面に目線を戻した時には別のメンバーが目の前にいたりする。心臓に悪い。

どこを見ても何かしらのかっこいいが繰り広げられていて目が足りない。この感覚はコンサート会場で直面するそれと同じだ。

 

しかしVRは映像なので繰り返し何度も見られる。「今回はあの人だけを追いかけるぞ!」という意気込みで何度も挑戦できるのだ。

それなのに私はやっぱり何度もあちこちに視線を奪われてしまい、一向に目線が定められない。なんておそろしいグループだ。

目線が自由に変えられるため、自分が「誰に/何に」反応してしまっているかがわかりやすいことも面白かった。

 

またこの映像のおそろしい罠の1つとして「曲が終わった直後」を挙げたい。

1人ずつフレームアウトしていくのだがこちらに歩いてきて「私」に視線を向けながら目の前を通過していく。

間近で目が合ったようで思わず硬直してしまった。

 

 

 「足跡」レコーディングVRの感想 

こちらの曲はいわゆるカップリング曲。A面でこそないが、ピアノの旋律でぽつりぽつりと語りかけるように始まり「これまで」と「これから」をあたたかな視線で、俯瞰で見守るような歌詞に思わずグッときてしまう。

足跡 - V6 - 歌詞 : 歌ネット

 

こちらのVR映像はさきほどとは対照的なレコーディング風景。

ただしずっと同じメンバーを眺められるわけではなく、1フレーズごとにメンバーが切り替わっていく。

マイクに向かって歌うその真横に立ち、その横顔を見守るような仮想現実の世界だ。

この「私」の立ち位置が正面ではないところがまたニクイ。あえて隣に置くあたりほんとうに巧妙な手口である。

 

基本的には横顔を眺め続けるのだが、かがんで視線を合わせて覗き込んでくるメンバーがいたり、こちらに「飲む?」とばかりにペットボトルを差し出してくるメンバーがいたり、歌唱中に不意打ちでいきなりこっちを向くメンバーがいたり。

「私」の目線の高さはメンバーよりも低く。彼らを若干見上げるこの設定、女子的にはかなりときめくのではないだろうか。

 

ちなみに個人的にはこのVR、立ち上がって見ることをオススメする。座って見るよりも格段にリアリティが増すのでぜひお試し頂きたい。

 

このVRを見ていると、昨年惜しまれながら終了したV6との恋愛を楽しむゲーム「ラブセン」のことが思い浮かんだ。

このゲームではメンバーの写真を使いながらリアルなようでリアルでない恋愛ストーリーが展開されていた。

私はそれをもっぱらツッコみつつ、言ってみれば恋愛要素に完全にのめり込むでもなく楽しんでいた。楽しめていた。バーチャルの彼らに照れるでもなく、そういう意味ではわりと冷静だった自負はある。

 

ところがどっこい、今回のVR映像ではこともあろうに、いとも簡単にがっつり照れてしまった。そんな自分がいたことが軽くショックである。

 

最先端の技術に私は敗北した。

圧倒的なリアリティの前では、人はあまりにも無力だったー。

かっこよく言ってみたが要するに、好きなアイドルが近くにいるようで照れてしまっただけのことである。

イタさは重々承知している。早急に穴を掘り謹んで埋まらせて頂きたい。

 

今回のこのVRでは「V6の隣に立つ自分」は控え目にレコーディング風景を見守っているだけなのでおとなしいものだ。

しかしもしも恋愛ゲームに本気のVRが導入されたら…と想像するとこわくなった。

最先端の技術の前には、おそらく冷静さは通用しないのだ。VRの無限の可能性を感じると共に、あまり発達されすぎるととんでもない世界に引きずり込まれてしまうかもしれない…という一抹の不安も生まれた。

 

この曲のVR映像も歌い終わってからのメンバーの行動がおもしろい。

360度ぐるっと見渡せるのだが、メンバーの動きを追いかけようと視線を動かしていくとぐるぐる回ってしまうのだ。

 

仮想現実の中でおちゃめな動きを見せるメンバー、翻弄される私。

ただし現実では部屋の中でビューアーを覗きながらぐるぐる回っている私がいるだけだ。

もしニヤついていたりしたらなおのことただのヤバイ奴でしかない

 

2種類のVRを総括してみると、かっこいい姿に釘付けになったり、かわいい姿にニヤけてしまったり、思わずのけぞってしまったり、ぐるぐる回ってみたり、照れてしまったり、そんな自分を俯瞰で考えて複雑な気分で苦笑してしまったり。

感情が溢れてしまって、いろいろと伝えたい感想があるのに第一声で「スゴイ」しか出てこないのだ。

とりあえず興奮していろんな言葉が氾濫し、そんな感覚を全部集約する魔法の言葉が「スゴイ」である。

とにかくスゴイのだ。

 

 

 

今回V6のVR映像を体験して、V6のファンとしての自分は「こんなとんでもない特典をいち早くつけてくれたことが誇らしい」とさえ思った。うっかり自分の功績のように自慢したくなってしまうほどには最高の出来だった。

それと同時に「これは他のアーティストやアイドルでも見たい!V6うらやましい!」とも思った。

自分のことのように嬉しく、他人事のようにうらやましい。一度体験してしまったらVRの手法でいろんなものを見てみたくなった。

現実世界で最前列でコンサートやライブを見ることは難しいが、VRがあればその世界をだれでも覗けてしまうのだ。そんな技術、導入してほしくないわけがない。

 

正直なところ無知な私は「VR」は主にゲーム業界において活かされ進化していく技術だと思っていた。

VRは、音楽業界においても今後もっと導入されていくべき技術だった。

 

 

まあ結局のところ私が今たしかに言えることは、初めてのVRを大好きなアイドルで体感できた自分は幸せ者である、ということくらいである。

あとは、興味がある方はこの想像を上回るバーチャルリアリティ・V6をぜひ体感していただきたい。

ちなみにV6のVRはセブンネット限定盤商品で数量限定なので、興味がある方はお早めに。

 

導入されたばかりの音楽×VR、これからどんどん普及していくことを願うばかりである。

 

 

 

VRとは話がズレるが、V6の新曲発売は昨年6月以来実に9ヶ月ぶり。今回はそれに伴う雑誌露出が多すぎて軽くパニックだった。

週刊朝日 2017年 3/17号 【表紙:V6】 [雑誌]

週刊朝日 2017年 3/17号 【表紙:V6】 [雑誌]

 

 

ザテレビジョン 首都圏関東版 29年3/24号

ザテレビジョン 首都圏関東版 29年3/24号

 

 

anan (アンアン) 2017/03/22[新生活に欲しいもの]

anan (アンアン) 2017/03/22[新生活に欲しいもの]

 

 

ザテレビジョンCOLORS vol.29 Blooming PASTEL

ザテレビジョンCOLORS vol.29 Blooming PASTEL

 

 

月刊ソングス 2017年 04 月号

月刊ソングス 2017年 04 月号

 

これ以外にもとにかく、表紙・表紙・表紙。

 

こんなことを思うのはファンの欲目だろう。それを念頭においてもついついこう言いたくなってしまう心情を、どうかお察しいだたきたい。

平均年齢40歳のアイドルグループ・V6、ここへ来てまた一段と売れかけている。

 

「アルバムリリース発表が先か?コンサートツアー決定が先か?」問題

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「シングル曲がたまってきたし、そろそろアルバム出るんじゃない?」

私は近頃、もっぱらこの件についてそわそわしている。

 

「アルバムが出ること」は、「コンサート・ライブを開催する」にほぼ直結する。

これは多くのアーティストにおいて基本的な流れで、「アルバムを出したからツアーをやるのか?ツアーをやるためにアルバムを出すのか?」とたまに混乱しはじめてしまう程度にはワンセットだ。

 

数ある現場の中でも特にコンサートツアーを心待ちにしている私にとって、「アルバム発売」は新鮮な楽曲をたくさん与えてもらえる以上の意味を持つ。

そりゃあそわそわもする。

 

V6は現在、2017年5月3日にシングルリリースを予定している。

 これでアルバム未収録のシングルは3枚となり、両A面曲がすべてアルバムに収録されるとすれば5曲たまっている状況。

私の心境はといえば、ゲージはMAXになり点滅していてあとはもうボタンを押すだけで「必殺・アルバム発売!」が炸裂する、くらいのところだ。コンボで「奥義・コンサートツアー!」も繰り出すと読んでいる。

 

とりあえずは目前に迫っている確かな予定、5月3日を待っている状態なのだが、気持ち的にはかなり前のめりで期待を隠しきれない。前のめりにいろんなことを想像していてふと、今更かつ根本的な疑問にぶち当たった。

 

「そもそもコンサートツアーの発表ってどのタイミングだったっけ?」

「どのタイミングで何が発表されるんだっけ?」

 

私は完全に「シングルが発売日を迎えて〜、その後アルバムの情報が発表されて〜、『そうなってくると当然ツアーもやるんでしょ?』なんて訳知り顔で思っていたらツアー開催が発表になり〜、そこからは申込・当落確認と阿鼻叫喚のお祭り騒ぎになって〜…」みたいな想像を膨らませている。それはもう、この流れが当然であるかのように。

勝手に盛り上がって、盛り上がって、盛り上がった後で「私は一体何を根拠にこんな感覚を抱いているのだろうな?」と思った。散々盛り上がっておいて急に冷静。

 

これはもうなんだかんだと現場に赴いている間にいつのまにか染み付いた感覚なのだろう。でもよく考えてみると、アルバムとツアーは直結しているがその発表の順番までははっきり記憶していないのだった。

 

ということで、この機会にしっかりとその点について調べてみた。

 

テーマは過去データから見るシングル発売・アルバム発売・ツアー開催発表の傾向といったところだろうか。

高確率で的中するような予想を立てるのは難しいが、過去のデータからぼんやりとパターンを眺めてみたくなった。基本的に「とりあえずデータを収集できるだけしておいてなんとなく安心したい」タイプの私である。

 

目次

 

 

V6版 シングル・アルバム・ツアーの順番

まず各タイミングを探るべく調べたのはこの項目。

・シングル発売日(アルバムに収録される最新作)

・アルバム発売日

・ツアー日程

そしてさらに、各情報解禁日を調べてみる。

・シングル発売決定が告知された日

・アルバム発売決定が告知された日

・コンサートツアー開催が発表された日

こちらはネット上の記事や口コミから調べたので多少ズレはあるかもしれないが、ほぼこの日周辺で発表になっているはずである。

その情報を一覧にしたのがこちら。

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ピンク色の列が「ツアーが決定した日」と「アルバム発売が決定した日」。

 

もうこの時点で私の認識から大きくズレている。この日付一覧を、開催までの流れとして順番通りに並べてみると、こうなる。

 

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赤太字がツアー関連、黒太字がアルバム発表。矢印の下は日数。)

圧倒的に、アルバム発売決定よりもツアー決定のほうが先の場合が多い 

 

一概に決まったパターンがあるとは言えないが、2013年にいたっては「シングルの発売日待ちの最中にツアー開催決定、その後でアルバム発売決定」の流れになっている。

今そんなことが起こったら…と想像するとそわそわが度を超えてなんだかお腹が痛くなりそうなので考えないことにする。

 

ジャニーズ後輩グループ版 アルバム・ツアーの順番

V6の約10年分のデータをまとめた時点で他グループの最近のデータも気になり、そちらについても調べることにした。

デビュー済後輩グループ(ジャニーズWEST、A.B.C-Z、Sexy Zone、Kis-My-Ft2、Hey!Say!JUMP、KAT-TUN、関ジャニ∞、NEWS、嵐)のここ1年ほどのデータを先ほどと同様に表にしたものが以下である。

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※下段3グループはアニバーサリーツアー扱い

※薄字のシングルはアルバム未収録(おそらく次回のアルバムに入る?)

 

こちらのデータは9組中4組がツアー発表が先という結果だった。

純粋に「オリジナルアルバムを引っさげたツアー」だけに絞って見ると、6組中5組がアルバム発表のほうが先・もしくは同時に発表

 

「順序的にツアー発表よりアルバム発表の方が絶対に先にあるはず!」という私の思い込みを見事にひっくり返す結果だった。

逆になぜああも頑なに思い込んでいたのだろう。思い込みほどあてにならないものはないとつくづく感じた。

 

結論:アルバム発売が決まっていなくても、ツアー決定の知らせが急に来る可能性がある。

私よ、アルバム発売が決定していないからツアーのお知らせなどくるはずがないと油断するなかれ。万が一急に知らせが届いたとしてもおどろいて心臓が止まらないように薄っすら心構えはしておきたい。

 

 

ツアー開催は初日の何日前に発表になっているのか?

ここからはさらに気が早いが、ツアーが実際どれくらい前に発表になるのかをまとめてみる。

過去V6のツアー開催が発表になったのが初日の何日前だったかというと、

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まったくもってパターンが読めない。これこそなんとなく見て「へえ〜」と言いたいがためだけの表である。

極端に開催までの期間が短い2010年は例の「解散報道→本人たちがきちんと否定+アルバム発売とツアー開催を同時発表」があった年なので、やはりイレギュラーな展開ではあったのかな、と思う。

 

 

続いて、他グループの最新ツアーで調べてみた結果がこちら。

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やはりパターンは読めないので「へえ〜」とだけ言っておきたい。

 

 

アルバムリリースは発売の何日前に発表されるのか?

最後にこちらも私が今気になる事のひとつ。「アルバム発売決定!」の一報が入るタイミングについて。

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こちらは幅が狭く、43日前〜54日前。大体1ヶ月半〜2ヶ月前のあたりだったことがわかった。

 

 

総括

以上が私がこの春、自由研究のようなノリで調べた内容である。

欲を言うならもう少し追求して調べたい点もあるのだが一応当初の目的は達成したので今回はここまでとする。

今後の参考になるんだかならないんだかわからないが、個人的には多少スッキリしたので満足だ。

 

調べていてあらためて感じたのは、ネット上の情報は時代を遡れば遡るほど薄くなってゆき、かなり見つけにくくなるということ。2005年までしか調べなかったがこれより前となるとさらに情報は少なくなっていくだろう。

更新の途絶えたブログを見て切なくなったり、逆に10年以上前から今も更新されているブログには少し感動してしまった。ファンを継続していることもさることながら、10年以上も同一テーマで記録を残し続けられること自体が才能だと思う。

 

また各グループのコンサート開催状況についても眺めることになったのだがタイトルのつけ方の個性やコンサート開催頻度の違いなども見えたりした。

 

メンバー個人としても舞台やドラマ、バラエティなどのソロ活動もあって、その他諸々の都合もあるはずだ。突然予定外の何かに振り回されることもあるかもしれない。

そのすべてをふまえた上で数ヶ月先、あるいは半年先、もしかして1年先やもっと先まで予定が決まっているかもしれない。

このタイミングで情報を解禁して、このタイミングではこんな風に活動して…と、きっと細かく決まっているのだろう。

 

私はそういったものにひたすら翻弄される他ないのだが、「向こう側の人々」はそんな未解禁の予定をいくつもこっそり持っているのだと思うとなんだか夢がある。

 

 

 

私がこんなにもそわそわしてしまうのはこの「アルバム発売目前っぽい状況」だけではなく、先日のラジオで「向こう側」の彼らがこんなことを言っていたからである。

ブログにしようと文字起こししておきながら放置していたので一部載せておきたい。

3月15日放送、TOKYO FM「坂本美雨のディアフレンズ」に坂本さん・三宅さんがゲスト出演した際の番組ラストのくだりだ。

坂本美雨「みなさん揃ってのコンサートというのは、今年はあるんでしょうか?」

坂本「昨年がねー、本当にスケジュールがみんな忙しくてできなかったんで、今年はなんかね、うまく6人が合う時間を設けて…ねえ。」

美雨「ねえ。みんな待ってると思います。」

坂本「そうですね。」

美雨「アルバムももう、3年?4年?」

坂本「そんな出してないですか!」

三宅「3年?3年かな?」

美雨「2013年だったのでまあそろそろ…待っている方々がとても多いと思いますが。」

坂本「そうですねー。」

美雨「期待しております。」

坂本「どうする?出す?」

美雨「(笑)ここで聞く(笑)」

三宅「出そっかー」

美雨「あ、頷いてらっしゃいますがスタッフさんが」

坂本「(笑)みなさんがね、コンサートもそうですけど笑顔になれるように、えぇ、僕らも頑張っていきたいと思います。」

三宅「はい。まあ、いろいろ準備してます。もう少々お待ちを。」

 

これはもう、あきらかに何かを仕込んでいると勘ぐってしまう。

 

これだけ煽っておいてよもや何もないことはあるまい。

果たしてこれから何があるのか。予想しつつ想像しつつ、浮かれすぎずにもう少々お待ちしていようと思う。

 

 

8/9発売のV6のアルバムが大変なことになっている件

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V6のニューアルバムが大変なことになっている。 

8月9日の発売に向け現在小出しで情報解禁が続いていて、興奮が落ち着いたと思ったら次、また次、というのを繰り返しているのだが、発売前からすでに相当ヤバいアルバムになっている予感しかしない。もちろん良い意味で。

The ONES(Blu-ray Disc付)(初回生産限定A盤)

The ONES(Blu-ray Disc付)(初回生産限定A盤)

 

オリジナルアルバムのリリースは4年半ぶりだ。

久々のリリースというだけでも楽しみで仕方ないのに、少しずつ明らかになっていく収録内容を見ていると「そこまでやるか…!」と思ってしまうほどの力の入れようである。むしろ度が過ぎている。手元にはまだ無いのにすでに与えられすぎてこわい。

 

現段階ですでに「これ採算取れるの?大丈夫?」という気持ちにかられるほど相当経費と手間がかかっている様子で、メンバーはもちろんエイベックスはじめ関係各位の本気を感じずにはいられない。

 

発売まであと数週間、未確定な要素を抱えてあれこれ言って楽しめるのは今だけである。現在の心境を表現するなら、中身がわからない箱をいろんな角度から観察しているような気持ちだ。日に日に蓋が少しずつ空いてきてちょっと中身が見えてきつつあるのだが、全容はまだわからない。ただテンションだけが上がっていく。

直前のワクワクっぷりを残しておけるのは今しかないので、ここまでの流れと情報整理も兼ねて状況を書き残しておきたい。

 

この夏、V6のアルバムがヤバイ。

 

目次

 

 

「The ONES」の収録曲はシングル3曲+新録11曲

アルバムタイトルは「The ONES」

「個と個の集合体が幾つも合わさって完成したアルバム」だそうだ。

2016年〜2017年に発売したシングル3曲と、新曲が11曲。さらに通常盤には新曲がもう2曲入る。

 

選曲するにあたり「今、V6でやりたいこと」がテーマとされている。

シンプルなテーマだが20年以上一緒に活動してきた人たちが抱く「V6としてやりたいこと」のイメージを垣間見れるのは非常に面白い。

「やりたいこと」は果たしてこれまで培ってきたものの延長線上にあるのか、はたまたそれとは違った方向性を見せるようなものなのだろうか、1曲ごとにその意味を探してしまうアルバムになりそうである。

  

 

豪華な楽曲提供アーティスト

先日発売になった関ジャニ∞のアルバムが世にも豪華な楽曲制作者を布陣に揃えていて心底「羨ましい!」と思っていたのだが、V6のアルバムもなんとも豪華な顔ぶれが並んでいて驚いた。

現時点で発表になっているのは、

・秋元康

・石野卓球

・大橋トリオ

・秦基博

・浜野謙太(在日ファンク)

・レキシ

・Micro(Def Tech)

・堀込高樹(KIRINJI)

の面々。各アーティストについて代表曲の試聴や動画を貼り付けながら綴っていたら長くなってしまったので次ページに分ける。

 

 

各メンバーがそれぞれ楽曲をプロデュース

今作には、「各メンバーがプロデュースした曲」がそれぞれ1曲ずつ6曲収録されている。

「歌詞の内容・歌い分け・映像に関して全て本人が監修した」ということでどの程度・どういった形で行われたんだろう…と思っていたら、先日ラジオでトニセン・三宅さんがそれぞれ言及していた。

坂本「その中でそれぞれ6人がプロデュースした曲もありますけども。僕は『Answer』というね、曲で。長野くんは『Round & Round』」

井ノ原「どんな感じでプロデュースしたんですか?2人は。」

坂本「僕はね、まぁいくつか曲があって、詞の内容とかってどうしましょうか?みたいな感じで質問あったんで、そこで打ち合わせしながら、"僕はこういうテーマでいきたいんですよ"っていうあれで」

井ノ原「うんうん。それで詞を書いてもらって」

坂本「うん。"答え"じゃないですか、"Answer"って。"答えを出すのは誰でもない自分だよ"、っていう」

井ノ原「ことを言いたかった。」

坂本「うん。なんでもねほら、ルール・正解はないじゃないですか。世間が決めた正解っていうのはそれは果たして正解なのか?っていう」

井ノ原「そうだよね」

坂本「うん。世間が見る矛盾から生まれてくる正解もあるんじゃないかと」

井ノ原「確かに」

坂本「ということでそういう、"自分が出すのが本当の答えじゃないか"っていう意味で詞をお願いしたんですけどね僕は。」

井ノ原「うんうん、なるほど。それが出てるような気がしますね僕も。」

坂本「あとね僕ね。なんか、バンドを背負ってるイメージでね。」

井ノ原「あ、そうなんだ。」

坂本「あんま無いじゃない、そういうイメージ。だから健にもね、これ、えー、なんだろう、『第2のShelterだね』みたいなこと言ってくれたのね。それもあるなーと思ったんだけど、あえて踊らない方のほうがなんかそれぞれの個々が、「ONES」だからねタイトルが。個々が出るんじゃないかなと思って。」

井ノ原「なるほどね、なるほど。はー。んで長野くんは?」

長野「僕も何曲かあった中で、ああこれがいいかな〜っていう、曲は。んで詞はー、そうだな。書いてもらった。いくつかある中からテーマを言って、それで選んだみたいな感じですかねー。うん。」

井ノ原「あー、なるほどなるほど。

(※ここから急に話が脱線しアルバムとまったく関係ない話をしたあと、また唐突に本筋に戻るのだが、可笑しすぎて中略するには惜しいので残しておく。)

長野くん、なんか、なんかアゴ顎濡れてない?」

長野「ほんと?」

井ノ原「うん、アゴ濡れてる…アゴがテカテカしてるよなんか。」

長野「テカテカしてる?これ」

坂本「(笑)『顎濡れてない?』って(笑)」

井ノ原「アゴ濡れてんな〜って思って」

長野「アゴ濡れてテカテカして。ははは(笑)

坂本「だめだ顎濡らしちゃあ。」

長野「顎濡らすことなかなかないからね。」

井ノ原「どうしたらそうなっちゃったの?

長野「わーからないですねー。ええ。」

井ノ原「なるほど。それでなんかディレクターと詰めたりとかして話を。」

長野「そうですねー。んー。詞の内容、なんか、今二次元とか三次元とかよくわかんなくなってるじゃないですか。」

井ノ原「ん?」

長野「2.5次元とか。」

井ノ原「あー」

長野「なんか、そこにーこう現実のものを当てはめるとか。僕らもある意味、やっぱり、初めて見ると『本当にいたんだ!』とか言ってもらうこととかあったりとか。だからそういう仮想現実じゃないけどそういうのがあるから、それを詞にしたらどうだろうなーって。」

井ノ原「なるほどなるほど!」

(「V6 Next Generation」2017年7月8日放送)

三宅

「というわけで、まぁ今日は、ちょっと、8月9日発売されるニューアルバム『The ONES』のことについてちょっとお話していきましょう。

今回も、ねー。かなり新曲が増えるわけですから、またV6の楽曲がアップデートされるわけですよ。

 

どれが好きかな~?

僕のはねえ、好きなのは~…あ、『never』も良い曲だね。

あとはね、あ!坂本プロデュースのね『Answer』もいいんだよね、好きなんだよね~、僕は。うん。僕のイメージは坂本くんの『Answer』は、んー、2017年バージョンの『Shelter』って感じなんだよね。坂本くんのソロ曲があるんですよ『Shelter』っていう。そういうイメージが僕は強いですね。うん。

この曲もいい曲だしー…あ!井ノ原くんの『レッツゴー6 匹』これもね、好き。

あーあとね森田君の『ボク・空・キミ』これも好き。うん。

あとは~…長野くんの『Round & Round』。これもね、あの、色んな意味で好き。うん。あーやっぱり長野くんって、坂本くんのこと好きなんだな、みたいな感じ。

あと岡田の『刹那的 Night』も好き。

全部好きじゃんか!!あー、でもどうだろうな、この中でどれを選べって言われたら、僕は森田くんの『ボク・空・キミ』が一番好きですね。うん。

いっぱい良い曲あります、あ!あとね!やっぱり『The One』っていう楽曲があって、これもすごい好き!これ僕は井ノ原くんにギターを弾いてほしいな。いい曲。すごい好き。うん。そうなんですよもう、結構ね、好きな曲ありますね。」

 

(自身のプロデュース曲について)
「うちのavexの女性スタッフさんから、あのー、「失恋ソングを作りたい」という、たっての希望が有りまして。

元々デモで『Remember your love』っていうのがあって、すごく良いメロディーだったので、じゃあこれを、作詞をどうしましょうかなんて話とか、アレンジから始まってですね。結構詞が固まるまでが難航して、結構大変だったんですけど。本当に何度も『いやもっとこうして欲しいんです』とか『これじゃないんです』なんていう、本当にクソ生意気な事をですね、お伝えしながらやって貰ったんですけど。

これ言っちゃうと、まぁ聞く前だからネタバレになっちゃったりするんで言わないですけど、まあ、ある僕が見た映画を、『この映画みたいな世界観をこの楽曲の中で描いたら面白いんじゃないか?』っていう話でスタートをして。この『Remember your love』の歌詞ができたんですけど。なかなかあんまり普段じゃやらないような試みをしてみたりして、作ったんですけど。最終的には、とても素敵な歌詞になって気に入ってます!うん。

本当にあの、作詞家の方に感謝したいです。本当に何度も何度も、色んなパターンを書いてもらって、こっちがいい、これとこれをこう組み変わったらこっちのほうがいいんじゃないかとか、言葉のハマりがもうちょっとこっちのほうが良いんじゃないかとかって話を色々と試行錯誤をしながら、できた歌詞でございます。

あとは歌い分けとかも決めて、やったっていう感じですかね。

まぁだから、なんか…どうなんですかね、失恋ソングって難しいと思うんですよ。女の人が聞いて、なんか、ね、男の人ってさ、失恋した後も好きだった女性の事を思ったりするけど、女の人ってやっぱり過ぎ去った日々は忘れ去っていく、っていうような生き物だと思うので。勿論引きずる方も居るとは思うんですけども。

別れた後に自分の事を想われてるっていうことを、どう描けば女性が聞いてもグッと来るのかな?っていうようなことを考えて、やったんですけど…まあ、開けてビックリ玉手箱、聞いたら興醒め!なんて事にならなければ良いですけどね!!(笑)

世の中に失恋ソングってたくさん有るけど、でもなんかこう、男性が別れた、好きだった女性に想いを巡らせてるってことでグッと来る楽曲もあれば、ちょっと気持ち悪い…って思われる楽曲もあったりして。だから難しいところで『何今更そんなことを言ってるの?』みたいな風に聴こえちゃう場合もあるだろうから、そこら辺が難しいなっていうのを考えながら。

そこのね、女性の、なんていうんだろう、琴線というかさ。涙腺に触れるものであってほしい、って思ってたので。まあそれが、そうなってるかどうかはちょっと定かではありませんが。はい。是非、皆さんの心に届く楽曲になっていることを、私は心から願っております。

(「三宅健のラヂオ」2017年7月10日放送)

 

トニセンの急な「アゴが濡れてる」という会話は私の中の今年度迷言トップ10にノミネートしそうな勢いなのだが、それはとりあえず必死で一旦スルーしておき本筋の話を進める。

 

坂本さん、長野さん、三宅さんのプロデュースについて、「何曲かある候補から選考」「詞の内容を提案」の部分が語られた。この3人のプロデュース曲は作詞・作曲が現時点で未発表。

他3人はそれぞれ、

井ノ原プロデュース→レキシ作詞・作曲

森田プロデュース→大橋トリオ作曲

岡田プロデュース→石野卓球作詞・作曲

と発表済である。

 

 

初回盤の特典内容がスゴイ

発売形態は初回限定盤2種通常盤の計3種。初回盤には特典ディスクがついているし通常盤にはボーナストラックが収録される。

【初回生産限定盤・A】

収録曲全曲のMV 15曲分(Blu-ray・DVDが選べる)

【初回生産限定盤・B】

テレビ朝日ドリームフェスティバルLIVE映像 全編

カミセンvsトニセン!沖縄縦断VR対決

【通常盤】

ボーナストラック2曲(カミセン・トニセン)

 

初回限定盤A・収録全曲のMV(15曲分)

15曲分ものMVが収録されるのだが、おそろしいのはそのほとんどが今アルバム制作の一環として新たに撮影されたものであるということ。

 この情報が解禁される前、ラジオでこんな会話があった。

(ラーメンが伸びるのを気にして急いで食べちゃう話から一転して)

井ノ原「いやーだめだよ、もっと落ち着かないと、V6。」

坂本・長野「(笑)」

井ノ原「忙しすぎだよね~」

坂本「なんだろうあの、バタバタした忙しさっていうの?なんかね」

井ノ原「いやあ、そうなんだよね~」

坂本「個々でほら、みんな仕事あるから6人の仕事ってなるとまたプラスで忙しくなるから」

井ノ原「うん」

坂本「なんかバタバタ感があるけど」

井ノ原「そうだねー」

長野「あれ今日はなんだっけ?この後なんだっけ?、みたいなのが続いてるもんね」

井ノ原「続いてるねぇ」

坂本「俺1回さあ。ミュージックビデオの撮影して、終わったーと思ったら『この後収録です』って言われて、何の?つって『歌です』って言われて。えっ、えっ…?」

井ノ原「あー」

長野「覚えてる(笑)」

井ノ原「この間でしょ?」

坂本「えっ、歌?今日?」

長野「『今日何分サイズ?』って聞いてたもんね(笑)」

坂本「うん。もう今日何をやるかが全然把握できてないっていう」

井ノ原「たった1日の出来事なのに、2日間だと思ってやってたもん。」

坂本「あーわかるわかる、そういうの。すげーわかる」

長野・井ノ原「(笑)」

井ノ原「『今日もう朝か』とか言って勝手に思ってやってたけど、そんなのデビュー当時以来だよ」

長野「そうだね。結構ね。」

井ノ原「ねえ。『あん時記憶ない』って岡田がよく言ってるけども、わかりますよね。」

長野「うん」

井ノ原「やっぱ1個1個ちゃんとやりたいなと思って、やってはいるけども。もちろんね。まぁまぁ流れないようにはしてますけどね」

坂本「この番組もね」

井ノ原「この番組も(笑)俺今日だって、NHK出てから「さてと、ドラマか」って思ってたからね。」

坂本・長野「(笑)」

井ノ原「(笑)台本に手をかけようと思って「この後ドラマだよね?」って言ったら「ラジオです」って言われて。」

坂本「ルーティーンがあるからね」

井ノ原「『ああそうか!』って。ちょっと安心した」

坂本「昨日も昨日でね、ちょっと遅くまでね、6人の仕事が」

長野「久々だったねなんか。」

坂本「あの時間で?」

長野「6人であれだけ押して、遅めっていうのが。」

井ノ原「夜中までね。昨日はだから、俺あさイチ終わってー、あのスタジオ入ったらもうみんなすでにソロカットは撮り終わってて。」

坂本「そうだねぇ」

井ノ原「プロモーションビデオ撮ってて。俺も途中で撮って。で『途中から衣装替えます』、って替えて。何やったんだっけ?別のプロモーションビデオ撮ったんだ。」

長野「そうそうそう」

坂本「2本撮った」

井ノ原「2本撮った。でそれが終わってまた戻ったんだけど。また『別の衣装替えます』って言って。今度ジャケット撮影があって。」

坂本・長野「はい」

井ノ原「それからまた戻ってプロモーションビデオつって」

長野「そうそうそう」

井ノ原「なんだかよくわかんなかった」

長野「何ポーズ着たかなってかんじだったね(笑)」

井ノ原「ただ良い作品ができそうなことだけは間違いないと」

坂本「そうだね」

井ノ原「ええ」

坂本「まあそれがどういう形でね、みなさんにお伝えできるかちょっとお楽しみにしといてください」

井ノ原「そうですね」

坂本「あーもう疲れたーほんと疲れたー」

井ノ原「(笑)ほんっと疲れたね」

(「V6 Next Generation」2017年5月20日放送)

 一体なんの撮影をしているのだろう?と思っていたら後に「特典でMV15曲収録」との情報が入り、おおいに納得した。既存映像を除いても10曲以上撮らないといけないわけだから、そりゃあバタバタもするしデビュー当時くらい忙しくもなるはずである。

なにせ曲数が半端ない。試みが攻めすぎていて、ファンからしてもちょっと無謀なのでは、と心配になるレベルの大仕事だ。ありがたすぎて心配だ。

しかも、この初回A盤のディスクは選べる2タイプ。

特典ディスクというのは大抵DVDが多いが(実際B盤はDVDのみ)、Blu-rayも選べるようにしているあたりきっとMVの作品としての質を上げてきているのだろうと予想する。

 

撮り下ろされたMVのうちいくつかはすでに解禁済で公式サイトで一部見られる。

MOVIE | V6 Official Website

公開になっているのは「Cloudy sky」「SOUZO」「ボク・空・キミ」「Remember your love」。

そして先日発表された岡田さんプロデュースの「刹那的 Night」 は一段とえげつなかった。

作詞作曲は石野卓球さん。デジタルアートはいまやその名を聞く機会も多いチームラボ。

MVの舞台は、世界各地で展示されている体験型のデジタルアート作品「追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして衝突して咲いていく」。四方と下方が全て映像に囲われたインタラクティブデジタルインスタレーション作品で、光で描かれた八咫烏(やたがらす)が空間を飛び回り、その軌跡が光跡となり光の空間に描く書『空書』を描いている。コンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれ続け、V6メンバーの位置や動きの影響を受けながら変容していく。

V6、岡田准一プロデュース曲「刹那的Night」のMVはチームラボが手掛ける | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス

舞台となっている「追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして衝突して咲いていく」の作品映像がこちら。

この空間を舞台に、衣装は西陣織を使い世界的なファッションデザイナー串野真也さんがデザイン。それも光に反応して色が変わる特殊な仕様で、まるで違う衣装を着ているように見えるほど印象が変わる。さらに振り付けはバレエダンサーの首藤康之さん。 

豪華すぎてこの1本だけでもお腹いっぱいな気持ちになるのだが、これが15曲分の1曲にしか過ぎないのだ。

初回限定盤Aのおそろしさはもうお分りいただけたと思う。

 

初回限定盤B・フェス映像(全編)とカミセントニセン対決

こちらに収録されるのは

「テレビ朝日ドリームフェスティバル LIVE映像全編」

「カミセンvsトニセン!沖縄縦断VR対決」

の2本立て。

 

ドリームフェスティバルには2016年秋に出演。この年はコンサートツアーがなかったため、歌って踊る姿が見られる貴重な機会となったのだが、その時の映像が全編収められている。そして気になるセットリストは、

1.MUSIC FOR THE PEOPLE

2.TAKE ME HIGHER

3.Believe Your Smile

4.HONEY BEAT

5.fAKE

6.will

7.SP"Break The Wall"

8.Beautiful World

9.over

10.wait for you

11.Darling

12.CHANGE THE WORLD

13.愛なんだ

14.WAになっておどろう

 「フェス」という自分たちのファンだけでなく他のアーティストのファンも混在する場で勝負すべく組まれた、V6が凝縮されたようなセットリストのライブ映像。いわば全部乗せ。

 

そして沖縄で撮影されたというカミセンvsトニセンのVR対決。

内容の多くはいまだ謎に包まれているが面白い予感しかしない。メンバーが揃って企画をするにあたって笑える何かが起こらないわけがない。

 

特典映像についてざっくり言うなら

作品色が強い初回A(4,860円)

ライブ×バラエティで構成された初回B(4,104円) 

といったところ。ちなみに通常盤は3,240円。

「アルバム」ということで考えると4,000円超えは高い!と思うが、映像のボリュームを考えるとお得感すらあると思ってしまうのはファンの欲目だろうか。

前者はファンやコアな目線で楽しみたい方に向いていると思うし、後者はアイドルらしい二面性を網羅した取り合わせで沼に引きずり込む要素を秘めていそうだ。

 

 

情報解禁のペースがヤバイ

収録内容の情報解禁が少しずつ進んでいる今日この頃なのだが、このペース配分がまた特殊である。

ラジオで毎週新たな音源を解禁していくのはアルバム発売時の定番ともいえる流れだが、なにせ今回は新作MVも山ほどある。その解禁も小出しで進んでいるため、この7月は情報解禁のペースが早い。最近はもうずーっとやっている。とても楽しんでいるのだがその反面心臓がもたないので助けてほしい。

数日毎になにかが起きその度に阿鼻叫喚、落ち着いたと思ったらまた次の情報が発表、の繰り返しだ。

5月2日 アルバム発売情報解禁

6月13日 発売日・アルバムタイトル・制作陣・リリース形態発表

    「Cloudy sky」MV解禁

7月8日 「Answer」音源解禁

7月10日 「Remenber your love」音源解禁

7月12日 「SOUZO」MV解禁

7月15日 「音楽の日」内で「never」歌唱

    (事前告知なしのサプライズ)  

    「Round & Round」音源解禁

7月18日 WOWOWとのコラボ発表

7月20日「刹那的 night」MV解禁

7月21日「ボク・空・キミ」MV解禁

     「Rememver your love」MV解禁

    全国のCDショップで先行試聴展開することを発表

7月22日「レッツゴー6匹」音源解禁

ー 以下今後の予定 ー

7月25日 CDショップでの先行試聴スタート

8月6日 WOWOWにてアルバムと連動した特番放送

8月9日 アルバム発売

8月11日 全国ツアー開始

エイベックスのV6公式サイトでは7月21日のスタッフブログに「まだまだニュースは続きますよ」と書かれている。

どうやら本当にまだまだこの状況は続くらしい。この数週間アルバムのことを忘れる暇がなく、多分このまま気付いたら発売日を迎えているのだろう。おそろしい。

 

 

採算が取れるのか不安になるほどスゴイ

私自身がこのアルバムを買うのは言わずもがなのこととして、なんだかそれ以上に、「売れてほしいな…」と漠然と願ってしまう。

そりゃあいつもいつでもヒットしてほしいのがファン心理ではあるけれど、今回はそれ以上に。

これだけ力の入ったものを作って、これだけ力の入ったプロモーションをして、これだけひしひしとその熱量が伝わってくるのだ。

もうこんなの、売れてほしすぎる。

 

あまりにも浴びせられるように過剰な与えられ方をしているので、採算取れるのかな?だとか、果ては大丈夫なのV6?という不安さえよぎって逆におろおろしてしまう。

しかしながら、おそらくは"これだけ展開する価値があると判断されている"ということなのだ。ありがたく、なおかつ誇らしいではないか。

そうなってくるととにかくもう、それに応えてさらにお釣りが来るくらいの結果になってほしい。よし買おう。

 

「これ以上何を求めるものがあるのか?」というほどに中身が盛りだくさんの「The ONES」、たくさん人の元に届くアルバムになることを願うばかりである。

 

本当に、この夏のV6はとんでもないことになっているぞ。

The ONES

The ONES

 

 

 

V6アルバム「The ONES」楽曲提供アーティストに関するアレコレ

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前記事「8/9発売のV6のアルバムが大変なことになっている件」の楽曲提供アーティストに関する文章が長くなったので、こちらに分ける。ということで元記事はこちら。

目次

 

秋元康さん

今やAKBグループ・坂道グループのプロデューサーとしてほぼ全曲の作詞を手がけられている方、という印象が強い。

V6にはデビュー曲「MUSIC FOR THE PEOPLE」を作詞。楽曲提供はそれ以来20数年ぶり。デビュー当時放送されたいろんな意味で伝説と化しているV6主演ドラマ「Vの炎」では企画も担当している。

 

以前「関ジャム」で放送された「プロがやられた歌詞の技術」という企画で、いしわたり淳治さんが秋元康さんの詞について言及していた。

その中で取り上げられていたSKE48の「12月のカンガルー」は私もとても好きな曲だったので放送を見ていて「わかる!」と大きくうなづいた。 

 あまのじゃくかつツッコミ気質強め関西人の私は「いや、なんやねん12月のカンガルーて、意味わからん。」ととりあえず一旦は心の中でつっぱねた。

曲を聴いてみれば、ポップな曲調でいきなり「カンガ・ルー!イエー!」。いまだかつてこんなに楽しそうにカンガルーと叫ぶ人がいただろうか。おそらくいない。

歌詞が展開されていくにつれてようやくその意味を理解する。

うまいこと言うなあおもしろいことするなあ、と妙に感心してしまってマイナスからプラスへの転じ方がすさまじく、その落差の分だけ私の中で評価が跳ね上がる。

今回のアルバムで作詞を担当した「Cloudy sky」も、タイトルとは懸け離れたさわやかなイントロを聴いた時点で"してやられた感"があり、ここからどうやって曇り空の情景に結びつけるのだろう?とワクワクしてしまった。

私はずっと秋元康氏にしてやられ続けている。

 

また、秋元さんの作詞について調べていると興味深い対談を見つけた。 

(秋元康)テクニック論で言うと、もしもね、それがなんだろうな?参考にしていただける・・・自分はそこまで考えてないんだけれども、後で考えるとですよ、カメラが動いているか?っていうことを考えますよね。

(宇多丸)カメラが動いているか?

 (秋元康)だからはじめは俯瞰で、この主人公はこのカフェのこのテーブルに座っていると。で、それをずっと引きっぱなしだったら、伝わらない。

(宇多丸)まあ、感情移入もしづらいですよね。引きのショットだけだと。

(秋元康)だからその時に、寄った時に何に寄るのか?と。その時に彼女は何を持っているのか?とか、そこにはどんなものが置いてあるのか?何を飲んでいるのか?とか。で、あるいはそこで1コーラス目いったら、2コーラス目がずっとこのままじゃ嫌だから、回想を入れようとか。回想で、じゃあちょうど1年前はどうだったのか?とかっていう、その映画とかの編集に近いかもしれないですね。

 

耳から得た言葉と音の世界から、そこに表現されている情景を想像する。確かにその時にカメラワークが切り替わるようなタイプの曲がある。

あまり深く意識していなかったがそこに注目しながら世界観に没頭するのもおもしろいな、と改めて思った。

 

浜野謙太さん(在日ファンク)

浜野謙太さんは最近では俳優さんとしてテレビで見かける機会が多い方だが、もともと星野源さんらと共にSAKEROCKというバンドを組んでいて、のちに俳優業も始められた方。

担当楽器はトロンボーンで、先月から公開された氷結のCMで演奏していた。

 

「在日ファンク」というバンド名からしてファンクを演奏しているであろうことは容易に想像がつくが、ファンクとは一体どういうものなのか、ということでいくつか挙げてみる。 

根にもってます

根にもってます

  • 在日ファンク
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

君のいいところ

君のいいところ

  • 在日ファンク
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

縁の下の力持ち

縁の下の力持ち

  • 在日ファンク
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

今回のアルバムでは「SOUZO」の作詞を担当。先日MVも解禁になり、詞の内容も明らかになった。

“SOUZO”(想像)をふくらませた男の脳の中を描く。MVではタキシードを着てビシッと決めたメンバーが、高嶺の花の女性に「今日はキメてやる」「あの娘とうまくいくだろう」と想像をふくらませてアプローチをかけるも、現実は想像とは違い、まったく振り向いてもらえず翻弄される。

V6、“高嶺の花”渡辺直美に翻弄される ファンクな新曲MVでダンス共演 | ORICON NEWS

高嶺の花の女性役として渡辺直美さんが出演しているので、映像もあわせて楽しみである。

 

石野卓球さん

岡田さんプロデュース曲「刹那的Night」は石野卓球さんが作詞作曲。
個人名を聞いてピンとこなくても「電気グルーヴ」と聞けばピンとくる方も多いのではないだろうか。
そして電気グルーヴといえばいわずもがな、やっぱり「Shangri-La」。
Shangri-La

Shangri-La

  • 電気グルーヴ
  • エレクトロニック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
近年で言うならぜひともこの曲を推したい。
モノノケダンス(TV edit)

モノノケダンス(TV edit)

  • 電気グルーヴ
  • エレクトロニック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

石野さんの音楽のジャンルはテクノで、語彙の整合性を求めずに言うならピコピコおしゃれ系とでも言おうか。

さらにこれまでにどんな方に楽曲提供してるのかなと調べてみたら聞き馴染みのある楽曲が。

ウルトラ リラックス

ウルトラ リラックス

  • 篠原 ともえ
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 (作詞・作曲) 

Jasper

Jasper

  • 木村カエラ
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

(楽曲提供・プロデュース) 

やはりピコピコおしゃれ系だなという印象。

今回提供された曲は岡田さんプロデュースの「刹那的Night」。

試聴してみて、ピコピコ鳴りつつもホーンの音が入っていたりクラップが入ったりとこいつはご機嫌なナンバーだぜと思っていたのだが、公開されたMVを見れば近代的な電子サウンドに最先端の映像技術、そこに伝統的な西陣織を使った衣装…とかなり前衛的な作品に仕上がっているようだ。ご機嫌なナンバーだぜとか思ってしまったこの陳腐な感性を恥じたい。

 

レキシさん

元SUPER BUTTER DOGの池田貴史さんによるソロユニット兼、ユニット内での池田さんの名称、それが「レキシ」。 

中学生時代、FMラジオではじめてSUPER BUTTER DOGの「コミュニケーション・ブレイクダンス」を聴いた時に「これはオシャレだ…!」と何の根拠もなく思った。

コミュニケーション・ブレイクダンス

コミュニケーション・ブレイクダンス

  • SUPER BUTTER DOG
  • オルタナティブ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

当時私が聴いていた音楽は、テレビから流れてくる、言ってみればヒットチャート上位に入るような音楽ばかりだった。

そういう曲が大好きで、テレビで聴くだけでは飽き足らずにラジオを聞くようになった。

ラジオの中でも「FMラジオ」は格別に洒落ている気がして、そこにわざわざチューニングを合わせて聞く自分もなんだか少し”音楽通なそれっぽいひと”になれてるような気がした。残念ながら完全に気のせいだったが。

その頃からずっと、私の中でこの曲を聴いている人は通なオシャレさんなのだ。

根拠はまったくない。そしてそこに自分は含まれない。誠に遺憾である。

 

前身時代の話が長くなってしまった。

レキシさんの楽曲の歌詞は日本史を題材にしている。

狩りから稲作へ feat. 足軽先生・東インド貿易会社マン

狩りから稲作へ feat. 足軽先生・東インド貿易会社マン

  • レキシ
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

ラジオから「縄文土器 弥生土器 どっちが好き?どっちもドキ。」という歌詞が聞こえてきた時は「さすがにそんな歌などあるはずがない」と自分の耳を疑った。

いい曲っぽいメロディなのに歌詞が土器この世界観はレキシさんにしか表現できまい。

 

レキシさんの音楽に出会って(前身のことを考えるとある意味"再会"だったのだけれど)それから何年か経ちいつの間にか彼の音楽は大衆に広く知られるところへきていて正直驚いていたのだが、ある記事を読んでそういう人は少なくないのではないか、と思った。

 

実際、レキシの首謀者・池田貴史は、筆者との過去のインタビューでも、同様の発言を繰り返している。いわく「10年に1枚のつもりだった」「何コレ?と言われたい」「みんな期待しすぎ」「レキシ自体がハプニング」等々。

レキシはなぜ “いまもっともチケットが取れないアーティスト”になったのか | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス

内輪ウケを狙っていたら実はその"内輪"は想像以上に大きくて、もはや内輪では済まなくなっているような感じだ。近年では、とうとうCMソングでも起用されている。

KATOKU

KATOKU

  • レキシ
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

新曲は「家督」をテーマに制作され、「君に家督を譲りたい」とストレートな想いをファンクビートに乗せた楽曲だ。

レキシがダイハツ新CMで「君に家督を譲りたい」と歌う、チョイ役で登場 - 音楽ニュース : CINRA.NET

君に家督を譲りたいというストレートな想い」、こんなゆかいな曲紹介そうそう無い。曲が持つ性質として全然ストレートじゃない。

真面目に紹介されているのがじわじわくる。 

 

レキシさんが提供した曲で最近気になったのは、私立恵比寿中学の「なないろ」。

今年2月、メンバーの急逝で8人から7人体制になり、その新たなスタートを切った1曲。

ファンならずとも大丈夫なのかな?と思わず心配してしまうくらいに悲しいことがあった後で、果たしてどう乗り越えていくのだろう、という不安を吹き飛ばすような曲だなと感じた。

 

初めて「なないろ」というタイトルを見たときには「7人体制になる=7色」という意味が浮かんでしまい、あまりにも寂しすぎるじゃないか、と思った。

ところが実は「歌詞中に出てくる青=亡くなった松野莉奈さんのイメージカラー」「なないろ=7・16(松野さんの誕生日)」という話を知った。

前を向いて、でもこれまでのことも忘れないしずっと共にある。曲の主題は恋愛なのに、散りばめられたフレーズにはそういった色がにじんでいて泣きそうになる。

 

提供曲はある意味作り手から歌い手へのプレゼントのようなものだと思うが、その類の中でも最近一番ぐっときた曲かもしれない。

 

秦 基博さん

秦さんが提供してくれたのは昨年6月にリリースしたシングル「Beautiful world」。2016年のリリースはこの1作のみだったので特番などでの披露も多かった。

Beautiful World - V6 - 歌詞 : 歌ネット 

井ノ原さんとはもともとの知り合いであり、楽曲提供については「20周年の時になにかやれたら」と計画されていたのが延び、20周年後のリリース1作目で実現。

V6をイメージして作られた楽曲で、秦さんから見てもV6はこんなにキラキラして平和な世界を持ったグループに感じるのかと少しくすぐったい。

自身もギター&コーラスで参加しているのだがそれについてメンバーはこんなふうに語っていた。

三宅「それって、ただ参加してくれたっていうことだけじゃなくて、もっと大きなことだと思うんです。僕らだけじゃなく、僕たちのことを好きでいてくれてるファンの人たちのことまで包んでくれてるような思いを感じるんですよ。間奏の”Beautiful World!”ってとこも、僕らがファンの人たちと一緒に声を出せるようにって入れてくれたりして」

井ノ原「でも秦くんから来たメールでは、”コーラス、入れちゃいました(汗)”みたいなニュアンスだったよ(笑)。ギターはもともと弾くつもりだったんだけど、気持ちが高ぶっちゃって、コーラスまでついつい入れちゃいました的な(笑)」

(「月刊SONGS」2016年7月号)

楽曲そのものが持つ世界観に6人が歌う姿を加えてみると、私はどうしても「デビュ-20周年を越えてなおこんな世界を見せてくれる」ということに感動してしまって、天を仰ぎたい気分になる。

まんまと酔いしれてしまえるあたり単純というか思う壺というかちょろいというか…なのだが、グループ活動の中でここまで圧倒的に平和な世界を見せつけてくれるとホッとする。定期的に摂取したくなるような正しい世界観だな、と思う。

 

最近は「君の名は。」の三葉役で一躍有名となった上白石萌音さんのシングル曲を提供していて、それがまた彼女の歌声にドンピシャで最高だった。

告白

告白

  • 上白石萌音
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

秦さんのその透き通った歌声にデビュー当時つけられたキャッチコピーは「鋼と硝子でできた声」。

しかし喋れば飄々としたなんかちょっとおもしろい人。秦さんの独特のキャラは個人的にツボにはまりがちなのでそういう面もぜひご覧いただきたい。

かつて自身のあごヒゲについて「ヒゲがなければ何も無いに等しい、のっぺらぼうに等しい、凹凸が無い、ヒゲがあることでギリギリ陰影がついている」と言っており、ヒゲが無いことは素っ裸に近いので剃る場合はあごにパンツを履かなければいけないという旨の迷言も残している愉快な人である。

 

 

大橋トリオさん

トリオというからにはまぁ3人組なのだろうと思いきや1人しかいないということにまずびっくりしがちな、大橋好規さんのソロプロジェクト。
 
作曲はご自身で行い、作詞については英語詞・日本語詞でそれぞれほぼ同じ方に依頼していて、そのうち日本語詞を担当しているmiccaさんはV6の最新シングル「COLORS」の作詞もしている。そちらも今回のアルバムに収録。
今回提供した「ボク・空・キミ」については"大橋トリオさんが楽曲提供"という名目になっているので作詞者は今のところ未公表なのだが、もしかするとmiccaさん担当かもしれない。

「大橋トリオ」としての歌手活動をしつつ本名名義での作曲家・編曲家としての活動もしていて、楽器もピアノ・ギター・ベース・ドラム等々こなせるマルチプレイヤー。

楽曲提供が発表された時にとっさに「すごい!」と思ったのだが、よくよく考えるとその「すごい!」の理由を全然わかっていない自分がいて改めて調べてみたら、そもそも才能が半端なかった。

Bing Bang
Bing Bang
  • 大橋トリオ
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
HONEY
HONEY
  • 大橋トリオ
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
はじまりの唄
はじまりの唄
  • 大橋トリオ
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

今回の提供曲はメンバープロデュースの中でも森田さんが担当した曲。

試聴してみたら森田剛っぽいし大橋トリオっぽくもあり抜群の相性の良さを発揮していて、改めて「大橋トリオってすごい…」と実感した次第である。

 

Microさん(Def Tech)

通常盤のみ収録されるボーナストラックのカミセン曲「Get Naked」はDef TechのMicroさんが作詞を担当。

Def Techといえば2005年に発売したアルバムがミリオンセールスを達成する大ヒットとなり一気に知名度を上げた。

My Way

My Way

  • Def Tech
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥150
  • provided courtesy of iTunes

Microさんがこれまでに参加したV6の楽曲は2つ。

“悲しいほどに ア・イ・ド・ル”~ガラスの靴~ - 三宅健(V6) - 歌詞 : 歌ネット(作詞・作曲)

Wait for You - V6 - 歌詞 : 歌ネット(作詞)

 

三宅さんのソロ曲については、自身の希望でオーダーした経緯がある。

改めて、経緯を説明するとだいぶ前から、マイクロと一緒にやりたいねって言ってたんですよ。でもなかなかお互いのスケジュールが合わず出来なかったんですけど、で今回、全員のソロをアルバムに入れるって事になりましてそれぞれ自由にやって良い、って話しだったんで僕はマイクロにやってもらおうかな、って。

ラヂオの日記: 2010年4月19日のラヂオ

微妙なニュアンスで希望を言う・それにバッチリ応えてくれる、というやりとりを経てかなり丁寧につきつめながら作業をしていったらしい。

 

そして「Wait for you」は20周年イヤーに発売されたベストアルバムに収録された新曲だったのだが、大きな意味を担った曲だったと思う。

「振り返れば君がそばにいてくれた」「思えば目の前の君が支えてくれてた」

「あの日々があったから今の僕がある」「あの苦しみがあったから今の僕がある」

おのずと彼らの現況に重ねて考えてしまうようなフレーズが散りばめられていて、いまだに20周年の時を思い出してはぐっとくる。

そういった前例があるので期待値が上がってしまうのも仕方ない。

  

堀込高樹さん(KIRINJI)

もともとは「キリンジ」名義で活動されていたのだが、メンバーの脱退、加入で現在は「KIRINJI」に変更。

星野源さんがラジオで歌ったりのんさんがカバーしたりで何かと話題の「エイリアンズ」は、キリンジさんの曲である。

エイリアンズ

エイリアンズ

  • のん
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 ちなみに秦さんもカバーしていた。

エイリアンズ

エイリアンズ

  • 秦 基博
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

井ノ原さんがキリンジが好きでラジオにゲストで出演する際などによく選曲している。

ということで過去にラジオで選曲していたものを何曲か。 

冬のオルカ

冬のオルカ

  • KIRINJI
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 V6・井ノ原快彦"色褪せない曲" | SEIKO presents 松下奈緒 サウンドストーリー

 

 

悪玉

悪玉

  • KIRINJI
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
風を撃て

風を撃て

  • KIRINJI
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

今回提供されるのはトニセン曲で、タイトルは「会って話を」。

堀込さんは過去にトニセンの「不惑」の歌詞を書かれていて、もうこの要素だけで問答無用に期待してしまえる。

もともとは英語詞で作られていた楽曲で、それを日本語詞にしたいと思い堀込さんに依頼がいったらしい。

不惑 - 20th Century - 歌詞 : 歌ネット

 

個人的におすすめしたい提供曲は、藤井隆さんの「わたしの青い空」。

わたしの青い空

わたしの青い空

  • 藤井隆
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

2004年リリースのシングルで、たしかMステに出演したときに初めて聴いたのだが、第一印象は「怖い曲…」だった。

 

なんか怖い。でもクセになる。インパクトが強すぎて背筋がぞわぞわするので聴きたくない気がするのに、なんだか聴きたくなる。いまだに私の中で距離感がつかめない不思議さを持った曲だ。

 

 

以上、楽曲提供アーティストに関する雑感を書き連ねてみた。

この人といえばあの曲・この人といえばこんなイメージ…みたいなことを延々と書いてみることで改めていろいろと振り返ることもでき、アルバム発売の前哨戦としてかなり有意義だった気がする。

 

ただし試聴と動画を貼るととにかくページ表示が重い。

あとエラーがすごいので何度も文章が消失した。思い出すだけでツライ。

 

→元記事に戻る

  

 

ちりも積もれば「WOWOW×V6」となる

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2週間ほど前に突如発表された「WOWOW×V6」コラボプロジェクトが、8月に入りいよいよ始動した。

「WOWOW×V6 はじまる」のナレーションに思わず昂ぶるスタイリッシュなCMがお茶の間にも流れ始め、ああ本当に始まったんだなあと実感した。

 

 【WOWOW×V6 Special Collaboration】

・WOWOW CM出演

・スペインサッカー17-18シーズン イメージソング担当

・トニセン出演「スポーツ真夏の祭典」(7時間番組)

・8/9発売のアルバムとの連動特別番組

・2017年コンサート 横浜アリーナ公演放送

・コンサート放送直前にスペシャル番組

・20周年ツアー最終公演を再放送

充実しすぎているそのコラボ内容に、嬉しいやらありがたいやら、いっそ与えられすぎておそろしいやら、いろんな感情が湧く。

 

その中でも今回は強く実感したことがあった。  

「きっかけは、2015年に同局で放送されたV6の20周年ツアー最終公演。同局でジャニーズグループのツアーライブを最初から最後まで放送したのはこのときが初だったこともあり、視聴者からは大反響。「別の形でも放送して」といった声が殺到し、今回のスペシャルコラボが実現した。」

さあWOWになって見よう!V6とWOWOWが大型コラボ 岡田「V6を感じて」 - SANSPO.COM(サンスポ)

 

はじめてV6とWOWOWがタッグを組んだのは2015年、デビュー20周年を迎えた頃。

その時の放送が「好評だった」と……いや、ここは強気で言っておきたい。好評だった」、とのことで実現したのが今回の大型コラボレーションである。

 

それぞれがしっかりと応援する声を届ける努力をすれば、その声から生まれるものがある。

然るべきところにそれぞれがしっかり利益を与えていれば、それは多くの人の"本気"の証明になる。

ちりも積もれば山となる、ファンの課金が積もれば新たな嬉しいお仕事につながる。

 

今回のコラボはまさしくそういった仕組みの中でも「最良の結果」を具現化したようなものだ。

これを喜ばずして何を喜ぶ。

 

 

2015年、V6×WOWOW第1弾の反響 

2015年の放送内容はというと、目玉はもちろんコンサートツアーの最終公演。

まさに20周年を迎えた当日に行われた特別な公演を、ディスク化されるよりも数か月早いタイミングで放送した。

さらに無料放送での「V6 LIVE TOUR 2015 -SINCE 1995~FOREVER- 放送直前スペシャル」と、V6が主演した映画「ハードラックヒーロー」「ホールドアップダウン」を合わせ4番組を一挙に放送。

その際の反響が大きかったことも度々話題になった。

 有料BS放送のWOWOWは14日、昨年12月末現在の累計加入件数が283万8070件となり、平成3年4月の開局以来、最多となったと発表した。昨年末に放送された人気グループ「V6」のライブや、今月開催されるテニスの全豪オープンに錦織圭選手が出場する予定などが理由とみられる。

WOWOW、累計加入件数が過去最多283万件 V6のライブが影響か - 産経ニュース

放送された2015年12月の加入者件数は当時の過去最多を記録。

また年度末の総括の中でもこの放送について触れられていて、年間を通して見ても評価されるほどの好成績だったことがうかがえる。

田中氏は、2015年度末の累積加入件数が280万件超となった背景について、「マニー・パッキャオ対フロイド・メイウェザーのボクシングタイトルマッチなど、大きなビッグイベントがあった」「ジャニーズ事務所所属のV6のライブツアーや、ラグビーの欧州6カ国対抗戦である『シックス・ネーションズ』などの新しいコンテンツを放送し、これまでWOWOWに加入していなかった新しい層にリーチすることができた」と述べた。

ニュース - 「2015年度末の累積加入件数は年度末ベースで過去最高に」、WOWOW会見から:ITpro 

ネットニュースから得た情報でなんとなく「すごく反響があったらしい」ということは把握していたのだが、その実数についてはよく知らなかった。

この度コラボ第2弾が行われることになり、しかもそのコンテンツの充実っぷりを見ればWOWOWが本気で力を入れていることは一目瞭然だ。

 

では、WOWOWを動かすほどの反響とは実際どれくらいのものだったのか?

 

改めて2015年時の新規加入件数をグラフ化してみた。

f:id:since0629:20170802005403p:plain

2015年度 | 加入件数推移 | WOWOW CORPORATE INFORMATION)より

V6の番組が放送された2015年12月の新規加入は69,885件

月別で考えるとこの年度では2番目にあたる好成績だ。ちなみに、さらに上をいく数字を叩き出している2015年5月に何が放送されたのかというと、先ほど引用した記事にもあった「パッキャオvsメイウェザー ボクシングタイトルマッチ」である。

 

この数字のうち何件がV6目当ての加入だったかは一般市民の私には知る由もないのだが、はっきりしているのはこの69,885件分の1は私であり、もしくはそこのあなたであり、さらに井ノ原快彦というご本人が含まれているということである。

井ノ原「去年ね、WOWOWでV6のライブ放送して。恥ずかしい話入ってなかったんで、直前に入ったんですよ。あの、見たら見れたの、その前の俺たちのV6の映画やってて。で、左上に"お早めに加入してください"みたいなこと書いてあったから、『加入しなきゃ』ってなって電話で話してさ。名前言わなきゃいけないでしょ?」

坂本・長野「(笑)」

井ノ原「『今画面に何映ってますか?』って言われて、『なんか知らない映画が映ってますねえ』」

長野「なんか知らなくない、なんか知らなくないよ(笑)」

坂本「そん時入ったんだ(笑)」

井ノ原「『ん〜あの映画が〜』つって、『画面どんな感じですか?誰が今映ってますか?どんな人が?』みたいなこと言われて、『いやなんか暗くてちょっとよくわかんない…』」

坂本「どういうことだよ!(笑)」

井ノ原「ははは!(笑)ちょうど、あのホールドアップダウンかな?のやつで、ちょっと暗がりの中で戦ってるシーンだったから。『ああ暗くなってますねえ、はいそうですね』みたいな。で結局名前言うでしょ。で、今回何のために加入してくれたのかこのタイミングでって、聞かれるわけよ。」

坂本「そうそう」

井ノ原「でもう最終的に『えっとあの……V6の…(もごもごしながら)』

長野「言ったんだ!正直に(笑)」

井ノ原「言わないと!やっぱりそりゃカウントされるでしょ!だって!」

長野「そうね(笑)」

井ノ原「V6を見るためにWOWOW入ってる人がいるってことを示さなきゃいけないから」

長野「本人ね、身をもってね。」

井ノ原「もう、一瞬の間があって。『V6の…』『……あ!それでしたら早くやんなきゃいけませんね!』つって。」

長野「はい」

井ノ原「『録画とかできますか?』とか言って。『ちょっとそれはわかんないんで…』…一応別でDVDもらってる、持ってるけども(笑)」

長野「チェック用のね」

井ノ原「『大丈夫です早く見たいんでね』みたいな感じで」

坂本「(笑)」

井ノ原「そんなこんなでねやっと加入しましたんで」

長野「名前言った瞬間反応なんかあったんですか?」

井ノ原「あ、まあでもどうだろう、向こうもそういうのわかってて反応しないでくれたんでしょうね。そしたらあの、送られてきましたよ。遅ればせながら。V6表紙のやつが(笑)」(※加入者に送られてくる番組表の表紙がV6だった)

長野「(笑)」

井ノ原「ええ。まあこれからちょっとね、見てね。結構便利でいろんなの見れますからね!入ってよかったな、なんて思ってますけどね!」

坂本・長野「(笑)」

 

 

井ノ原「もっと前に入っとけばよかったよ」

坂本「ちょっとお恥ずかしい一瞬でしたけどね」

長野「かけたタイミングもちょっとね、自分たちが出てるタイミングだったから(笑)」

井ノ原「バリバリ(笑)見る気満々じゃん!(笑)」

坂本「わかんないもんねどういうシステムで加入するかが。」

井ノ原「僕らはほら、ね、チェックのために一応もらってるから、それを見てあそこどうなったかな?とか。ここはこうではないかっていうのを直したところはどうなったかなみたいなチェックしたいけども。ね(笑)」

長野「(笑)」

井ノ原「やっぱ正規に入んなきゃそれはいけないわけですから」

長野「そうですね」

井ノ原「ねー…まあちょっと、そんなの堂々と言えばよかったんだけど、はずかしい…ちょっとね」

坂本・長野「(笑)」

坂本「多分向こうでは話題になってると思いますよ」

井ノ原「なってますかね(笑)」

長野「本人が(笑)」

坂本「『イノッチ入ったイノッチ』つって」

井ノ原「『もごもご言ってたぜ』つって」

長野「しかも自分の映画が流れてる時に」

坂本・井ノ原「(笑)」

井ノ原「恥ずかしかったです」

 (「V6 Next Generation」2016年1月9日放送分)

コンサートが放送される直前、自分たちの主演映画放送中に自ら電話をかけて加入。

それも、「言わないと!やっぱりそりゃカウントされるでしょ!だって!」「V6を見るためにWOWOW入ってる人がいるってことを示さなきゃいけないから」と、自らV6目当てで加入したと主張しているのだからさすがである。

そして「カウントされるでしょ!」もおそらくはその通りで、カウントされているからこそ第2弾につながったのだろう。

  

WOWOW×V6、コンサート映像クオリティ

ところで、さきほどのトニセンの会話の中には「チェックのために映像をDVDでもらい、それに対して修正が加わっている」という節が見受けられた。

WOWOWでの放送にあたってファンが沸いたひとつとして「三宅さんが編集に立ち会う」という出来事があり、ご本人からはこんなふうに言及されていた。

マネージャーさんとの楽しげなやりとりより。

WOWOWのやつはもうある程度編集は編集の人に任せて。

まあいろいろあるわけですよやっぱり。エイベはやっぱりこう(放送で使わずにDVD用に)残したいじゃないですか。いい画は。いいショットは。

あの、もちろんDVDを、ずっと残るものだし放送しないしさ、盤になるものだからさ、いいものつくってほしいけど、WOWOWも良くしてほしかったの。絶対に。なんか、バランスをさ。

「WOWOWで使わない」みたいなさ。やだったから。

「もっと使って欲しい」って画を。ちょっと直せる所はもし直せるんだったらって立ち会わせてもらって…ていうんで行ったんだよね。

9時からスタートして、6時間くらいやってたもんな?気付けば。

(マネージャー)そうですね。3時まで。

気付いたら終わったの3時だったよな?

ビックリしちゃったよ俺。トイレ行く以外ほぼあのパソコンの画面に張り付いてたよな?

なあ?後ろで眠そうにして全然見てない!

(マネージャー)見てました!

嘘だよ絶対見てなかったじゃん!

「早くこの人終わらしてくれねーかなー」みたいな。

 

DVD化にあたっては更に良くしてほしいよね。うん。だから、難しいよなー、やっぱりこう。

本当は次撮る時はさあ、先に「ここはもう絶対抜いといて」っていうのを先に指示しておきたいね。確実に。「ここは絶対に外さないで」って場所をさ。

あるんだよなあ俺しか知らないヤツが。あるのよ。俺だけしか気付いてないヤツ。俺は見てないようで見てるよー。伊達に毎回コンサートの映像を俺は持って帰ってるわけじゃねえだろ?なぁ?そうだろお?毎回コンサート終わって2時間半か、あれ全部見てんだから。クソ眠い中!(笑)

そうだよ。だからみんなが知らないアングルにも気付けるわけよ…なぁ?

でもやっぱり良くなったと思うな、自分でも。

(「三宅健のラヂオ」/2015年12月28日)

本人たちの意見もしっかり反映されていた前回の放送。

WOWOWではいろいろなアーティストのライブが放送されているが、後に同公演がディスク化されることも多い。その場合には再編集されている。 

 

作品として長く残っていくであろうDVD・Blu-rayディスクとは違い、放送は一過性のものだ。作品の質、というか手間のかかり具合として「放送<ディスク」なのだろうな、という概念は私の中でも自然と出来上がっていた。

 

三宅さんも言っていたように「いいショットはDVDのために残しておきたい」はレコード会社側からすれば当然の心理で、逆にそこにメスを入れて良いショットを引っ張り出してくるなんてことができるのか、と、ましてや編集に立ち会ってまで質を追求することができるのかとかなり驚いた。

 

コンサートの度に毎回録画を持ち帰りチェックしているという三宅健氏。

果たして前回言っていた、「ここは絶対外さないで」のアングル指示が実行に移されるのかというのも今年のツアーの映像化にあたって気になるところである。

 

 

坂本昌行×トニー賞に見たWOWOWの本気

そしてこの第2弾コラボが発表される少し前、2017年6月には坂本さんがトニー賞授賞式の生中継にスペシャルゲストとして出演した。

 

直前SP番組は坂本さんがブロードウェイをリポートする30分。

…だったのだが、坂本さんがコーヒーを入れ朝食を取りジャケットを羽織りながら颯爽と部屋から出て行ったり、ジャケットを片手で背負いながら街を闊歩したり、ワクワク顔で劇場前の列に並んだり、街中でホットドッグを食べたり、部屋で自ら料理をして客人を迎え入れたり、心底楽しそうにミュージカルについて語ったりしていた。

 

坂本さんがブロードウェイをリポートしていたというか、こちらとしては単にWOWOWによって「坂本昌行 in NY」をリポートされた気分である。

なんだか少しオフのような空気を纏っていたことにより、サブタイトルに「〜坂本昌行ニューヨークの休日〜」とかなんとか付いていても成立してしまいそうな番組だった。

 

想像以上に坂本さんの個性に寄せた番組作りだったため、いい意味で「なんだこれは…!」と戸惑った。それはそれはかっこよく、時に少年のように笑っていらっしゃったのだが、こうもファンが望んでいるであろう絵面を次々と用意されるとそれはそれでそわそわする。

 

授賞式中継での歌唱シーンも同様だ。

話題の「ラ・ラ・ランド」から2曲メドレーを井上芳雄さんとデュエット。

まさかの坂本さんのピアノ演奏から始まりその伴奏に合わせ井上さんが歌唱、その後流れるように2人で並び歌とダンスを披露する、という貴重なパフォーマンス。朝8時から摂取するにはあまりにも濃すぎた。スッキリ短く表現するなら「最高」の2文字に尽きる。 

 

めちゃくちゃ今更の話だが、WOWOWはガチでファンを釣りに来ている。

釣りに来ているしこちらも進んで釣られに行こうとしている節があるのでなかなかwin-winな関係なのでは?と、今日も満足げに釣られる私である。

  

 

 

始まったばかりの第2弾コラボだが、これを未来の第3弾につなげるためにはまたファンの声と確かな数字を出すことで証明しなければいけないのだろう。

 

こればっかりはだれか1人がどうこうできることでもなく、あちらこちらでの1人の頑張りが積み重なってようやく大きなものとして認識してもらえる。できれば前回のような大きな結果につながれば非常に喜ばしい。

 

特に今回このコラボが実現して何が嬉しかったかというと、その反響が評価されたことはもちろんなのだが「加入する」という行為が限りなく「1人1票」の権利に近いところにあることだ。

「1人によるたくさんの票」ではなく「たくさんの人の1票」が集まった結果なのだと思うと、なんだかいつも以上にニヤニヤしたくなる。

 

ファンをしていると、たまに猛烈にハイタッチをしたくなる瞬間がある。

1人では小さい力も寄り集まればいつの間にか大きな力になっていて、それによって生まれた何かに直面した時、私は猛烈にハイタッチをしたい。そう、まさしく今である。

 

そもそもそんなパーティーピーポーな資質は何一つ持ち合わせていないのだが、こんな時だけはとにかくハイタッチをしたい気分になるのだ。

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こういう具合に。

それはお互いを労いたいというか、お疲れさまだとか、あるいは「やりましたな!」という謎のドヤ感であるとか、祝う気持ちだとか、とにかくそういうものがゴチャ混ぜになってギューっと圧縮されたこの感情を解消するにはどうすればいいのか。ハイタッチだろう。

ということで頭の中でハイタッチしている、つもりになっている。

我ながらちょっとよくわからないことを言っている自覚はあるのだがこういうのはテンションの問題なので、そっと「残念な人だな」と処理してもらえれば幸いである。

 

好きでいることは1人でも出来る。

誰かと一緒にエイエイオー!と声を掛け合って応援隊を結成するようなファンのし方はまったくしていないのだが、こういう風に結果を出せた時には私は勝手に一体感を覚えるし、意図せずして結託できたような不思議な感覚になる。

 

好きなものを前にすれば結局みんな横並びのようなもので、そんな中でみんなで喜べるような出来事が起こるとなんだかほんのちょっぴりお隣さんとの距離が近くなったような気がするのだ。

 

そういう瞬間が結構嬉しかったり、案外好きだったりする。

 

 

ちりも積もれば山となるし、ファンの課金が積もって新たな嬉しいお仕事を呼び込むことができるのならそれこそ大勝利と言えるのではないだろうか。

 

ということで、まずは今回のWOWOW×V6をおおいに楽しみつつ、できればまた脳内でハイタッチを繰り広げたくなるような結果につながることを願っている。

 

WOWOWさん、今後ともどうぞご贔屓に。何卒。

 

 

 

 

井ノ原快彦のファンサで彼女とその周辺一帯が撃ち抜かれた件

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「イノッチのファンサがすごい」というウワサをご存知だろうか。

 

ファンサービス、通称・ファンサ。

目線をもらう、手を振ってもらう…というシンプルなものから、近年ではオリジナリティ溢れるファンサを求めてうちわを自作する人も多い。

そういううちわを"ファンサ要求うちわ"と言ったりするそうだ。

うちわ 用文字 【定型メッセージ シール】【指さして:丸ゴ】ピンクバック応援うちわ

うちわ 用文字 【定型メッセージ シール】【なげCHUして:丸ゴ】ホワイトバック応援うちわ

こういうやつである。

 

自作といっても最近は便利で、こうして市販されている文字シールを買って貼るだけでも簡単に作ることができる。自分好みの書体・色などを指定し注文できるサイトもあるようで、土台とする無地のうちわも百円均一で売っている。

一から手作りしようと思っても材料のほとんどが百均で揃えられてしまうのだからまったくいい時代だ。

もっとも、百均にそういうものが無かった頃にはこういった"ファンサ要求うちわ"自体あまり見かけなかったように思う。「手作りうちわ」という言葉で私の頭に浮かぶのは、いまだにやはり名前をドーンと貼り付けてあるタイプのものだ。

 

私がはじめてうちわを作ったのは15年ほど前だったか。

当時作り方を知りたくてネット検索してみると「公式うちわサイズでキレイに作りたければ、公式うちわを1本犠牲にして写真の上から画用紙を貼り付けて作るしかありません」みたいな答えが出てきて非常に悩ましかった覚えがある。

犠牲を払わずにキレイなうちわが作れるなんて、やっぱりいい時代だ。

 

 

V6の中でそういう"ファンサ要求"うちわに反応しがちなのが井ノ原さんで、三宅健氏いわく「そういうのはウチの井ノ原くんが専売特許」

反応しがちというか、目についたものを片っ端からやっていくくらいの勢いだ。

 

東に「ピースして」うちわあればダブルピースでイェイイェイし、

西に「バーンして」うちわあれば心ごと撃ちぬき、

南に「投げチューして」うちわあれば惜しみなくキスを飛ばし、

北に「はじめまして」うちわあれば丁寧にお辞儀をするような、そういう人である。

 

「はじめまして」うちわは実際に相方さんが2年前に持っていったもので、外周花道とスタンド1列目の至近距離で目を合わせお互いにお辞儀をし合っていた

なんと丁寧な…!と度肝を抜かれたものである。アイドルとはじめましての挨拶をしっかりしている光景は、隣で見ていて非常に不思議でおもしろかった。その流れからおこぼれで目線をもらえたこともすでに懐かしい。

 

そして今年のツアーで、またもファンサの場面に居合わせることになった。

 

(※以下、コンサートのセットリストのネタバレはしませんがステージセットの構成について触れているのでご注意ください。)

  

 

 

「V6 LIVE TOUR 2017  The ONES」大阪最終日、またも相方さんが取ってくれたチケットで参加させていただいた。

 

前回スタンド1列を当てた時もあまりに贅沢な思いをさせてもらったので「生涯これ以上良い席に座ることはもう無いかもしれない…」とさえ思ったのだが、今度はアリーナ。

それも座席に着いてみれば前から数列目、なんなら最前付近といってもいい。

それも花道の真横だった。

 

名義の仕事っぷりがすごすぎる。

名義にもし人格があるなら相当にデキる奴に違いない。

そして私の名義はたぶんポンコツな奴なのだろう。どうにか早く出世してバリバリ仕事してほしい。たぶんやればデキる奴なんだと信じている。

 

コンサートが開演してみればV6がすぐそこにいて、目の前で踊るし、歌うし、こっちに来るし、もうてんやわんやだった。

 

いろいろあったのだが今回はとりあえずその中で一番すごかったファンサについてお伝えしたい。

タイトルの通り井ノ原快彦のファンサービスを間近で見たらえげつなかった、という話だ。

 

事の発端は私たちの後ろの席にいた女の子。

かなり若く、幼くも見える。彼女が持っていたうちわが「バーンして」の文字をあしらったものだった。

うちわ 用文字 【定型メッセージ シール】【バーンして:丸ゴ】ピンクバック応援うちわ

イメージとしてはこういう感じだ。しかしこういった既製品の文字ではなく手作り感のある書体がシンプルに貼り付けられていて、一生懸命切り抜いてせっせと作ったんだろうなあかわいいなあ、なんて思っていた。

裏面には「快」の文字。井ノ原さん担当なのだろう。  

  

今回のコンサートのセット構成はメインステージ・センターステージ・バックステージ。

それをつなぐようにアリーナ中央に一本の花道が設けられていた。 

各ステージを使いわけながらのパフォーマンスではあるのだが、動線の都合上からいっても最終的にメインステージに戻ってくる。

 

後ろのステージに行くたびに全員が花道を通ってメインステージへと戻っていく。

当たり前のことなのだがこれがかなりやばかった。

まったくもって単なる通り道ではなく、一瞬で去っていくのかと思いきや結構ゆったりと歩いてくれた。

 

実際にそこに居て感じたのは、V6全員が花道横もめちゃくちゃ丁寧に見てくれているということ。タイミングや運も重なったのかもしれないが「ああ、逆側しか見ないでそのまま行っちゃった…」みたいながっかりがあまり無かったように思う。

 

一番近くに来るとその距離2〜3mくらいだろうか。

さすがにどこに目線をやっているかもかなりわかるので、隣の人を見ているなぁとか、後ろのほうを見ているなあとか、私のうちわ見た、からの、目があった、とか、そんな次元である。とりあえず簡単に言うとやばい世界だった。

 

そんな中で事件は起こった。

 

メンバーがセンターステージで曲を歌い、ラストサビからは手を振ったりしながら花道を通りメインステージへと戻っていく。揃って戻っていくというよりはそこそこバラバラだったような気がする。

 

井ノ原さんがセンターステージからメインステージへ戻る姿を、こちらも手を振ったりしながら目で追っていた。

私たちの真横にあたる位置を通り過ぎていこうか、という時だった。

 

この時私からは後ろの「バーンして」うちわの女の子は見えないのだが、井ノ原さんの目線の動きを追っていると確実にうちわを捉えていた。 

それまでもお行儀よく胸のところでうちわを握りしめていた子だったから、たぶんこの瞬間もそうだったのだろうと思う。

井ノ原さんの目線がやや下を向き、その目線をほんの少し上げると同時に指鉄砲を作り、撃った。

つまりうちわを見て、女の子の顔を見て、親指と人差し指で鉄砲を作って照準を定め、手首のスナップを効かせて撃った。歌いながら、やや微笑みながら。

 

途端、女の子と周辺から上がる悲鳴。

 

撃った際に進行方向とは逆を向いていたという点がまたミソだ。身を翻し、颯爽とメインステージへと駆けていく井ノ原快彦。

 

今回ばかりはフォントサイズを大きめにして、ひとこと言わせていただきたい。

 

「かっっっっっっっ…………こいい………!!!!!!!!!」

 

あなたは井ノ原快彦がバーンしている姿を、その照準先付近から見たことがあるだろうか。

はっきり言って私はかなり「思てたんと違う!!!!」と衝撃を受けた。

 

彼が今ツアー中、ファンサ要求うちわに応えている、いや応えまくっていることは耳に入ってきていた。その実、応えまくっているだけに1つ1つに対する威力はそこまででもないのでは?とも少し思っていた。

そういうところが好きなところでもあるのだが、ご機嫌なハイテンションで調子いい感じに片っ端からガシガシ応えているのだろうか、などと想像していた。

 

ところがどっこい、実際に間近で被弾した私はといえば数日経った今も「あのバーンはすごかった…すごかったぞ…なあ…」と数時間おきに思い出してしまうくらいの後遺症が続いている。重症である。

 

一連の動作にかかった時間はほんの数秒。 

その中で

①親指と人差し指で照準を定めた瞬間(ピン!と腕を伸ばすのではなくて軽く伸びていたと思う、たぶん右手?、逆の手にはマイクを持ち歌い続けている)

②手首のスナップのみで撃つ(腕全体ではなくほぼ手首から先だけを動かすというこのスマートさたるや)

③女の子をキャーキャー言わせておいて、そのキャーッて言っている姿も見届けたであろう一瞬の間を置いてから背を向け去っていくその背中のかっこよさ(背中を向けられてからもまだ興奮収まらぬ女の子の状態も含めて) 

 

全部ひっくるめて、もうパーフェクトにアイドル。

 

その姿はもう「二次元の人かな?」と思うくらいに偶像的で、最高にアイドルだった。

撃った瞬間の彼にポップなフォントで「BANG★」と添えても違和感はないし、むしろ添えたい。添えるべきだ。いや、添えなくてもアイドルの超越した力によって自然発生的に出現していた気さえしてきた。

 

どうか早急に井ノ原快彦の「BANG★」で動くLINEスタンプを作ってほしい。

百歩譲って動かないスタンプでもいい。使い所はわからないが無駄に乱打したい。

 

その所作は間違いなく正統派アイドルのそれで、照れたりお調子乗りなそぶりも見せずめちゃくちゃ自然にバーンしなすった。

かっこよすぎた。

 

Mステ出演時セットにミラーボールをふんだんに盛り込んでいるとなれば「六本木中からミラーボールを集めました」と言う。

その翌週のMステ、観客を入れてのステージで曲披露の時には「六本木の街中から女の子を集めたので六本木は今男しかいません」と言う。

ツアー大阪公演1日目には「大阪はノリが違うから汗の量が変わってくる、2リットルくらい変わるんじゃない?」と大げさに調子のいいことを言う。

この日の公演では冒頭挨拶から「大阪ラストなんで力を出しきる、明日なんてどうだっていい!衣装ビリビリにしちゃおうぜ!!」というはしゃいだ発言から始まって、各場面でいろんな話題に乗っかっては調子のいいボケを挟み、つっこまれては楽しげに大笑いしていた。

井ノ原節と表すにふさわしいその適当発言を聞くたびに私は「また始まった」とニヤニヤしたり「おいでなすった」とワクワクしたりする。軽く血が騒ぐ程度には井ノ原節が好きだ。

 

そういうおふざけな側面を持つ、というかそういう側面がわりと強めな人の繰り出すごく自然なファンサービスの所作に、完全に撃ち抜かれてしまった。

そんなギャップかっこいいに決まっているではないか。

たった数秒で完全に「アイドル・井ノ原快彦」の虜だ。自分が撃たれてもいないのにおこぼれでさえこの威力。アイドルってすごい。

 

井ノ原快彦の「バーン」は一見の価値ありどころではなかった。

やっぱりどう考えても早急に動くLINEスタンプにしてほしい。 何度も何度もタップして繰り返し再生したい。

 

いろいろなファンサ要求うちわがあるが、「バーンして」のすごいところはその一連の動きによって周辺一帯に「かっこいい」を充満させてしまうところなのかもしれない、と思った。

 

 

 

終演後、帰り支度をしている最中その女の子と目が合ったので思わず話しかけさせてもらった。

普段はあまり会場で周りの人に自分から話しかけないチキンなのだが、今回ばかりはどうしても「よかったですね!」と、おこぼれでかっこいい瞬間を見せてもらえた事への感謝を伝えたくなってしまった。

 

よかったですね、とか、すごかった!とか、最終的に完全に語彙力を失い「なんかこう…ウワアアアってなって!」と言ってしまった。

説明力のなさに自分でもびっくりした。

 

するとその女の子たち(2人組だった)の隣席のお姉さんが「かっこよかったですね!」と入ってこられて、全員で「ですよね!!」と頷きあった。

さらに女の子たちの後ろのお姉さんも「かっこよかった!」と入ってこられて、また「ですよね!!!」と頷きあった。

 

たぶんそうなのだろうとは思っていたが、彼女の周り全員がその場で感情を言語化し共有できたことでハッキリした。

彼女の周囲全員が、間違いなくあのバーン一発でもれなく撃ち抜かれていたのである。 

 

たった数秒、たった一発の銃弾で辺り一面のおなごを「かっこいい!!!」と頷き合わせてしまう井ノ原くん最強にアイドル。かっこよすぎる。

かっこいいを何度言ってもまだまだかっこいいと言いたくなる。撃ち抜かれるってこういうことなのか、と実体験を持って理解した。

 

 

彼女たちのお隣にいたお姉さんは「(うちわの)裏面も見てもらった?」とやさしく話しかけていて、それに対して「はい、笑ってもらいました〜…」と答えていたのもかわいらしかった。そしてまた「すごい!」「よかったね〜!」と声がかかるこの空気。

井ノ原くんがバーンした跡地には平和な世界が広がっていた。

 

そして「こんな近くで芸能人見たの初めてですとも言っていて、よくよく聞いてみれば今回が初めてのコンサートだったらしい。 

おそるおそる年齢を聞いてみるとなんと14歳だった。

思わず「かわいい!」が口をついて出た。

 

14歳にとっては超大金であろう8300円のチケットを買って、うちわを一生懸命作って、アンコールでは周りの誰よりも大きな声を出していて、井ノ原さん以外のメンバーのことも「かっこよかった!」と喜んでいて、そんな風にV6を応援しているんだなあ、V6が好きなんだなあ…と思うと、その純粋さにうっかり涙が出そうだった。

 

コンサートのMCで登場した関西ジャニーズJr.に13歳の子がいて、井ノ原さんが「あれくらいの年齢の子を見るとなんか泣きそうになっちゃう」と言っていた。まさしくそれだ。

 

後から思い返せば、V6が目の前に現れた直後に真後ろから聞こえてきた「生きてる〜〜〜!!!」という驚きと感動に満ちた声もきっと彼女たちのものだったのだろう。私もあの距離感には圧倒されていたが、背後から耳に届いたその言葉に「わかる…」と口角を上げた。

 

それと、彼女が「銀テ持ってますか?」と確認してくれたことにも驚いた。

コンサート中に銀テープが飛ぶのはお決まりの演出だが、それを観客全員が必ずしもキャッチできるかといえばそうでもない。

ただV6ファンはそれを分け合う傾向がある。

それでも14歳の女の子がそこまで気が回せていたことに、私は正直、なんというか、ウワアアアってなった。

丁重に自分も取れたことを伝えたのだが内心ちょっと泣きそうだった。

井ノ原さんに「ここにいるあなたのファン、ものすごくまっすぐ育ってますよ…」と僭越ながらお伝えしたくなる。

 

それにしても、彼女のうちわの「快」面、「バーンして」面のどちらにも反応した井ノ原さんの心境を想像するとそれもまたほっこりする。

「14歳ではじめてコンサートに来た初々しい女の子に神ファンサをする井ノ原快彦」だけでも結構お腹いっぱいだ。

 

 

以上が私が今回目撃した極上のファンサ体験の一連である。

 

ファンサそのもののかっこよさはもちろんのこと、それを受けた女の子の初々しい可愛らしさ、そこに残った平和な空気もひっくるめて最高の体験だった。

彼女と話をしたのはほんのわずかな時間だったけれど、たぶん私はこの感覚をずっと覚えているのだろうな、となんとなく思っている。それくらい胸にぐっときた。

貴重な経験をさせていただき、井ノ原くんにも彼女にも周りの方々にも感謝である。

 

最後に、何度も何度も言っているにも関わらずまだまだ全然言い足りないので、どうかもう一度だけ言わせていただきたい。

 

井ノ原快彦の「バーン」は、ハチャメチャにかっこいい。

 

最高にアイドルだった。

 

 

V6とファンと銀テープ

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「V6のコンサートでは、飛んできた銀テープをファン同士で分け合う」というのがいつの間にか定説のように囁かれている。

 

今ツアーでもその姿は健在で、私も参加する前からそんな話題をちょくちょく目にしていた。 

「周辺の席の方からもらった」

「前の席から回ってきた」

「外で配っている人がいた」

「持っているか声をかけてくれた」

など、そんな言葉が多く見受けられた。

 

2015年のコンサートツアー時にはアリーナ外周に設けられた花道とスタンド席が隣接していて、花道上に落ちた銀テープを井ノ原さんが拾って渡し「うしろに回して」と指示していた。

スタンド最前列の方はそれを受け取り、しっかりと後列に回す。そんなやりとりを間近で見て、感動した。

 

銀テープの価値観は本当に界隈それぞれだ。

アイドル・アーティストによるとも言える。近年はツアーロゴやメッセージなどがプリントされている場合も多いため、それが銀テープ争奪戦により一層拍車をかけているのかもしれない。

奪い合いが起こるほど必死で手に入れようとする現場もあれば、一方では終演後にどっさりと放置されているような現場もある。

"分け合う"というのが定説になっているような現場もあれば、"奪い合う"ことが当たり前に起こっている現場もあるのだ。

 

以前、ブログでコンサートスタッフさんについての記事を書いたところ、実際にコンサートスタッフとして働く方から連絡をいただき、色々と質問させていただいたことがある。

その中で怖い思いをした経験について質問したところ、こんな返答をいただいた。

最近で言うとジャニーズのあるグループで、銀テープが出た際のことです。

比較的若いファンの方が多いせいか、銀テープが出た途端に席移動する人の多さ、スタッフに向かって走って来る人、注意をしても聞かない人、しまいには終演後に外周に落ちている銀テープを自撮り棒、傘で取る方などもいて、恐ろしいなと思いました、、、、

 

そのような行動をとることで、そのアイドルのイメージが本当に悪くなるということを自覚してほしいです。

現実問題として界隈によってはこういう事態が起こっているのだ。

ファン全員がマナー違反を犯す人ばかりではないのにこうした悪評がつきまとうのは、ひどくいたたまれない。

 

 

 

 

そういった恐ろしい話も耳に入ってくる中、伝え聞くV6のコンサート会場でのエピソードにはホッとするものも多い。

今年のツアーはまだ開催途中なのだが、福岡公演ではこんなことが起こっていたそうだ。

これには「なるほどそんな手が!」と目から鱗だ。

単純明快かつ簡単な方法とも言えるのに全く思いつかなかった。最初に発案した人を尊敬してしまうし、なおかつ周りにいる人々でも気軽に便乗できる画期的な方法だなと思った。

もし万が一、置かれた銀テープがその場に残ったら片付けが大変なのでは?という部分についても心配無いように思う。

「飛ばしてその場に残った銀テープは廃棄される」ということは以前確認したので、一箇所に回収されているのなら逆に掃除の手間が省けるかもしれない。

 

この福岡での件については、先日三宅さんのラジオ番組内で言及されていた。

「銀テープが取れなかった人の為に会場の出入口に置いて帰った人もいたみたいで。

それもね、良い話だよね。なんか良いね、みんなでこう喜びをちゃんとシェアしましょうっていう感じがね。

スマートで良いですね。そういう女がモテるよ、うん。恩着せがましくない感じね。スマートじゃないとね。良いことってね、スマートにやらないといけないから。褒めてもらいたいからやるんじゃないのよ、スマートじゃないと意味が無いからね。良いですね~。

 

いや、本当に、良い子達が揃ってくれて。まあこれからもね、そういうお姉さま方の素敵な行為を見てまたこの10代のファンの子達が育っていくと、「マナーの良さはピカイチ!」っていうのがね広まったらそりゃ嬉しいですよね。

なんかこう、そうやって皆でそういう意識を持って、色んな場所にイベントでもそうだけど参加してるって素敵な事だよね。

まぁ中にはさ、その、悪気があってじゃなくて、知らなくてみたいな子もいるだろうから、そういう子にはなんかこうね、キツくじゃなく優しく、ずっとファンをやってくれている人達が教えてあげたりしたら、色々お互いに楽しめるんじゃないかなと思います。良いことですね。」

(「三宅健のラヂオ」2017年9月18日放送分より)

 

 

宮城公演・セキスイハイムスーパーアリーナは、会場へのアクセスの都合上シャトルバスを利用する方が多いそうで、そのバスの乗り場・車中でもそんな光景は繰り広げられた。

またも目から鱗。まずその発想力に驚くし、それを実行に移せる行動力もうらやましい。

もしかしたらこういった事例を知っておくことで今後に生かせるかもしれないので、心のノートにしっかりとメモしておく。

 

さらに「スタッフさんが配ってくれた」という言葉もたくさん見かけた。

カゴまで持っていたとなるとそのために時間を割いてくれているのは明白で、その心遣いがありがたい。

 

この「スタッフさんが銀テープを配ってくれる」という行為について。

前出の過去記事の際に質問したところ、回答くださったコンサートスタッフさんの職場の場合は「他のアーティストの場合には配るが、ジャニーズの時には配らない」とのことだった。

 

つまり、この行為自体が「会場・アーティストによる」。

少なくとも名古屋ガイシホールでの運営側においては、「V6のコンサートでは配ることが可能・配って回っても混乱が生じない」と判断されているということだ。

それこそが信頼の証なのだろう、と思えることが嬉しい。

 

 

 

私の今ツアーの銀テープ事情はというと、大阪で2公演参加したうち1公演はスタンドのほぼ最後列だったので1本も手に入らず。もう1公演はアリーナ席だったので幸いにも数本降ってきた。

 

他会場での心温まる素敵な話題の数々については知っていた。 

前回記事で触れた、会場で出会った14歳の女の子でさえ銀テープが取れたか確認してくれた。

 

さらにV6、及びそのコンサートが最高すぎて「どこかで還元しないとバチが当たりそう」と感じるレベルだった。

となると、私がやるべきことは決まってくる。

 

誰かにこれを手渡さなければならない。

 

手元に余った銀テープは2本。

退場中に機材の下に落ちているのを見かけ、できれば欲しいな〜…なんて眺めてみたりもしたのだが、この日は大阪公演の最終日。

スタッフさんもバタバタとお忙しそうにしていたので早々に諦めその場を離れようとすると、そのタイミングで声をかけてくださったお姉さんもいた。

 

銀テープを取れなかった人だ、と思って声をかけてくれたのだ。

 

お手数をおかけして本当に申し訳なかったのだが、ここでもまた優しさを感じ、そういう心持ちでいる人は本当に多いのだな、と知った。

 

福岡公演で行われたように出入り口付近で銀テープを置いておくのにちょうどいい場所はないだろうか、とキョロキョロしていたのだがあいにく良さげな場所が見つけられないまま、人の流れにそって会場を出た。

 

人でごった返している出口付近でたった2本しか持っていない銀テープのために大声を出すのは私にはハードルが高すぎる。 

とりあえず手に持ちながらキョロキョロして歩き、もし声をかけてきてくれる方がいたら渡そう、となんとも他力本願な方法に頼ることにした。

 

内心、「あいつ銀テープ取れたことを自慢しながら見せびらかして歩いてる!サイテー!」と思われたらどうしよう…とも思いつつ。複数本をヒラヒラさせながら闊歩している人間の中には、私のような他力本願型も含まれているであろうことをここにお知らせしておきたい。

私自身の感覚としては、そういう人がいたらどんどん声をかけてみてほしい、というか声をかけてあげてほしい、と願う。

 

そうしてしばらく歩いていると、背後から「すいません!」と声をかけられた。

 

そのために銀テープをヒラヒラさせながら歩いていたこちらの心境としては、声をかけられた時点で振り向く前から「おいでなすった!」と心の中で腕まくりしてしまうくらいには気合いが入っている。

他力本願なくせにやる気だけはあるのだ。困った奴だ。

 

振り向くとそこにいたのは若い女の子2人組だった。高校生くらいだろうか。

 

「余ってますか?」と尋ねられたので、まずはその女の子に1本を手渡す。

 

もう1人の女の子は隣でそれを見ていて、おそらく私が手に持っていたのが2本だけだったために「1本だけ余っている」と判断したのだろう。遠慮がちな様子だった。

 「持ってる?」と聞くと、首を横に振りながら「持ってないです」と答えたので、そこはもう、内心腕まくりである。じゃあ、と両手持ちで丁寧にお渡しした。

 

2人ともすごく喜んでくれて、その様子を見ながらなぜか私が真っ先に「よかったあ〜」と言ってしまった。

事実、彼女たちが声をかけてくれなかったら「銀テープあげたいのにあげられない難民」だったのだ。

「コンサート後に当てつけのように銀テープをヒラヒラさせながら自慢して歩いている芸人」と見なされていたかもしれない。…というのは、もしかすると渡せた・渡せなかったに関係なく思われていたかもしれないが。そこだけは断じて違うと念を押したい。

 

安堵感のあまり思わず「よかったあ〜」と間抜けなことを言ってしまったので、文脈的にもこのまま終わるとちょっと変な人に思われるかもしれない、という考えがよぎり「誰かに渡すために持ってたので渡せてよかった」という旨を続けた。

 

女の子たちはそれぞれにすいませんとありがとうございますを何度か繰り返しながら喜んでくれた。

「よかったなぁ!」「やった!」と喜びを爆発させあっている姿は無邪気で可愛らしかった。

なおかつ、喜びながら一瞬くしゃっと泣きそうな顔になったのが強く印象に残っていて、思い出すとなんだか泣きそうになる。

 

「こんなにも喜んでくれる人がいるんだな」という姿を目の当たりにしたことで、たった1本の銀テープが持つ価値の大きさを改めて目撃したような気持ちになった。

 

たかが1本されど1本、銀テープが運ぶ幸せは私が思っていた以上に大きいものなのかもしれない。 

なにより、分け合っているのは銀テープという物そのものだけではないのだ、と感じた。

 

コンサート中に降ってくる銀テープは、今日この日の思い出の品として後に残る大切なものだ。

大切にとっておきたい物だからこそ時に奪い合いも生まれる。でも、大切な物だとわかっているからこそ分け合ったりもするのだろう。

 

銀テープを手に入れることができなかった人間は、その寂しさを知っている。

銀テープを分けてもらったことがある人間は、その嬉しさも知っている。

別アーティストの現場での出来事になるのだが、分けてもらった経験がある私はその時の嬉しさを忘れないし、逆に横から奪い取られた経験も忘れない。1本を途中から切ってはんぶんこしてもらった経験も、ずっと覚えている。

 

分け合うことで得るのは銀テープそのものだけではないのだと、泣きそうなくらい大喜びする女の子を見ながらしみじみ思ったのだ。

「分けてもらって嬉しい」も「もらってくれて嬉しい」も確かにそこにはあって、きっとそれは次につながる、原動力のようなものとして残るのだろう。

そうしてそれがまた次の人につながって、どこかで誰かが喜ぶ姿を生むに違いない。

そんなあたたかい光景があちこちで生まれて引き継がれていく現場であってほしいし、自分もそこに参加できていることに幸せを感じていたい。

  

コンサートの後に爽やかな余韻を残し大切なことを教えてくれた彼女たちは、きっとあの銀テープも大切にしてくれるだろう。

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V6のコンサートでは、飛んできた銀テープをファン同士で分け合う。

それは本当の話で、でも全員が銀テープを分け合っていると言い切ってしまうと語弊がある。

 

本当にごく一部、極めて少数の話ではあるが、今現在だってオークションやメルカリで売りに出されているケースもあるにはあるのだ。残念ながら。

 

それでも、分け合うべく動く人もかなりたくさんいる、ということは自信を持って広めていきたいし、自慢したい。

美談が広まるのはマナー向上にもつながる。そして私のように発想力と行動力の乏しい人間にとっては、非常にありがたかったりする。いつか何かの機会でパッとひらめくことができるように、いろんなパターンを知っておきたい。

 

それはあくまで義務ではなく、強制するでもなく。

 

 「誰かに渡す」という選択肢をさりげなくふところに忍ばせ、とっさの時でもスマートな振る舞いができるような人間になりたいものである。

 

女の子たちの喜ぶ姿を見て、ちょっといいことをできたかもしれない、とそわそわしてしまった私はまだまだスマートさが足りない。

まったくもって修行が足りない。非常にけしからん。

でも、そのあとそわつきながら食べたラーメンがめちゃくちゃ美味しかったのは確かだ。

 

おいしくごはんを食べるために、楽しくコンサートを観るために、たまには慣れないことをしてみるのもいいかもしれない。

 


制作開放席に当選した話【メール着〜申込・当落〜公演当日まで】

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ジャニーズのコンサートチケットを申し込むと、落選してしまった後で急にチャンスが巡ってくることがある。

 

1つ目が「復活当選」。

落選が確定した後、少し時間をおいて当選メールが届く。

新たに申し込みをするのではなく一度は落ちた申し込み分が一転して当選に切り替わるので「復活」だ。

その実態はというとチケット料金が振り込まれずキャンセル扱いとなった分を落選者の中から再抽選する、というものらしい。

 

2つ目が「制作開放席」。

こちらは主にステージプラン決定に伴って座席が追加できることになった場合に発生し、公演直前に再度申し込みを募り抽選をする

 

今回はV6の2017年ツアー「The ONES」のコンサートチケット申し込みにおいて見事すべて落選した私に「制作開放席」の救済措置がやってきたので、これについて書き残しておこうと思う。

 

目次

 

 

制作開放席販売決定のメールが届く【公演5日前】

制作開放席は各会場ごとに案内メールが届く。

送られてくる条件としては、「その会場の公演に申し込んで落選していること」。

ただし落選者全員に届くのではなく、このメールが届くかどうかがすでに抽選だ。

 

大阪城ホール開催分のメールが届いたのは、公演が始まる5日前だった。

日程は9月8日(金)〜10日(日)の3日間分で、メールが送られてきたのが9月3日(日)の12時ちょうど

名古屋公演でも制作開放席が出たが、こちらも8月11日(金)〜13日(日)の日程に対してメールが届いたのが8月6日(日)。同じく5日前だった。

 

申し込みの手順【決済はクレジットカードのみ】

届いたメールを要約すると、以下のような内容だった。

・このメールは落選された中から再抽選の上送っている

・ステージプラン決定につき制作開放席の販売を行う

・ステージ全体もしくは一部演出が見えにくい場合がある

・申し込みは1公演のみ2枚まで(席が離れる場合も有)

・決済はクレジットカードのみ、当選時に即決済するのでキャンセル不可

申し込む際に必要となるのは氏名・連絡可能な電話番号・ファンクラブ会員番号。そして支払いに利用するクレジットカードの情報も入力する必要がある。

 

決済方法がクレジットカードのみということで、もしカードを持っていない場合はどうするんだろう?とふと思ったのだが、ジャニーズネットによると「名義人の同意があれば本人のカードでなくても申し込み可能」とのこと。

このパターンで申し込みたい人の状況を察するに、「未成年でも家族のクレジットカードで申し込みできますよ」という意味が大半を占めているのではなかろうか。

 

2枚まで申し込むことができ、その場合には同行者の氏名・電話番号(ファンクラブに入っている場合は会員番号)も必要となる。

両名とも当日本人確認ののちチケットを受け取って即入場となるので同行者の変更は不可。当選した時点での即決済となるのでキャンセルも不可。

 

なかなかシビアにふるいにかけられている気がして、この時点で並々ならぬ緊張感が漂う。

 

エントリーはメールが届いた翌日から始まる。時系列をまとめると、

3日(日) お知らせメール着

4日(月)〜6日(水) エントリー受付

7日(木) 当落発表

8日(金) 大阪公演初日

 初日分に申し込むと当落発表から公演まで1日しかない。本当に急だ。

 

  

当落発表【開催前日】

結果発表は当選者のみに送られるメールにて。および、会員サイトの抽選結果ページでも確認できる。

 

当選メールが送られるのは7日(木)の夕方以降と記載があったため、当然のようにこの日は朝からずっとそわそわしていた。

夕方という曖昧な表現が気になりすぎて、そもそも夕方とは?夕方の始まりは何時からなの?いつからスタンバイしておけば?という疑問が頭をぐるぐると回る。

 

結局、当選メールが届いたのは19時

この時点ですでにコンサート開始まで23時間

期待はしていたし当たれば行く気満々だったつもりなのだが、いざ「明日コンサートを見に行ける」と決まっても、あまりにも急すぎて現実味がなく信じがたかった。

 

制作開放席について調べてみると、「ファンクラブからの当選メールよりも先にクレジットカードの利用メールが来て当選を知った」という話を見かけた。

クレジットカード側のメールが全然届かなかった私は「これはもうハズレたかもしれない…」とかなりあきらめの気持ちが芽生えたりもした。

 

実際カード側のメールが届いたのは翌日の昼を過ぎてからのこと。

あと数時間でコンサートが始まるというタイミング、電車に揺られている最中にそのメールを見たので「いや、届くの相当遅いな!!!」と吹きそうになった。

それでいて"速報"と書いてある。全然速報じゃないし。知ってたし。そんな、ドヤ顔で来られても。

届くタイミングにもいろいろあるようなのであまり気にしすぎないことをおすすめしたい。

 

 

当日現地にてチケット引き換え【本人確認あり】

コンサート当日に必要なものは、

・当選メール

・顔写真付き身分証

・ファンクラブ会員証

の3つ。 

なにせ急な話なのでチケットの引き換えももちろん当日現地にて行われる。

 

大阪城ホールの場合はいくつもある入場列の端、一列が制作開放席のチケット引き換え列になっていた。

開場時間と同時に引き換えが始まったのだが相当な人数がいたのでなかなか列が進まない。開始時点で30人以上は並んでいたと思う。

 

自分の番が近づくと2〜3組ほど手前で一旦身分証を軽くチェックされる。

おそらく早めに身分証を手元に準備させておくためだろう、チェックというよりは軽く見せるだけといった感じだ。

 

そしてようやくチケットを受け取るスペースへたどり着くと、そこには長机が1つ置かれお姉さんが2人ほど待機している。

1人は本人確認担当だ。当選メール・身分証・会員証を見せると、紙に印刷した当選者リストの中から目視で私たちの名前を探す。えらくアナログな手法だった。

列が進むのに妙に時間がかかっていた理由は、おそらくこの部分が大きいように思う。お姉さんは一生懸命やってくれているのだが、アテレコするなら「ええ〜…っと、どこだ…?」といったところだろうか。がんばれお姉さん。

 

その間に当選者リストを観察してみる。

 

名前の横には1から順に番号が振られていて、一番最後の方の数字は100を少し超えていた。

つまり、この日だけでも100人以上が追加で入場できたということだ。

想像以上に制作開放席の枠が大きかったことに驚いた。

倍率がどうなっていたのかはわからないが、ツイッターでちらほら当選者を見かけたのはそもそも当選人数が多かったこともあったのだろう。

 

同等席が3日間用意されていたとしたら、大阪3日間だけで300人以上が追加で入れたということになる。ありがたい話だ。

 

無事に私たちの名前を見つけた本人確認担当お姉さんは、リストにチェックを入れる。

チケットは名前の横に振られた番号で管理されていて、チケットを渡す担当のお姉さんが箱から該当するチケットを取り出しもぎってから手渡してくれる。そしてそのまま入場だ。

 

 

チケットの版面はファンクラブで購入するものとは違い、無機質な印字のものだった。

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会場の中に入れたことでようやくホッとし、「本当に今日のコンサートが見られるんだ」と実感できた。

 

 

座席の位置

(※ステージの配置・トロッコなどのネタバレ含むので閲覧注意)

 

もらったチケットで座席を確認してみると、スタンド席の上段のほうだった。

大阪城ホールには何度も何度も通っているのでブロック表記を見れば大体どの辺りかもわかるのだが、どうもメインステージの正面あたりのようだ。

 

ステージプラン決定に伴う追加席、というにはなんだか不思議な位置だったため、「これはもしかして…」と、ステージプランとは関係なく席が用意されるパターンが頭をよぎった。

 

ジャニーズのコンサートでは転売されたチケットを無効にし、その分を制作開放席に充てる場合がある。

「転売されている分をファンクラブに通報すると制作開放席の枠が広がる」というこのシステム。

わかりやすくチャンスが増えるので、このシステムに貢献するために転売チケット情報を報告する、という人も多いだろう。

 

他界隈でのライブにおいてステージプラン決定に伴い座席が追加される場合、「機材開放席」と呼ぶことが多い。 

ジャニーズ特有に近い「制作開放席」という名称のニュアンスは、こういった類の席が含まれているからなのだろうか、なんてことをふと思った。

 

制作開放席と聞いて一番に浮かぶのはやはりステージサイドの見切れ位置で、そうでないスタンド席が回ってきた私の心は「転売された席…?」という若干ざわついた。

 

ロビーから場内に入り、上段に向けて階段をのぼる。

座席の段数を数えながら1つ1つ登っていき、位置を把握した途端「ああ、なるほど!」と理解した。

 

私たちの座席以降の列は機材が組まれ潰されていて、見上げれば照明がドドンと鎮座していた。

転売で発生した席ではないようでホッとした。

 

何度も何度も大阪城ホールには来ているのでスタンド後列にも座ったことはある。

が、スタンド最後列の後ろが立ち見スペースに充てられるこの会場で、真後ろが壁というのは初めての経験だ。

 

どれだけ手を上げようがまったく迷惑がかからない。

たとえばペンライトをセーラー戦士の変身シーンよろしく天高々とかかげようが誰の迷惑にもならないだろう。変人には見られるかもしれないが。

想像以上にこの解放感がもたらすものは大きかった。

そういう席だったので、背後の状況から考えれば最後列だったと言えよう。

 

すぐ隣を見れば会場後方に設けられたスクリーンが設置されている。離れた場所から見ていると液晶画面かのように見えていたのだが、近くで見ると映像が幕に投影されている。

初めて間近で見るスクリーンそのものにまで感動を覚える始末。あの幕を裏側から見ると反転された映像になっている、というのも初めて知った。

  

 

メンバーとの距離はというと、今回はセンターステージ・バックステージも組まれていたため、ステージ上を移動してそこそこ近くまで来てくれる。

そして近さで言うならなんといってもやはりスタンド通路を通るトロッコだろう。

そのおかげでメンバー全員を近くで見ることができ、本当に後ろの後ろまでご挨拶に来てくれるアイドルたちに感服だ。

 

5列前を通過していくその姿は本当に近く、実質最後列にいながらにして我々は「坂本くんと目があった」などと供述している。後ろまでしっかりと見て順に目を合わせて通りすぎていってくれるサービス精神、最高である。

 

私が当選した席はメインステージからの直線距離で考えれば一番遠く、もしかすると制作開放席の中では大ハズレの類だったのかもしれない。

他の方々は一体どこに散らばっていたのかと気になったので当選された方のツイートなどをいろいろ探してみたのだが、やはりステージサイド端列あたりだった方が比較的多かったように感じた。この位置はすぐ横にある階段をメンバーが通る際に相当距離が近かったようだ。

またアリーナのかなり良い位置だったらしい方や、私のような全体が見渡せる席だった方も見かけた。

 

個人的にはこの「全体が見渡せる席」はなかなかに良い席だった。

メインステージこそ遠いが全体像がしっかり見渡せ、見切れもなく視界はいたって良好。

あれだけ広い空間を使っての演出なので、全体像を見ることに大きな意味を感じるような場面もあった。

瞬間最高満足度で言えば「ここが特等席なのでは?」とさえ思ったほど。「今この瞬間の演出、ここから見るのが一番最高なのでは!」とお世辞抜きに本気で感じたりと、「どの位置から見ても楽しめるV6のコンサート」を思い知らされた。

 

 

急遽制作開放席のチャンスを得て改めて思ったのは「落選したとしてもいざという時のために予定は空けておけ」ということ。

今回私はたまたま別件のために休みを取っていたので申し込むことができたのだが、もし休みを取っていなかったら当落以前にエントリーさえできずに終わっていた。

そう考えるとおそろしく、今後においてはそのあたりも念頭に置いておかなければならない。無い予定のために予定を空けておかなければならないのはなんだか切ない。

 

最初の当落発表で申し込みが全敗だった時の悲しさといったら無かったし、相方さんに対する申し訳なさもここに極まれりといったところだったのだが、どうにか土壇場で敗者復活を遂げることができた。

恩恵にあずかることができたのも、大きめな枠で制作開放席を用意してくれたおかげだろう。そのあたりはコンサート事務局に感謝である。

 

…しかしまあ、このドタバタ劇を体感したことでつくづく思った。

追加公演に振り替えられて当選したり、急に復活したり、公演直前に召集をかけられたり、公演前日まで当落を焦らされたり、ジャニーズってなんてせわしないのだろう

 

とりあえず、スケジュールは押さえておくに越したことはない。 

 

 

 

ブログが2周年を迎えました/130万PV達成

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このブログを開設して9月16日で2年が経った。当日はてなブログからこんなメールが届き、ああ今日だったっけと思い出した。

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あっという間だった気もするしすごく長かった気もするし、たくさん書いた気もするしそうでもない気もする。

 

以前にも何度か節目で記事を書いたのだが読み返してみると面白かった。

最初に書いたのはこの記事なのだが、3ヶ月の頃も2年経った今もたいして変わっていないところが多く嬉しいような恥ずかしいような。

 

今だに「やったー!!」とドキドキふわふわすることはあるし、すごい出来事に直面すると「良い思い出ができた…こんな経験は二度とない…」とすぐ心のアルバムにしまおうとする。

でもそれくらいにこの2年間でいろいろと貴重な体験をさせてもらっている気がする。1周年はスルーしてしまったので、2周年のこのタイミングで少しブログについての記録を残しておこうと思う。

 

目次

 

  

「2年続くブログ」は"長い"と言えるのか?

「ブログが2年続くと、これは果たして長いと言えるのか?」と思い調べてみたところ、こんな記事を見つけた。 

こちらのデータによれば「はてなブログで3ヶ月続くブログは70%、1年間続くブログは30%、2年間続くブログは10%」とのこと。

なおこのデータは「3ヶ月に1回書けば更新とみなす」という条件のもと算出されていて、そこをデッドラインとした「生存率」という表現をされている。

 

ここで当ブログの更新が一番滞った際の期間をご覧いただきたい。

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きっちり3ヶ月開いていた。

 

危ない。ギリギリ生きていた。

首の皮一枚のところだったがどうにか2年間続く10%のブログに入れたようで、これは嬉しい。

 

 

読者登録数570人超え

読者登録してくださっている方は現在570人ほど。 

はてなブログの読者数についてのデータもさきほどの記事で記載されており、それによると「読者数100人以上 : 15%、200人以上 : 5.6%、300人以上 : 3%、1000人以上 : 0.4%」だそうだ。

3%に入れていることがまず光栄であるし、数字を抜きにしても更新を気にかけてくださる方がこれだけいらっしゃるのは嬉しい。

果たしてご期待に添えているのか謎なのだが、たまーにでも引っかかるようなものが書けていればいいなあと思う次第である。

 

アクセス数130万を達成

アクセス数はというと累計130万ページビュー(記事が表示された回数、以下PV)を超えた。多くのお客様のお越しに感謝である。

最初の頃はどうだったのかなと当時のアクセス解析を見返してみると1日のアクセス数3みたいな日もあったりして、そこから始まっての1,300,000PVと思うと感慨深い。

 

2年経ってもまだまだ余裕のあるスタイリッシュブロガーにはなれておらず、最近また新たに狼狽える出来事があった。

この記事が過去最大級のアクセス数を記録した。

 

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公開から3日間で69,858PV

訪れた人の数が約6万7000人

 

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数字が大きすぎて、あまり深く考えるとお腹が痛くなりそうである。

 

 

ツイッターでもたくさんシェアしていただいた。

その結果後日談として、記事中に書いた14歳の女の子たち2人と連絡が取れた。

まさかそんなことになるとは思っていなかったので私自身びっくりしたのだが、井ノ原くん担当の彼女はツイッターで記事が回ってきて読みびっくりしたとのこと。このブログも以前から知っていてくれたようで、世間は意外と狭いのかもしれない。

ツイッターの拡散力もさることながら、この奇跡的な再会にもまた「すごい体験をしているなあ…」と感じた。

 

9月16日のはてなブログランキングでは9位、週間ランキングでも20位にランクイン。これもまた滅多にできない貴重な体験だ。 

コメントもたくさんいただき、ツイッターでの感想も目に付いたものにはそっといいねをお返しした。全体的に好意的なものばかりだったのも嬉しい。今後何か辛いことがあった時に読み返したい。

 

感想を読んで改めて気付いたり思い出したりすることも多い。

例えば今回に関しては「文章量の多さに対して読みやすい」というようなコメントをいただいた。

本人的には多すぎずそこそこな分量で落ち着いた、と本気で思っていたので、かなり文字数に対する感覚が世間一般とズレてきている。衝撃だった。

 

最近ふと思ったのは「4,000字の文章って400字詰めの原稿用紙10枚分なんだよな…」ということ。当たり前の事実なのだがそれって結構な文字数だ。

調べてみたところ、小説本だと1ページあたり大体700文字前後のものが多いらしい。井ノ原くんのファンサの記事は約6,700字。ということはざっと小説10ページ分ほど。なるほどそれは長い。

自分に対して結構な文字量ですよと言い聞かせると同時に、それを読み切った方にも「あなた結構な文字量読んでますよ」とお伝えしたい。本当にお疲れさまです。

 

 

 

スマホからのアクセスを考える 

さきほど載せたこの画像を見ると、

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携帯電話からのアクセスが97%。ほとんどを占めていたことにもびっくりした。

普段パソコンで記事を編集しているのだが、今後スマホから見た時の表示もしっかり考慮せねばと思った。
 

はてなブログ自体も実は少しずつ仕様が変わったりしていて、スマホから見た時に記事下部に表示される「関連記事」もいつの間にか追加されていた。

 

「おお〜これはブログを読む側としては嬉しい措置!」と思い、自分のブログを確認してみた。

V6記事の関連記事としてなぜか名探偵コナンコンサートレポの記事が表示されていた。関連性とは???

 

自動で挿入されるので「もっと他にこう…!もうちょっと関連ある記事あったでしょうよ!なんでそのチョイス!」とやきもきしながら見守っている。

 

うちの関連記事見い出し班にはちょっぴり素っ頓狂な選抜メンバーをサプライズ選出したがる節があるようなので、君たちにはぜひ方向性をいま一度会議してほしい。無難な選抜を期待しているよ。

と、そんな想像をしては「コンピュータが自動で選んだ関連記事」を"少々クセのある社員がやらかしたおっちょこちょい"のように捉えているが、真面目に考えるとちゃんとした関連記事が表示されたほうがいい。

その辺りは少し様子を見つつ改良の余地ありだ。

 

スマホから見た時の表示については、自分が他のブログを見ている時に「こういうのがあったら見やすいのでは?」と思ったものをあえて追加している。

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なんとなく個人サイト時代を生きた人間としての何かが漏れ出てしまっている気がするデザインだが、これが私の精一杯であるー。

  

  

アクセス数別で人気記事をまとめてみる

今書いているこの記事が89記事目。

最近ブログの読者数が増えたりツイッターのフォロワー数が増えたりと初めてお目にかかる機会が増えたような気がしているのだが、ブログってわりとそういう方に対して不親切な作りになっている。

 

ということで「結局どの記事が一番読まれてるの?」というところを次記事でサクッとまとめてみようと思う。

自分で「人気」というのはなんとも気恥ずかしいのだが、要するに美味しいとこどりだ。初めてたどり着いたブログに「作者の傑作選」的なものが用意してあるとわくわくするたちなので、自分のブログにも置いてみることにする。

 

ちなみにブログ下部に表示される「注目記事」は今現在の時間でのアクセス数が多い順で表示されているので、そちらもまた参考にしていただければ。

 

 

 

ということで、当面は100記事達成を目標としながら更新していくつもりだ。

 

この2年間で通りかかって読んでくださった方々に感謝しつつ、3年目もふらっと立ち寄ってもらえる機会があれば幸いである。

なにせ文章が長いもので、暇で暇で仕方がない時だとかにおすすめしたい。

今後ともどうぞよしなに。

 

 

…ちなみにこの記事は4000字程度でした。お疲れさまでした。

 

  

「ループ ザ ループ。」の人気記事10選+変な記事3選

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<ブログが2周年を迎えました/130万PV達成 >

この度ブログ開設から2周年を迎えたので、これまでのアクセス数が多かった記事を以下にまとめてみた。

はじめましての方へは当ブログの雰囲気紹介として、いつもお世話になっている方にはちょっとした振り返りとしてお付き合いいただければ幸いである。

 

 

 

<アクセス数による人気記事> 

[1位]

3日間で約7万PVというとんでもない数字を叩き出し一気に当ブログ内でのアクセス数トップに躍り出た最近の記事。

2017年9月第3週のはてなブログランキングで20位、9月16日のランキング9位。3回目のランクイン。

 

 

[2位]

V6が20周年続いてきた中でおとずれたグループとしての存続の危機について考えてみた記事。10周年を迎えた後のケンカ、岡田さんの反抗期、三宅さんの「アイドルとして誇りを持ってくれ」という言葉などについて。

ブログ開設後間もない時期に書き、この記事がシェアされたことでアクセスが増えていった経緯があるので入り口がここだった方もおそらく多いのでは。

 

 

[3位]

27歳時のPerfumeの話。3人の活動に懸ける思いに触れつつ、アイドルが年齢を重ねていくことやそんな姿を見ていて感じたことについて。

特に女性アイドルに焦点を当てて書いたが、わりと男性アイドルにも同じことが言えると思う。

2016年7月第1週のはてなブログランキング28位、2回目のランクイン。

 

 

[4位]

おもに検索サイトからのアクセスが多かった記事。というのも2015年の終わり〜2017年頭頃まで「V6 解散」で検索するとこの記事がトップに表示されていたため。

記事の出来はともかくとして、検索順位2番目以降に週刊誌などの悪意ある記事がひしめく中のトップ表示だったので、ちょっとした撹乱にはなっていたのではと勝手に微かな手応えを感じたりしていた。

 

 

[5位]

SMAPの解散報道があった直後に衝動的に書いた記事。当時多くの反響をいただいた。→<5ヶ月で30万PV突破、アクセス数と検索順位について考える

この記事を書いた頃にはこのタイトルもなんてことのない言葉に感じたのに、今となっては少し切ない。当たり前だった世界はいまやこんなにも遠い。

 

 

[6位]

晴れて出戻りを決めファンクラブに再入会したので、昔とどう変化しているかを比較してみた記事。V6ファンクラブのゆかいな特徴、「会員証はキーホルダー型で触り心地がネチネチしてる」をいじり倒している。

 

 

[7位]

Perfumeのドキュメンタリー映画を見て泣いた後、「どうしてこんなに泣けるのか?」と考えながらこれまでの軌跡をまとめた記事。"自分が読んで泣ける動線"を意識したので、今読み返してもまだ泣ける。 

2015年12月第2週のはてなブログランキングで21位。はじめてのランクイン。

 

 

[8位]

ブログを始めた頃に多く言及してきた「岡田の反抗期」に関する記事のまとめ・総括。

私自身も当時それなりにしんどい思いをしたので、この件と改めてちゃんと向き合って消化できた、というのはかなり大きかった。本気を出してしっかり考えてみる、というブログコンセプト(たまに忘れているが)の原点はここだったのかもしれない。

 

 

[9位]

10周年記事の続編的な記事。

20周年時にリリースしたシングル曲「Timeless」と、メンバー6人で作詞した「〜此処から〜」の歌詞に触れつつ、メンバー同士の関係性について。

 

 

[10位]

V6のシングルに特典としてついてきたVR映像の体験記。 そのリアリティがとんでもなかったのでどうにかその魅力を伝えたいと必死な記事。VRはとにかくスゴイ。

 

 

<その他記事> 

アクセス数で記事をまとめてみたところ「ずっと泣いている人なのかな?」と思われかねない…と感じたので、違った方向の記事もいくつか。

確かによく泣いてはいるのだが、ひたすらつっこんだりふざけたり、言葉で遊んでいる記事を書くのも楽しい。大好物である。 

 

タイトル通り、大昔にイラスト投稿をしていた頃の思い出話。せっせとイラスト投稿を続け、最終的にトニセンのラジオにその旨を投稿し3人から感想をもらった、という世にもおそろしく痛恥ずかしい愚行について。一言で表すなら若気の至り

 

 

V6と恋愛を楽しむゲーム「ラブセン」を始めてみたらいろんな意味で面白かった話。ツッコミが止まらなかった。

2016年にサービス終了してしまったのでもう誰かに「やってみて!」と薦めることはできないが、後世に語り継ぐべきとんでもないコンテンツだった。

 

 

三宅さんと滝沢歌舞伎で共演したジャニーズJr.、Snow Man佐久間くんのキャラが強烈であまりにも衝撃的だったためまとめずにはいられなかった、という記事。全3記事に渡ってレポしながらひたすらつっこみ続ける、という限界に挑戦した。

 

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以上、2017.10.7時点のアクセス数での集計より。

何か動きがあれば都度更新予定。

 

 

ONESとOneと、6人で歩み続ける理由のハナシ。

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The ONES

 

アルバム「The ONES」を引っさげ行われていた全国ツアーが先週終了した。

 

8月の夏真っ盛りの頃に豪雨に見舞われながら迎えた初日。気候も秋めいてきた10月、超大型台風の影響による荒天の中迎えた最終日。

荒天に始まり荒天に終わった、という話は後々笑い話になっていくに違いない。

 

この2ヶ月は各会場でコンサートに参加された方のレポートを読んでいるだけでも楽しい夢のような期間だった。

ツアーは終わってしまったが11月にWOWOWでの放送も控え、雑誌でもレポート記事が続々と届いている。来年にはディスク化もされるだろう。祭りはまだまだ終わらない。

 

グループとしての活動が続いたこの数ヶ月。それに伴って今の私はというと、いろんな感情で溢れかえっている。

今回はとりあえずずっと考え続けてきた「ONES」と「One」についてまとめて綴じておこうと思う。

 

目次

 

 

「The ONES」の意味をどう捉えるか

「The ONES」というアルバムタイトルは、メンバー・スタッフで一緒に考えながら決めたそうだ。

 

私はまず、この「ONE」をどう解釈するべきかというところでハゲそうなくらい悩んだ。 

 

The ONESというタイトルはいわば完成したそのものを「ひとつ」と捉えない。

そこに含まれるいろんな要素のそれぞれを「ひとつ」と捉え、それらが集まることによって出来上がったもの。そんな言葉はないのだが、あえて言うなら「ひとつたち」だ。

 

デニーズのメニューに「ハンバーグカレードリア」というカロリー爆発なメニューがある。あれを「ハンバーグカレードリア」というひとつのものと捉えるのか、それとも「ハンバーグ」「カレー」「ドリア」という3つの集合体と捉えるのか、というようなものだ。よくわからない例えで申し訳ない。

  

発売が決定しアルバムタイトルが発表になった当初から、エイベックスのV6公式サイトではこう紹介されていた。

「The ONES」は、個と個の集合体が幾つも合わさって完成したアルバムであることを意味している。

(エイベックスV6公式サイトより)

そして以下はこのアルバムの特設サイトに掲載されていた文章である。

タイトルは「The ONES」。オンリーワンの輝きを放ついくつもの「個」が合わさって構成された作品だ。

(エイベックスV6「The ONES」特設サイトより)

 

微妙にニュアンスが違っている。

前者から読み解くなら「ONE」にあたるのは「個と個の集合体」になる。これに関しては、雑誌インタビューの中で長野さんが 噛み砕いて表現してくれていた。

ー今回のアルバムのタイトル『The ONES』の意味は?アルバム最後の曲はSがない「The One」ですが?

長野「まずV6がThe One、V6とファンでThe One、僕と坂本くんでThe Oneだとして、いろんなところでいろんなひとつの関係ができていて、それらの集合体が「The ONES」ということみたいです(笑)」

(「月刊TVnavi」/2017年9月号より)

文末が「(笑)」になっているあたりに微妙に生じた表現の難しさのようなものがにじむ。

ここで「ONE」が示すのは「関係」。何かと何かが関わり合った時、その間に生まれるもの。

 

長野さんの発言の後には、こんな言葉が続く。

森田「僕らはグループではあるけど、ひとりひとりがいるからこそのグループって感じがするからピッタリじゃない?」

三宅「僕は今のV6だから似合うタイトルなのかなって思いますね。剛も今言ったけど、デビュー当時はグループが先に来る感じだったけど、今はみんなそれぞれ個がちゃんと生きていて、その集合体が「The ONES」というのがしっくり来る。」

(「月刊TVnavi」/2017年9月号)

この解釈で言うなら「ONE」が示すのは「個」となる。

これは先ほど引用した特設サイトでの表現、”オンリーワンの輝きを放ついくつもの「個」が合わさって構成された”に当たるだろう。

 

このタイトルにそれぞれの「ONE」が持つ個性の大きさとそれに対するリスペクト精神を感じたのだが、実はほんの少しだけさみしさも覚えた。

 

極論を言うなら、そこに特別な意志がなくとも数さえ揃っていさえすればとりあえず集合体にはなれる。

ある角度から見るとなかなかに無機質とも捉えられるタイトルかもしれない。

 

 

様々なアーティストから提供された多彩な収録曲、その中でも一番最後に置かれている、アルバムタイトルから「S」をはずした「The One」。この曲はアルバムタイトルが決まったあとにスタッフから「入れたい」と提案されたという。レコーディングも一番最後に行われたそうだ。

 

この曲の世界観によってこのアルバムの印象がかなり左右されるのでは、と予想していた。

アルバムが発売され、手に入れたディスクを早速1曲目から順番通りに再生していく。すべての曲を通して聴き、最後の1曲として出会った瞬間がこの曲との初対面だった。

 

注目していたその曲の内容が「僕らはひとつさ」と歌うものだったのだから、感動しないわけがない。

個性豊かなThe ONESの収録曲たちがこの曲によってぎゅっと束ねられたような気がして、無機質にも感じられた「集合体」という言葉に命を吹き込むような楽曲だと思った。

 

コンサートにおける「ボク・空・キミ」と「The One」

アルバムを聴き、正直なところ「コンサートの最後の曲は『The One』に違いない!」と思っていた。

しかし予想していたその位置で歌ったのは「ボク・空・キミ」。「The One」はアンコール1曲目だった。

「ボク・空・キミ」 - V6 - 歌詞 : 歌ネット

言葉がしっかりと心に染み入るようなゆったりとした曲調は、聴きながら自然と自分の深層に言い聞かせるように広がっていく。

コンサート中、あれだけ大勢の人と空間を共にしているにもかかわらず、それぞれを一度ひとりぼっちにさせてじっくり考えさせるような、不思議な時間だった。

 

この曲の本質には、孤独がある。

 

他の誰でもないのだ、と「個」を尊重しようとすれば、自ずと他人との線引きは強調されていく。私が「ONES」という言葉を聞いた時に漠然と感じたさみしさにもそういう部分がふくまれているのだと思う。

  

壮大な光景を前にした時、その凄まじさに圧倒され、同時に自分の存在の小ささを知る。

とてつもなく大きなものに対峙すると「個」は気が遠くなるほどちっぽけで、どうしようもないほど無力に思え、溶けて消えてしまいそうな感覚すら覚える。

  

大きな大きな中の限りなく小さいひとつ。

どこまでも広がる世界と、知る由もないほど流れ続けている長い時間。

自分を包んでいるものの大きさに思いを馳せることで、今この瞬間この場所にたしかに存在している自分がいることがとんでもない奇跡に感じられてくる。

   

以下の文章は、20周年を迎えた2015年のコンサートの演出で使用されたものだ。

ビッグバンが発生してから現在まで推定約138億年

地球が誕生してから現在まで 推定約46億年

人類が誕生してから現在まで 推定約700万年

世界の人口 推定約75億人

日本の人口 約1億2500万人

1人の人が一生のうちで出会う人の数 約3000人

1人の人が一生のうちで運命の人に出会う確率 0.000000008%

V6の6人が出会った確率 0.00000000000000002%

V6とファンの皆がコンサート会場で出会えた確率 0.00007%

V6とみんなが一緒に歩んできた時間 176729時間

あれから2年経った2017年。

「ボク・空・キミ」を披露する前には井ノ原さんからの曲紹介の一言があるが、ツアー最終日には「V6を選んでくれてありがとう」という言葉が添えられた。

 

たくさんあるジャニーズグループの中でV6という「ひとつ」を選ぶことは彼らのファンにとっては必然とも言え、当たり前のことかもしれない。

でも実は、その当たり前はとんでもなくわずかな確率の上で成り立っている。

 

今自分が見ているものはどれほどの確率の上で成り立っているものなのか、そう思うとなおさら愛しさがつのる。幸福なエンターテイメントを見ながら噛みしめる「生きている」という実感は、私にとってはなくてはならない希少な体験だ。

  

今回のツアーでは「ファンとメンバーで作るフォトモザイクアート企画」としてファンの笑顔の写真を募集していたのだが、それはコンサート本編の最後にも使用された。

モニターに無数の写真が映し出され、集合体となりその中央に表示されたのは「The ONES」というタイトル。

 

「ボク・空・キミ」で、あえてそれぞれの境界線を際立たせひとりにさせる。そして、それがこうして集まっていることの尊さを実感する。

そんな空間で私たちはアンコールの声を出す。V6を呼ぶことでひとつになり、それに応えてV6がまたステージに登場する。

 

今になって思えば、この流れこそ「The ONES」を実体験させるべく構成された流れだったのではないかと、この2曲の配置に感嘆する。

 

「One for all,All for one」という言葉の2つの意味

ONEという単語から思い浮かぶ有名なフレーズに「One for all, All for one」がある。

 

「1人はみんなのために、みんなは1人のために」。

 

語源について調べてみると1600年代のヨーロッパ、カトリックとプロテスタントの抗争に関する文献まで遡らなければいけないらしい。

それから時が経ち1800年代後半にフランスの作家によって小説「三銃士」の中で使われ、後に日本では特にラグビーの世界においてチームプレイの精神を表現する際に使われるようになった。

近年ではさらに広い範囲で使われる名言になっていて度々耳にするのだが、1980年代半ばに大ヒットしたドラマ「スクールウォーズ」でセリフとして登場した影響が大きいそうだ。

 

V6としては、過去に「学校へ行こう!」の企画内において「One for six, six for one」という言葉に置き換えられて使われたりもした。

 

このよく耳にする日本語訳を、誤訳だとする解釈もあるらしい。

もう1つの捉え方は、

「1人はみんなのために、みんなは1つの目的のために」。

 

スポーツにおいてのそれは「勝利」にあたるだろう。

チームが「1つの目的」のもとに団結する。「one」が絆をより深くする。

 

いろんな一面を持つ人間が混在する中、みんなが「ひとつになる」ことは簡単ではない。でも、共通の「one」を同じように心に置くことで、確かにひとつになっていると感じる瞬間がうまれる。

 

魔法のように重力を超える瞬間

コンサート会場に観客としておとずれる私たちは「ONES」だと思う。

別にひとつになろうとして集まるわけではなく、ただ目的を共にしてそこに集まっただけのことだ。もちろんこの場合の目的は「V6がいるから」になるだろう。

 

コンサート中にメインステージ側アリーナからバックステージ側に振り返った時、ペンライトの光で埋め尽くされた光景に息を飲んだ。視界いっぱいに広がる青一色の無数の光。その光はもちろんそこにいる一人一人が灯しているものだ。

 

目的を共にして集まったそれぞれが灯した光で出来上がっているひとつの大きな光景に、メインステージに立つメンバーからはこんな景色が見えているのかとただひたすら感動してしまった。

  

「COLORS」のサビに、体の正面に手を伸ばし人差し指1本をゆっくりと左右に揺らす振り付けがある。体全体を使って華麗に舞い踊るV6のダンスの中では珍しく、最小とも言える動きが新鮮だからかいつも見入ってしまう。

 

今回のツアーではその姿を背中側から見る機会があった。

スタンド席に向けいつものように人差し指を揺らせば、それに合わせてペンライトの海がゆっくりと揺れる

指先ひとつ、ほんの数センチの動きで人々を動かしてしまう様は壮観で、神々しさすら覚えた。改めて彼らがアイドルとして持っている影響力の大きさを目の当たりにしてしまったような気持ちになった。

 

「太陽と月のこどもたち」ではセンターステージで6人が輪になってお互いに向かい合いながら歌うフレーズがあった。

嗚呼 美しいこの場所で僕も生まれた

温かな手をつないで いつも叱ってくれたひとよ

向かい合う6人とそれをぐるっと囲む客席。喜びに満ちたようなあたたかな空気で包まれて、おだやかに優しいその世界観。彼らを中心として広がるこの空間が、確かにひとつになっているように思えた。

 

大勢の人が集ったところで「ひとつになっている」と心の底から思う瞬間はそんなに多くない。いろんな人がいて、中には価値観の違う誰かに嫌な気持ちにさせられることもあるだろう。

  

人がただ集まっただけでは無機質な「ONES」でしかないが、そこに共通の目的や理由があれば「ONE」にだってきっとなれる。

それはまさにモザイクアートのようなものだ。

私たちはコンサート会場にV6を理由として集まって、それを理由にひとつになれる。それがたとえば刹那にすぎなくても、相当すごいことだ。

 

ひとつになることは難しい。

ややこしく考え出せばきりがなく、深く考えれば考えるほど重さを伴っていくようなその問題を、 魔法のように「ひとつになっている」と感じさせる。重力を無視して問答無用でそれをやってのけてしまうのだからかなわない。

  

さまざまなアーティストとスタッフが関わって完成した「The ONES」について、井ノ原さんと三宅さんは雑誌インタビューの中でこう語っていた。 

三宅「結果的にすごく良かったよね。個と個の集合体としての『The ONES』。これはでき上がってみて思ったことだけど、個と個の集合体って、僕ら6人のことだけじゃないんですよね。このアルバム制作に関わってくれた全ての人が個なんだなって思うんです。アーティストの人たちも、それ以外のスタッフの人たちも全て、関わってくれた人たちみんながその意味の中に含まれるんじゃないかなって僕は思うんです」

井ノ原「そうだね。だって1人欠けただけでもきっと全然変わってるからね。あの人があの時ポツッと言ってくれたことがここに効いてるとか、そういうものもたくさん散りばめられてるんですよ。ものづくりっていうのは、そういう楽しみがありますよね。家でコツコツ作るのも楽しいけど、みんなで作るってこういうことだなって思う」

三宅「うん。V6は、僕ら6人だけじゃなくてチームでやってるという感覚を再認識できたアルバムだなって感じがしています」

(「月刊ソングス」/2017年9月号) 

関わったすべての「個」がONESの中に含まれるのでは、という解釈がいかにも彼ららしいが、その「個」たちはすべてV6が中心にいるからこそ集合体になっている。

目的を共にして集まって1つのアルバムができあがる。ツアーを開催するためにまた多くの人が集まって、ステージを作り上げる。

そこにある目的としてのoneも、やはりV6だ。

 

ツアー最終公演、アンコール中にバックステージ上に登場した垂れ幕には、V6に向けての「お疲れ様でした」という言葉とともに「全国のファン一同&スタッフ一同」という言葉が添えられていたらしい。

スタッフさんの粋な計らいに愛を感じたし、現場を見ずして、遠くにいながらひとつになれたようで本当にありがたかった。

まさにV6を理由としてスタッフとファンが「ひとつ」になってお礼を言わせてもらえたような気分だ。

 

「The One」の憂いと、それでも歩みを止めない理由

「The One」という曲は「僕らはひとつさ」と歌う前向きな歌だ。

でもその中に含まれているのは勢い任せの前傾姿勢ではない。

視界良好で広がる未来へ一直線に、軽快に歩いているような多幸感が漂うサビのフレーズ。でもそこへ辿り着くまでのフレーズには憂いや気持ちのかげりのような切なさも見え隠れする。

 

これから先に待つ困難を予期するように「どんな時もきっと僕ら乗り越えて行こう」と歌う。

そしてその理由は「まだ見たことない景色が広がってるから」。

そして「心の中に咲き続ける笑顔があるから」、共に歩んでいく。

 

足元に凛と咲いた小さな花に、幸せがたしかにそこに存在していることを知る。

それはいつか気持ちがかげってしまった時にも心の中で咲いて、前向きな気持ちへと奮い立たせてくれる。

 

笑顔を表現する際しばしば「咲く」という言葉が使われるが、そもそも「笑」と「咲」という字は同じ意味を持っていてどちらも「花が開く」というところからきているそうだ。

「花が咲く」ことと「笑顔」を同義に考えるのであれば、足元に咲いた小さな花も「笑顔」に置き換えられる。

あの日触れた花を探すために 

僕ら巡り巡る

幼い頃の夢を 

見て 

個人的にこの曲で一番泣ける部分がこの周辺なのだが、「幼い頃の夢を見て」という解釈はいくつかできるように思う。

・幼少時代(子どもの頃)の夢を見る

・青くさい理想を夢見る

ざっくり言うと私の中ではこの2パターン。どちらも汚れのない純粋さの象徴であるように思う。

ただ、この先に待つ困難を覚悟しながらそれを乗り越え、あるいは振り切って進もうとする意志がにじむ歌詞から考えるとどうしても後者で想像がふくらむ。

 

目には見えない、不確かなものを一途に信じる。

このフレーズのあとに入る静かなコーラスと鍵盤の音が印象的な間奏には、そんな理想を夢見続けることの途方もなさ、のような切なさが含まれているように感じられてぎゅっと胸がしめつけられる。

私がこの曲を聴いていて一番泣けるのは、実はこの歌詞のない部分だったりする。

 

そして、なんてことのないように軽快にその憂いを振り払って前に歩き出す。

そこには迷いなんて何も感じられない。逆にこれから先の未来を無条件で信じられてしまうような無敵ささえ感じられる。

 

アンコールで聴いた「The One」はV6そのものだった

三宅さんによるこの曲の見解として、度々「V6とファンの関係を歌ったような曲」という旨が語られている。

そのままストレートに受け取ると一見、共に歩むのは「V6とファン」のようにも感じられる。それはそれでなんだかイメージと少し違うような気もしていたのだが、コンサートでこの曲を聴いて、歌う彼らを見て、私の中のイメージはしっかり固まった。

 

「The One」は、あまりにもV6そのものだった。

 

最後のサビ前には、6人がひとまとまりになって幸せそうに歌う。

そのまとまり方は公演ごとに違ったそうだ。

多くの公演で披露されたのは、岡田さんが人差し指を出し、その上にみんなが手を重ね、この指とまれ状態で左右に揺れながら歌う、という光景。

それはそれは幸せな光景だった。

 

参加させていただいた大阪3日目の公演では、グッズの元となっている写真のポーズが再現された。

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発端はカミセン3人でのMCだった。

本当に突然、不思議なタイミングで岡田さんが22年という歳月にしみじみしはじめ、急に「写真のポーズする?」と言い始めたのだ。ステージ上に3人しかいないのに。

 

なんでだよ!とつっこまれ、しなくていい!とあしらおうとする様子に客席からは「えええええー!」の嵐だった。

予想外だったのは森田さんが簡単に「どっかでやろうよ」とその案に乗っかったこと。結構乗り気な様子がとにかく意外でびっくりしたのだが本当に嬉しかった。

そして三宅さんはというと「やってもいいけどじゃあCD買って」と両手をすり合わせておねがいおねがい!と可愛らしくおねだりし始め、岡田さんもそれに乗っかり一緒におねだりし始め、森田さんが「カッコ悪いことやめろ!」と男気溢れる言い方で止める、というおもしろい一連になり、結局例のポーズの話は流れた。

 

そのまま本編が終わってアンコール。

「The One」でこの指とまれ状態になっていたパートで、岡田さんが井ノ原さんに寝そべるよう指示した。

例のポーズのくだりをすっかり忘れていた私は「何をするんだろう?」と能天気に見ていた。

べしゃっと寝そべった井ノ原さんの次に指示されたのは三宅さん。

井ノ原さんの上にスタンバイしたところで私はようやく事の重大さに気づいた。

 

そこからはあっという間にメンバーが重なっていく。坂本さんが位置についた次の瞬間、ぐっと腰をかがめ、そこに森田さんが飛び乗った。その時の歓声の大きさは言わずもがなである。

6人が縦1列に重なった、世に言うところの「わちゃわちゃ」を前に、とんでもない多幸感に涙が出た。

Every day every night

どんな時も 

きっと僕ら乗り越えていこう

まだ見たことない景色が

広がってるから

 

共に共に歩んでいこう

Be together

We are the one

重なり合いながらみんなで楽しそうに歌うこのフレーズ。もうこれだけでこの先のグループとしての未来も信じられる。

  

6人で共に歩んでいく。そしてその歩んでいく理由に当たる部分は「まだ見たことない景色が広がってるから「心の中に咲き続ける笑顔があるから」

 

迷った時や辛くなった時にも心の中に咲き続けて時には背中を押し、支えるようなちからを持つもの。6人が集まって一緒に歩き続けるための目的、理由となるもの。

 

それはファンの存在なのではないか、と思った。

 

彼らがファンに向けて発信する言葉に触れる時、私はいつもそれがどんなファンに向けられているのだろうとイメージする。そして浮かぶのは、純粋な感情でひたむきに応援する姿だ。

「凛と咲いた花」こそ、純粋な感情で応援するファンそのもののように思える。「好き」という感情を朗らかに抱きながら、プラスの方向にちゃんと作用させているような、そんな「好き」のあり方だ。

 

時にはそうでない姿に出会うこともあるだろう。嫌な気持ちになることも、もしかしたらあるかもしれない。

それでも「あの日触れた花を探すために」彼らは巡り巡る。「巡り巡る」という言葉も、コンサート開催中に聞くと全国各地を転々とするツアーそのもののように思えた。

 

いつか幸せを教えてくれたひたむきな姿にまた出会うために、その存在を心に描きながら乗り越えていく。それは青くさくって理想論にしか過ぎないかもしれない。

 

でも、それを信じて進んだ先にはきっとまだ見たことのない景色が広がっていて、まだ出会ったことのない人たちが彼らを待っているのではないだろうか。

 

今回のコンサートでセットリストに入っていた「MANIAC」。

「自分のこだわりを追求する」ということをポップに歌う曲なのだが、この世界観がとてもV6らしく、大好きな1曲だ。

MANIAC - V6 - 歌詞 : 歌ネット

自分以外の誰かから投げかけられた言葉で自信が揺らいだり迷ったりする自分を鼓舞して妥協せずに突き進む。

平均年齢が40歳を超えてもダンスパフォーマンスで圧倒してくれる彼らが歌い踊るからこそ説得力が伴う楽曲でもある。

自分を表現する 人を笑顔にする

それって同じことかもね

無意味だと誰かが嘆いた

「別に誰も気にしてない」と

こだわっても 無駄な場所を

こだわってる? 

無駄に思える事 繰り返すことで

誰かの笑顔作れる  

自分らしいこだわりが誰かの笑顔を作ると信じて駆け抜ける。

自分を表現することが、イコールとして人を笑顔にする。

 

今ツアーでは行き届いたファンサービスを各所に振りまいた彼らだが、決してそれだけがファンを笑顔にする方法ではない。

極上のパフォーマンスが笑顔を作り出すことを理解してくれているのなら、私たちの未来は明るい。勝手に太鼓判を押したくなってしまった。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

全21公演、24万4000人にも及ぶ動員数で駆け抜けた2ヶ月は彼らにとってどんな日々だったのだろう。そこで出会った光景はこれからも心の中に咲き続けていられるような、素敵なものであっただろうか。

 

多くの笑顔を咲かせ幸せで包んでくれた2ヶ月に感謝しながら、怒涛の日々を無事終えられたことを労いつつ。でもできれば、次にお会いできるその機会もできるだけ早くあるようにと願ってしまう欲張りな私である。

 

またしっかりと「好き」を積み重ねながら、V6に会えることを楽しみにしながら引き続きしっかりとファンをやっていこうと改めて思った。

 

 

 

 

「坂本くんがファンのせいで足をケガした」というデマが拡散されて本人自ら否定することになった件をどう見る?

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公式的に発表されていない情報の取り扱いについて、もっと慎重にならなければいけない。

それを今回のことでつくづく実感した。

 

昨日11月11日に放送されたトニセンのラジオ冒頭において、坂本さんが自身の足の不調について初めて言及した。

坂本「先週もねちょっと話題になりましたが、V6の2年ぶりのライブ、無事に先月終了いたしまして、えー来てくださったみなさんありがとうございました。まああのー終わってからね、SNS等々でコンサートの感想とかね、投稿してくださってるのちょっと見てたんですけども」

井ノ原「ええー」

坂本「ほんとみなさんすごい!細かいとこ見てるし、ちゃんと記憶してるし。」

長野「うん」

井ノ原「本当?」

坂本「うん、素晴らしいと思ってたんですけどその中でちょっとね、僕的に気になるワードがちょっとありまして。あのー……まあちょっと、僕の足のケガということで」

井ノ原「はいはい」

坂本「ちょっとね、気づかれた方はいると思うんですけども。まああの、なぜ気になったかっていうと、あのー、まあ僕、公表してないじゃないですか。」

井ノ原「うんうん」

坂本「うん。でもねあのー、そこになぜ怪我をしたのかってことでなんかいろいろ話し合ってて。あのー、ファン同士の中で実はあの2階にトロッコ行く時にファンの子が僕の手を引っ張った瞬間に、その時に怪我をしたんじゃないか?っていうのでいろいろ話し合われてて。そん中で、まあ、事実じゃないじゃないですか。」

井ノ原「ああ」

長野「うんうん」

坂本「でもないのに、ちょっとあのファン同士で『心無いファンがいるのは悲しいです』」

井ノ原「とかってなっちゃって」

坂本「なっちゃってたから、ちょっとこれは俺、言っとかないとダメだなーと思ったんで」

井ノ原「誰が引っ張ったの?」

坂本「いや違うでしょ」

長野「(笑)」

井ノ原「え?引っ張ったんじゃないの?」

坂本「引っ張ってないよ」

井ノ原「誰も引っ張ってないの?」

長野「いのはら?」

井ノ原「俺引っ張ってないよ」

長野「引っ張ってない?」

坂本「おまえ?」

長野「俺じゃねえ」

坂本井ノ原「(笑)」

長野「俺じゃねえ」

井ノ原「じゃあやっぱ引っ張ったのかって(笑)」

坂本「V6のファンって礼儀正しいって言われるから、まあそこちゃんとね、訂正っていうか、しておきたいなと思って。」

井ノ原「あーそうだね」

坂本「この場を借りて言わせてもらいますけども、あれは一切そういうことではなく、自分の不注意というか昔の怪我が、」

井ノ原「もともとあった」

坂本「うん、再発してしまってちょっと、ね、足を引きずるシーンも多々あったのか、ということだったので。けしてあのファンのみなさんが引っ張って怪我をしたとかそういうのじゃないので」

井ノ原「蹴っ飛ばしたのかもしれないけどね」

坂本「そうですね見えないとこでね、このヤッロー!って後ろからね」

井ノ原「(笑)」

長野「ローキック、ローキック?(笑)」

井ノ原「引っ張ってはいません。蹴りましたと。」

長野「(笑)」

坂本「シュッ!つってね(笑)」

長野「もっと悪質だ(笑)」

井ノ原「そうだね人のせいじゃないってことですね」

長野「じゃないってことですねはい」

井ノ原「あーよかったよかった、今はもうだいぶよくなったと」

坂本「そうですね!みなさんご心配をおかけしました、すいませんでしたー」

(「V6 Next Generation」/2017年11月11日放送分)

あまり楽しい話題でもないはずなのだがネタも交えて笑いも含めて話すその様子に少し笑ってしまった。

 

坂本さんがエゴサーチをする人であるというのは以前から知られている話だ。

ケガについてはおそらく「ファン同士でかわされている"信ぴょう性の高そうなウワサ話"」を知らなければ公表されずに終わっていたように思う。

 

ネット上のウワサ話を除けば、ケガについて触れていたのは某女性週刊誌のコンサートレポートだけだった。それも取ってつけたような一文で「なんというデリカシーのなさ…」と愕然としたのだが。

 

ウワサ話とその拡散について言いたいことはいろいろとあったがあえて全部まるっと飲み込んでスルーを決め込もうと思っていた今回の件。

予想外に本人の口からこの話題を聞くことになったわけなのだが「公表してくれた」というべきなんだろうか、それとも「公表させてしまった」と捉えるべきなのだろうか。複雑である。

 

目次

 

 

どういうウワサになっていたのか

坂本さんの足の不調については今回のツアーの最初の地である名古屋公演の時からささやかれていた。

しかしそれもちらほら見かける程度。あまり広まらなかった要因としてはツアー序盤でネタバレを回避していた方もまだ多かっただろうこと、触れるべきではないと判断しあえて言及しないようにした方が多かったこと、などが考えられる。

 

名古屋、福岡、と日程は進み、私が参加した大阪公演では足の不調はまったく感じられなかった。

足を上げるシーンでは高く上げていてその長さに驚愕した。コンサート直後に書き留めたメモには、あまりの長さに「人体とは」という謎の一言を書き残している。

 

全編通して不調の気配はなく(私の観察力が足りていなかっただけかもしれないが)、最終的に一番の決め手になったのがアンコールで坂本さんが森田さんをおんぶした場面だった。

少なくともメンバー間で大きな話題になるほどの重大な事態には陥っていないのだろう、不安視されているのならまさかおんぶまでするまい。

そんな安心感を抱きながら大阪公演が終わり、 さらにコンサートツアーは仙台、北海道と順調に続いていった。

 

そして、横浜アリーナでの公演中にそのウワサは一気に広まった。

 

最初に聞こえてきたのはとにかく坂本さんの足の具合がよろしくないようだ、という話だった。

横浜公演初日には「MUSIC FOR THE PEOPLE」の足上げ(森田さんの頭上をまたぐように通過させる)がなく、足を引きずるようなシーンもあったとのこと。

 

翌日には一部演出が変更された。

それまでスタンド席に6人とも登場していたメドレーが、スタンド4人・アリーナ2人(坂本さんは固定、もう1名は公演ごとに変更)という演出に。おそらくは階段の上り下りや移動を減らすことによって足の負担を軽減する目的での変更だろう。

 

これにはさすがに心配も募ったが、最小限とも言える範囲の変更で試行錯誤しながら、万全の状態と遜色ないパフォーマンスをするべく臨んでいると思うと、もう応援する気持ちしかなかった。

 

こうなってくると残りわずかとなってきた公演数が急に多く思えてくるから不思議だ。

「ああ終わってしまう…」と寂しく思っていた気持ちが「まだまだある…」に途端に変化するのだから、なんとも勝手なものである。

「ツアーが終わって欲しくない」と「とにかく無事に終了して欲しい」が混在する複雑な心境だった。

 

当然ながら万全の状態でパフォーマンスすることを前提として組まれたコンサート。

もし何かしら不調があって万全でない状態で披露することになったとしたら、一番ツラく、あるいは申し訳なく感じるのは本人なのではないか。

そこに拍車をかけるようなことは好ましくないはずで、そういう一面と裏腹にファンの間で拡散されていく「坂本くんの足の不調」の話題には正直モヤモヤしてしまった。

 

その結果漏れ出たツイートがこんな感じだった。

精一杯"本題"には触れない「わかる人にだけわかるようなツイート」を目指したつもりなのだが、果たしてそうできていたのかいまだに客観的に評価するのは難しい。

 

このツイートに至るまでの気持ちの動きと真意をまとめると、

ケガしていようがしていまいがV6のコンサートが素晴らしいことには変わりないだろう。

それなら、これからコンサートを観に行く人があらかじめ坂本さんの足の具合がよろしくないことを知っている必要は特にないのではないか。

何よりもあんなに最高なコンサートを最初から『大丈夫かな?』の気持ちを先行させて観るのはもったいない。

足の不調に気付かずに『最高だった!』で終わるならそれが最良で、なによりステージに立つ彼や彼らはその線を狙っていくだろう。プロとして。

現地で実際にステージを見て足の不調に気付く人がいたとしてそれは仕方ない。でもあえて広めて共有する必要はない。はず。

よし黙っていよう。

と、こんな感じで私は私の方向性を決めた。

  

「心配する私がその気持ちを吐露すること」はただの自己満足でしかないように思えたし、その材料として未公表の「坂本くんの足のケガ」を使いたくはない。使うべきでもないだろう。

 

心配するのも1つのかたちで、それを言葉にすることで表現できる愛もあるかもしれない。

でもあえて何も言わないことで守れるものもあるはずだ。たぶん。

というのが私の結論だった。

結果的に「本題には触れないようにはするけどちょっとだけ言いたくなっちゃった自分」は未熟だなあと思う。

 

「話題にしていればアツいファン!」というわけでは決してなく、一見何の心配もしていないようにまったくの知らぬ存ぜぬを通し続けた方もいるだろう。

なんでも喋るより黙っていることのほうがよっぽど難しい場合もあるし、そういうやり方を貫ける人はかっこいい。

 

「ファンに引っ張られてケガをした」?

しかしこの翌日、坂本さんがラジオで言及していたような噂があっという間に広がっていく。

 

事の発端はとあるブログ記事だった。

ツイッターで回ってきたので私も目を通したのだが、当日かその翌日くらいには非公開となっていた。元記事が見られなくなった後もSNS上でウワサは残り、ニュアンスを保ったまま広がり続けた、という流れだ。

「坂本くんの足のケガはファンのせいだ」と。

 

ブログの内容はざっくり言うと「坂本くんの足のケガはスタンド席に行った時にファンの子に引っ張られて倒れそうになったことが原因だ」というものだった。

それもブログを書かれた本人が見たのではなく友達が言っていた、という文章だったと記憶している。

それは真に迫ったような文章のようでもあり、あれだけ広まったくらいだ。人の心に訴えかける、惹きつけるものがあったのだと思う。

坂本さん本人がはっきりと否定した今となってはあの話は一体なんだったのかまったくもって不可解だが。

 

そのブログの意図としては「こんな酷いことがあったと広まることで再発を防止したい」といったところだろう。

それに同調した方が拡散し、あるいはその話に対する怒りを書き連ねる際にその元記事も拡散する。

そうしてウワサはどんどん伝染していく。

 

その話をみんながみんな100%信じていたかといえばそうでもなかった。

それでも「もし本当だったら、」と前置きした上でそれぞれが自分の思いを書き連ねていく。その前置きを添えておけば万が一情報が間違っていても許されるような、いわば保険をかける言葉。

今回ほどこの言葉が免罪符のように感じられたことはなかった。

 

一応はどちらとも取れるようなていで、でもほぼ真実のように無責任に広がっていくウワサ話。

正直憤りを感じなかったと言えば嘘になる。

 

本当かもしれない。でも違うかもしれない。

後者だった時、ここまで広がってしまったウワサの収拾をつけるのは誰なのだろう。

 

真偽がわからないまま反射的に話題にしてしまう危うさ

足の不調については多くの方がその様子を語っているところを見る限り信ぴょう性は高そうだ。

だがその原因についてはご本人・関係者以外が知るわけもない。

ましてやその不調自体をできるだけ隠しながら公演に臨んでいることは明白で、それを感じさせずに終えている公演もある。そして気付かずにステージを堪能したファンもいる。

 

実際ファン同士が情報を共有してあらかじめ「知っている」ことで跳ね上がる感動も時にはある。

「情報を知っている」ことがステータスのように捉えられる場合もある。

 

心配してしまう、むしろ「心配したい」のはファンの性なのかもしれない。 

一見それはファンとして正しい姿のようにも思えるけれど、ステージに立つプロとしてしっかりパフォーマンスを仕上げ「見ごたえのある1公演」をその都度届ける、それを受け止める目線として「心配」ばかりが先行してしまうのは、果たして正しいのだろうか。

  

「足をケガしながら頑張っている」、そんなシチュエーションをあえて付け加えなくたってかっこよすぎるくらいにかっこいいし感動するコンサートだ。

たとえ足の調子が悪かったとしてもあえて言わない、言い訳にしない、それでやりきる、やりきろうとする、そんな姿がべらぼうにかっこいいのではないか。

 

黙ってやりきろうとするならその意思を尊重すべきだと思ったし、裏ではこちら側からは想像もつかない努力をしているかもしれない。 

 

そういうものを、いとも簡単に手折ってしまうような今回の情報拡散には辟易した。

 

かといって他人をコントロールすることなどできるわけもなく私が制御できるのは自分自身くらいのものだ。

だからこそ自分に言い聞かせるような気持ちと今後の自らの指針のためにも、一呼吸置いてからやっぱり本題には触れないように140字以内にまとめた。

冷静に言う時ほど、実は内心相当プリプリした結果なんとか絞り出した言葉だったりもする。 

 

このツイートに対する引用リツイートで「ファンのせいでケガしたなんて言えるわけないじゃん」というようなものがあった。

それに関しては「ああそう受け取られてしまったのか、力不足だったなあ…」と思うし今後語彙力を磨きたい。

が、140字で伝えることには限界があるし、1万字書いても伝わらないものは伝わらないだろう。悩みどころだ。

 

原因が何にしても、足のケガを公表しない理由の一つとして「ファンを心配させない」ことも含まれているような気もした。

だが足の不調を公表していないということは、もし「ファンのせいでケガをした」がデマだったとしても否定することさえできないということだ。

原因について話すのであれば現状を公表するしかないのだから。

 

足の不調だけであったならおそらくスルーされていたであろう今回の件、ファンが不穏にざわついているのを見た結果、収拾をつけるべく動いてくれたのはほかの誰でもなく坂本さんご本人だった。

 

「公表した」なのか、「公表させてしまった」なのか。

「もし本当だったら、」で始まる一連のファンの言葉や「心無いファンがいるのは悲しいです」という言葉、そういうものが本人のもとに届いていたのかと思うと何とも言えない気持ちになる。

 

反射的に感想や思いを言葉にして残せるのがツイッターの良いところでもあるが、それで踏みにじってしまう"何か"も時にはあるのだろう。

 

最近起きた凄惨な事件のこともあって世間的にも改めて問われていることでもあるが、ネット上に出回るいろいろな情報の真偽を「自分なりに判断する」、その一手間をしっかり取ることの重要性を感じた。

 

また広まるべき情報とそうでない情報の取捨選択、その取り扱い方、そして広めようと思っていなくても間接的に情報拡散に加担してしまっている場合もあるという事実。

 

果たして自分のネットマナーはいかがなものか、今一度しっかり考えなければならない。自分の価値観が正しいと思い込むのではなくて状況に応じてその都度判断していかなければ、と強く思った。

 

正しければ何を言ってもいいわけではない、ということ

最後に、以下は冒頭の文字起こしの続きである。

坂本「今回さ、ほら代々木じゃなかったじゃないですか」

長野「はい」

井ノ原「うん」

坂本「横浜アリーナだったんで、まあ2階通路も一切なく。すべてね、2階トロッコで」

長野「でもほんとマナーいいですよね。あの片側は僕ら歩いて、構造上歩かなくちゃいけないとこ上の通路、でも全然ほんとに引っ張ったりとか絶対しないし」

井ノ原「しないよねえ」

長野「ほんとに、触れるくらいだったりとかね」

坂本「昔はあったじゃん、」

長野「あったー」

坂本「わーってあったけど今ちょっとなんか優しいよねみんなね」

長野「そう!」

井ノ原「そうだね」

坂本「気い使ってくれてんのか」

井ノ原「なんか、押したら倒れちゃうんじゃないかと思われてんのか」

坂本長野「(笑)」

長野「優しくしなきゃって?(笑)」

井ノ原「優しくしなきゃ(笑)」

坂本「(笑)」

井ノ原「ねー、だからそのようなことはないということでございますね」

長野「そうですね」

坂本「みなさん礼儀正しいですからねー」

井ノ原「うん」

長野「はい」

井ノ原「ありがとうございます」

坂本「ありがとうございます」

 

井ノ原「そうねー、ファンの人たち…でもさ、『礼儀正しくやってます!』っていう人たちもいるし、あのー、『まだはじめて来たからルールとかよくわかんないです』みたいな人いるじゃない?」

坂本長野「うん」

井ノ原「なんか『私はちゃんとやってるからお前もやれ!』っていう感じじゃないからいいよね

坂本長野「うんうん」

井ノ原「ね」

長野「なんか、自分たちを見てて『みんなもそういう感じなのかな?』ってわかってくれてる雰囲気もあるじゃないですか。」

坂本井ノ原「うんうん」

長野「それもなんかいいですよね」

井ノ原「そうだねー」

 

ウワサの発端を責めるのではなく、かといって正しい行いをしている人が他者を貶し意見を押し付けることも良しとはしない、そういう話の流れ。

この言葉もしっかりと覚えておかなければいけない。

 

正しさの剣を振りかざせば何でもぶった切っていいというわけでもなく、

正しさの盾があればそれを理由にどんな意見も退けられるというわけでもない。

正しさに固執するあまり閉鎖的なその考えに囚われてしまってもいけない。

 

今回の件で坂本さんがケアしようとしたのは「しなくてもいい心配をさせてしまっているファン」だろうし、「良い風評を断ち切ってしまうようなデマを一掃する」ためのことだろう。何より「起こってもいないことでファン同士が気を揉む」様子が気になったのだろう。

決してここからファン同士の論争を勃発させようとしたわけではなく、むしろそうさせないための穏やかな一手。

 

この公表の意味や意図するもの、その先に望んでいるものを想像しながら、出来る限りその思いに沿うように楽しくおしゃべりを繰り広げていきたいものである。

 

 

それを踏まえて未来の私へ。

「万が一の坂本くんのエゴサーチに備えて、万全の注意を払いながら臨むように。」

 

 

 

岡田准一さんの結婚発表で思ったこと、変わることと変わらないこと。

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落ち着いた深い赤、からの何ひとつ無い白。そのあまりのコントラストに目が眩んだ。

 

受け取るまでのあれこれの話は後にするが、12月24日、岡田准一さんからの結婚報告のカードが届いた。

厳かであらたまったような細いフォントで綴られたメッセージとそこに添えられた「岡田准一」の署名にじっくり見入ってしまったせいもあって、カードを閉じて目にした真っ白な裏面が突き刺さるようにひどくまぶしく感じた。

 

「いや必死で観察しすぎか!」と思わず心の中でつっこみながら苦笑してしまったのだが、ただ眺めていただけなのになぜか目をやられたこの現象はなんだか今回の発表の一連に通じるところがあるような気もして、妙に腑に落ちたような不思議な感覚になりながらカードを封筒に仕舞った。

 

なにはさておき、先ずはこの言葉から始めておきたい。

岡田准一さん、宮﨑あおいさん、ご結婚おめでとうございます。 

 

このブログでV6の結婚発表についての記事を書くのは3回目になる。

V6からは3人目となる既婚アイドルの爆誕。それも3人ともお相手は女優さん。外側から見れば「ファンだって結婚に耐性もあるだろう、慣れただろう」と思われるかもしれないが、3人分を目の当たりにしてきたからこそ「こうも毎回違うものか」と驚いている。同じことのようで同じだったことなんて無い。

 

今回の私はというと、とにかく「よりにもよって!?」の連続だった。

よりにもよって、配達指定が12月24日のクリスマスイブ。

よりにもよって、それが間違って2日前に一部の方に配達されてしまうという痛恨のミス。

よりにもよって、その方がツイッターに現物の画像を上げてしまった。

 

あえてポップな表現をすることは現状この界隈に漂っている複雑な空気にはそぐわないかもしれない。

しかしそれでもいろんなあれこれを総合して私が最初に抱いた感想が、よりにもよって「オーマイガッ!」という陳腐なカタカナ英語であったことをお伝えせねばならないことを恥じる。

 

しっかりとした言葉を羅列することで感情を整理するにはまだ早く、だがとんでもないことが起き、とんでもない騒ぎになろうとしていた。そんなタイミングで私に浮かんだのはただただ「オーマイガッ!」という純粋に衝撃のみを表せるカタカナだった。

 

カタカナ英語にするだけで物事が少しポップになる。こういう手法どこかで見たことがあるな、と思ったらルー大柴さんだった。

まさに寝耳にウォーター、藪からスティック、一部ファンの逆鱗にタッチしてしまうような出来事で、反応は十人テンカラー。どうにかこうにかレイン降ってグランド固まるのを願うしかない……と、ルー師匠の楽しいお言葉たちを引用させていただいたところで私の力量では使いこなせそうもない。

検索したらルー師匠の語録を見つけたのだがすごく元気になれたので、なんか元気が出ないという方にはぜひそちらをおすすめしたい。

 

12月22日の誤配騒動に始まってもう1週間経ったのだが、時間が経つほどになかなか拗れたややこしい話になってきているような気もする。

本人からの報告メッセージ、報道で語られるアレコレ、またファン目線での様々な感想や世間の反応、そういう情報が混じり合った結果「岡田准一さんの結婚」から「岡田准一さんの人間性」や「アイドルとしてどうなの?」といった論点にもなり、とにかくざわついている。

 

はてなブログでもすでに多くの方が感情を文章にしている。今回は特に数が多く、読めば読むほど十人テン…十人十色なのだと感じる。

悲しみも喜びも目にした。

悲しみの中に喜びも持っている方もいれば、喜びの中にモヤモヤを抱える方もいる。力一杯喜ぶ方もいれば、絶望に打ちひしがれる方もいる。残る方がいて、去る方がいる。

目をつぶって今だけ耐える方もいれば、一時的に距離を置く方もいれば、二度と戻らない方もいれば、戻ってくる方もいるかもしれない。未来は誰にもわからない。

 

そういう中で、言ってみればかなり後出しなこのタイミングで文章を載せるということは、もしかすると「この人はどの派閥?」だとか「どこに属するの?」という目線から読み始められてしまうのではないか。

 

なんだか「お前の意見はどっちだ!?さあさあ!」と言われているような妙な空気を察知したような気になってしまって、正直結構おびえている。

この件を境に武器を持っていないのに意思を問わずして一方的にどこかの戦いの場に上げられてしまうのではないかという気さえしてきた。

 

今回のことは、能天気なことを言っても不謹慎かもしれないし、祝いの節目にふさわしく無いことを書くのも不謹慎かもしれないし、中立を気取るのも不謹慎かもしれないし、祝っても不謹慎かもしれないし、祝わなくても不謹慎かもしれないし、ちゃんとした言葉で書かないと不謹慎かもしれないし、泣いても笑っても喜んでも悲しんでも、立っても座っても不謹慎かもしれない。

 

そもそも不謹慎とは何だという話なのだが、それくらいの感覚である。

とにかくどの位置に立ってもなんとなくしっくりこないような、居心地が悪いような気がするのは、いろんな意見を目にしすぎたせいだろうか。

 

「結婚発表」が及ぼす混乱の中で、私自身もいろんなことを一気に考えると収拾がつかなくなりなんとなく陰鬱とした気持ちになるのだが、改めて1つずつ整理しておきたい。

 

今の私はというと、ハチャメチャに浮かれているわけでもなければ深刻に落ち込んでいるわけでもない。でも既婚者が3人いるアイドルグループのファンをするのは初めてで、既婚者という肩書きを手にした岡田准一さんをまだ見ていないわけで、その辺はやはりというか、戸惑っている。

 

絶対に書いておかなければいけないわけではないけれどこの話をスルーして次は書けまい。どう書くのが適切なのかわからないが、今回のことで思ったことをできるだけ粛々と綴りたい。

ということでお時間がある方はトゥギャザーしてくださればと思う。

 

あまり言うと押し付けがましく逆に嘘くさくもなってしまうのだが、くれぐれもお伝えしたいのは浮かれてもないし落ちているわけでもないのだ

決して、まったくふざけているわけではないけどちょっとポップに行きたいな、というテンションになっているのは、結婚どうこうではなくネット上のこの空気に辟易しているからなのだろう。

目次

 

 

12月22日(金)の誤配、23日(土)の報道

私がこの件を知ったのは、毎年恒例のミュージックステーションクリスマスSPが放送されている時間帯のことだった。

 

ここ最近の放送時間が長い音楽特番ではタイムテーブルが出されることが多い。にも関わらず一切事前にタイムテーブルを出さないMステさん。強い。

そんな姿勢に翻弄されながらも楽しんでいたところ、どこからどうたどったのか忘れてしまったがツイッター界がざわつき始めていることに気付き、例の、郵送物の現物画像にたどり着く。

 

「いやいやいやいや…えっ?えっ?」と混乱する。

さすがに「12月24日」という配達指定日には荒天のきざししか感じられない。

 

数日経った今「12月24日に発表」ということの是非をじっくり考えたりもする。が、結局はこの時この瞬間、反射的に「アカーーーーーン!!!!!」と思ったテンションこそが、私の持ち合わせている感覚のすべてなのだと思う。それはまた後述するとして。

 

「これは…荒れるぞ…」と思いながら今夜は震えて眠るしかない。逆にその日がくるまで、といっても2日ほどのほんのわずかな時間しかないが、嵐の前の静けさくらいの猶予はあるだろう。まずは落ち着こう。

 

ところが少し経ってからもう一度そのツイートを確認してみるとものすごい勢いで拡散されていた。

ここでまず小ぶりな「オーマイガッ!」である。

 

そういう状況で、MステSPでこの日一番楽しみにしていたPerfumeの出番が来た。

いつ見ても美しい。彼女たちが音楽番組に出演する際ツイッターでトレンドワード上位に食い込むことも多いのだが、おそらくは概ね良い評判で話題に上がっているのだろうと思うと、何度見ても嬉しいものである。

 

そんな中、ヤツは怒涛の勢いで駆け上がってきていた。

広まってしまうにはまだ早い招かれざる客。

そう、「岡田くん結婚」というワードである。

 

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好きなもの同士がトレンド上位で隣り合わせ。普段なら「ああ良いもの見させてもらったなあ」とほのぼのとしてしまう嬉しい話なのだが、今回ばかりは違う。

まだお呼びでないのでもうちょっとだけ、あと2日ほど席を外していただけまいか。頼む。

中くらいの「オーマイガッ!」 な状況だった。

 

深夜には「岡田くん結婚」はトレンドワード2位まで上昇。

そこまでしか私は確認していないがMステの放送中から深夜にかけて1位はずっと「#Mステ」だった。そのおかげでかろうじて2位にいた、という印象だ。1位も2位も大差ないが。

 

一部の方のツイートから始まりフライングとなってしまった「岡田さんの結婚」は、翌23日朝にはテレビでも話題になっていた。

大「オーマイガッ!」 である。

 

この日は奇しくも土曜日で、関西ではジャニーズ好きでおなじみの芸能レポーター・駒井さんが生放送に出演する曜日だった。このタイミングで駒井さんが関西にいらっしゃることになんとなく得したような気持ちになりながら、その発言が気になりチェックする。

出勤前の慌ただしいタイミングだったので言葉尻まではっきりとは覚えていないのだが、やはり「24日」というところに言及があり「28日まで待てばワイドショーでの報道を避けられたので29日発表にしたほうがよかったかな」といった旨のお話をしておられた。その言葉に「ですよね…」と心の中で頷きながら出勤した。

 

(ただ29日に入籍していたとしても長野さん(11月29日)・井ノ原さん(9月29日)と同じ日付での入籍になるため、それもまたひとつのXデー的トラウマを生み出しかねない、とは思った。)

 

 

12月24日にファンに報告する、ということ

さて、いよいよクリスマスイブである。

我が家に例のカードが届いたのは少し遅いタイミング、陽も沈んで辺りは暗くなった頃で雨まで降り出していた。

届くまでの間に不安になり、2日前に届いた家があるのなら逆に24日中に届かないパターンもあるのではないか、あるいは私は岡田准一が結婚しない世界へ迷い込んでしまったのではないか、もしくは……全部私の…妄想…?くらいまで思考を巡らせてしまった。

業務とはいえ日曜、それも雨の中配達してくれた郵便屋さんには若干の申し訳なさを感じる。

 

噂通り、一部界隈では「赤紙」という異名まで生んだ真っ赤な封筒。

おさめられたカードのオモテ面は白を基調に、クリスマスリースを思わせる円状のフレームがあしらわれていた。これは確かに、何も知らずに受け取っていたらクリスマスカードだと思ったはずだ。

 

そしてこの記事の冒頭に戻る。

厳かであらたまったような細いフォントで綴られたメッセージとそこに添えられた「岡田准一」の署名にじっくり見入ってしまったせいもあって、カードを閉じて目にした真っ白な裏面が突き刺さるようにひどくまぶしく感じた。

 

「いや必死で観察しすぎか!」と思わず心の中でつっこみながら苦笑してしまったのだが、ただ眺めていただけなのになぜか目をやられたこの現象はなんだか今回の発表の一連に通じるところがあるような気もして、妙に腑に落ちたような不思議な感覚になりながらカードを封筒に仕舞った。

手元に来るまで待ち時間が長かったこともあり、オモテ面の装飾が凝っていたこともあり、「裏面にも何かあるのでは?」と思ってしまった結果、どアップで真っ白な裏面と向き合って目をやられる始末。

 

このカードにはお相手のお名前や入籍日は記載されていなかったが、そちらはマスコミ報道により明らかになった。

それによると入籍日は12月23日だそうで、 より一層「なぜ24日にクリスマス仕様のようなかたちでカードを送付したのか?」という思いは強まる。

 

「クリスマスイブに結婚発表のカードを送った」ということ。今回はまずこの件がとにかく波紋を呼んだ。

 

私の感覚としてはもう「アカーーーーーン!!!!!」「よりにもよって!!」「オーマイガッ!」だったわけなのだが、これは「岡田さんの結婚」に対してというよりは「今後訪れるアレコレを危惧する感情」が先走っていたように思う。

 

結婚に関してはおめでたい話だと思う。いよいよ来たかという感じでもあったし、ついにカミセンから既婚者が…という感慨深さもあった。

 

しかし、それにしたって、クリスマスイブ

年間を通して考えても数少ないような世間がそれ一色に染まるイベント。それもその風潮によりどうしても恋人や家族の存在を連想させやすいイベント。街はどこか浮かれた気配を想像させる。

そこに日付を、さらには仕様を合わせてきたことに対する衝撃は大きい。

 

会費を支払いながらファンクラブに所属し応援しているファンに対して、真っ先に結婚を知らせること。それ自体の判断は決して悪いことではなくむしろ配慮のある措置になるはずが、こんなに残酷に見えてしまう。

どういった経緯で何を優先した結果この形になったのかはわからないが、配慮がないと取られても仕方ないと思えるくらいとにかく「クリスマス」と「結婚発表」の相性が悪すぎた。

 

ファンが「結婚に対して思うこと」はそれこそ十人十色で、それなりに肯定なり否定なりのニュアンスを心に抱えているのだろう。

問題はそれを抱えてこれから継続してファンをやっていけるかという心の整理であり、その答えは自分の中にしかない。

 

それを追求していくと、どうしても「ファンとしてのスタンス」や「ファンでいることの動機」であったり、ひいては「求めているものは何なのか?」という部分と向き合うことになる。

 

そういった部分を大きく揺るがす引き金になったのは、「結婚」ということよりは「12月24日」のように感じるのだ。

「結婚」というプライベートな一面には線を引いて割り切れたとしても、「発表」はファンに向けられた一面で、だからこそその行動の意味を重く受け止めてしまう。

「発表」は活動のひとつだ。

 

 

「"私"の中の岡田准一」はそれぞれで違う、ということ

岡田さん個人での活動はというと、すっかり俳優業が主軸となっている。

そんな中でファンは彼をどういう目線で見ているのだろう。これもまた複雑かつ微妙なところだと常々感じている。

「俳優さんがアイドルして踊ってる!」と感じる方もいるだろうし「アイドルなのに演技が上手い!」と感じる方もいるかもしれない。主軸をどこに感じようとも、あるいはその軸が都度変わって見えても、どれも間違いではないのだろう。

 

アイドル1年生とも言える初々しい時代から見てきた人もいれば、俳優・岡田准一からファンになった方もいるだろう。ファンとして積み重ねてきた時間の長さや入り口がどこかによってもかなり違うのではないか。 

そして現状ではそれぞれの目から見た「岡田准一」に、「結婚」「12月24日」がその最終形として、あるいは集大成とも言える結びつき方をしてしまう。

 

先日ジブリの立体建造物展を見たのだが、そこに展示されていた文章の1つ…ジブリ作品に登場する建造物への解釈なのだがそれが強く印象に残った。

おおまかに言うと「自分の周りにある変わらないものを見ることによって、変わらない自分を確認する」というような話だ。

 

変化していく世界の中に昔から知る変わらないものが存在し続けていることで、自分という存在も過去から連続性のあるものだ、と確認する。

懐かしいと感じる中にそういった心の安定を覚える。だから、懐かしい風景や景色にひかれるのだと。

朝目が覚めて、昨日と変わらない部屋の様子は昨日と今日の連続性を無意識的に感じさせている。

 

よく知っているようで決して知人ではない岡田准一さんの個人的な人生の節目は、芸能界に身を置いているからこそこうして公表される。

結婚というのは、「芸能人としてファンに世間によく知られている有名な岡田准一さん」と「華やかな世界に身を置きながらも普通に生活を営んでいる岡田准一さん」の連続性をはっきりと認識する、せざるをえない数少ないタイミングだ。

 

私たちがそれぞれに思う「いつもの」岡田さんにそういった連続性を持たせた時、受け入れられる人と受け入れられない人が出てくる。

残る人と去る人の差はその違いであって、だからこそこれは単に「結婚した」ということへの是非だけではないのだろう。

 

通常この連続性を受け入れることは強制ではない。

仕事は仕事でプライベートはプライベートと分けて考え割り切って応援できるならそれでいいのだが、直後の今はどうしてもそこに連続性を見出そうとしてしまう。一挙一動、一言一句に、あるいはその隙間に、意識的にも無意識的にもそれを探してしまう。どうしてもその連続性の中に、すべての答えがあると思ってしまう。

 

真意は岡田さんの中にしかなく、私たちの感覚や予想、推理はあくまで個人の感想だ。どれも正解と言えるし、あるいはどれも不正解なのだろう。

どこかの誰かに答え合わせをしてもらえば◯か×をつけてくれるかもしれないし、かろうじて△で部分点がもらえるかもしれない。でもひょっとして、そもそも正しいだとか間違っているだとか、そういう次元の話でもないのかも。

 

導き出した感情が、これまで連続して抱いていた想いをプツリと切ってしまう。

その途絶える瞬間はあまりにもせつなく、だからこそこの界隈で見かける「ファンを辞める」ことを切々と語る文章は誰かの心をしめつけるのだろう。

その悲しみを他に言い換えることは決してできないが、見慣れた街の風景が崩される時ひどく感傷的な気持ちになった時のような、何年も通った校舎にもう来ることはないのだなと思いながら教室を出る卒業の日のような、そんな思いを抱える。

 

 

私の中の感情と現状でのふわふわした結論のようなもの

そんなことをここ数日で考えながら、結局のところ自分自身の感情はどこにあるのかと探ってきた。

結論としては、これまでと変わらない。

というよりまだよくわかっていないのだ。だからこそこれからどうなっていくのか、その姿を見たいと思う。

 

私はとにかく「V6の岡田准一さん」が好きだ、ということはあえてはっきり述べておきたい。メンバーの誰かを抜きにしてV6は成り立たない。だからといって無理やり6人を揃えて並べられたとしても、それを成り立っているとは思えない。ような気がする。

 

スッキリ書き切ったのでもう触れることはないと思っていたのだが、岡田さんがアイドルとして反抗期を迎えていた頃の私の感情はこういったものだった。昨年書いた記事より。

そんな岡田さんを見ていた私の感想は「俳優という道を極める岡田准一」ではなかったのだと、今更ながら思う。

「岡田の反抗期」を体感して私が抱いていた感情は、きっと「アイドル業をおろそかにする岡田准一」、だった。

今だからこそそう解釈できるが、当時はそんな余裕は無かった。

というよりその感情を認めたくなかったのではないかと思う。

「HELLO」にはアイドルの切なさがつまっている - ループ ザ ループ。

この感情を経て距離を置きまた戻って来ることになった経緯がある。

それは間違いなく近年の岡田さん含むV6に魅力を感じたからなのだが、だからこそ戻って来るには相当な熱量が必要で、当時の感情を整理することが必要だった。そういう部分をまとめながらブログに書いているうちに何かと覚悟も伴ったのだと思う。今回のことで動揺しつつもそんなに軸がブレない理由はおそらくそこにある。

 

V6は今年デビュー22周年を迎えた。

めでたい・ありがたいと思いながらこれからもずっと続いてほしいと思う一方で、アイドルの寿命が延びることで足枷になりうる部分もあるのだろうな、とも思う。個人としてしっかりそれぞれの場所で活躍している姿を目にしていればなおさらだ。

 

それでも結局は、個人としても応援しているとはいえV6として揃ってアイドルしている時がいちばん好きなのだ。それは17年前から一貫している。余談にはなるが「箱推し」なり「グループ担」なりという言葉でグループそのものが好きという感情が概ね肯定的に捉えられている現在は生きやすく、幸せだなと思う。

 

これからも6人で隣に並びながらアイドルとしてファンの前に立つ岡田さんを見たいし、アイドルな面を持ちながら俳優として、俳優な面を持ちながらアイドルとして活動してほしいと思う。

 

12月24日…今回においては情報漏洩が22日、入籍が23日、カード送付が24日とばらつきはあるとは思うのだが、とにかくそのタイミングでこの界隈は結婚前/結婚後で分断され、空気が変わってしまった。

 

ように感じる。

 

はっきりと輪郭を捉えていないふわふわとしたものを、「変わった」と判断するのは自分の感覚でしかない。そしてそれは変わっていないことまで変わったように感じさせる。いかに自分の世界が、自分の感覚をもとに形成されているのかを思い知る。

 

岡田さんは、時に「よりにもよって」な行動や言葉のチョイスで私をざわつかせる。ざわつかせるといっても感情が乱され心に波風が立った状態というより、何人かが口々にお喋りをしてざわめきが起こっているような、そういうものである。

 

岡田さんからの結婚についての報告の文面にも、正直なところそんなざわめきを起こさせる類の表現もあった。

表に出す部分、見える部分だけでそこにあるすべての感情を正確には判断できない。それでもそういうところから物事は判断されいろんな解釈を生む。この時私の中に起こったざわつきは多分、文面から感じた岡田さんの「V6・ファン」への距離感から来たものだと思う。

 

24日、結婚が正式に報道されたると同時に森田さん・三宅さんからのコメントが発表された。

森田剛「ご結婚おめでとうございます。心から祝福したいと思います。どうか末永くお幸せに」

 三宅健「V6の末っ子にこんな日が来るなんて想像もしなかったです。とても嬉しく、また頼もしく思います。家族思いの岡田。きっと、守るべき者が出来たことで更に強く優しい男になるんだと思います。22年間たくさんの人に愛されて、支えられてきた僕たちですから、これからも感謝の気持ちを忘れずに一緒に歩んでいきましょう。本当におめでとうございます!」

岡田准一&宮崎あおい結婚発表に、三宅健「V6の末っ子にこんな日が来るなんて」、森田剛「心から祝福したい」即コメント発表 : スポーツ報知

森田さんらしい簡潔な言葉と、それと対象的に少々長めの文章で届けられた三宅さんらしい祝辞。

グループのファンとしては、この言葉でようやくひとつにまとまったような、そんな気さえした。個人でも活躍しそれぞれが1人で立てる彼らがあえてグループとして存在する中で欠けたピースを補うような瞬間があることは救いでもある。

 

三宅さんのコメントは、V6としてのこれまでとこの先の未来、岡田さんの結婚前の姿と結婚後の姿とを「変わらないもの」としてつなげるもののように感じた。当人に向けてのコメントながら、動揺が生まれるであろうファンにも向けられているようにも感じられる。

 

事実私が今回の報道の最中一番ホッとしたのはこのコメントを読んだ瞬間で、先にも書いた「連続性」についての話のとおり、「変わらないもの」が感じられたことで心が安定したのだろう。

 

長くなってしまったが、そういうところを信じながら私は今後とも変わらないスタンスで彼らを応援していこうという結論にいたった。

いろいろな意見を目にする中、いろいろな答えを導き出す方がいる中で、私の軸はそこに置く。ただそれだけの話だ。それ以上でも以下でもない。

これを結論としておくのはなんだかズレているような気もするのだが、書き始めた時からなんとなくしっくりきていないのだから何を書いてもどこか違う気がするのは仕方が無い。

ただ、しっかりと言葉にすることでどっしりと構えられるような、そんな気はしている。

 

2017年、V6はグループとしての活動も多くかなり充実した年になったのだが、まさかその締めくくりが岡田さんの結婚になるとは。まったく想定外の1年の締めである。

 

変わることと変わらないことの中で、2018年は果たしてどんな年になるのだろう。

道中で楽しく嬉しく笑えるような話題とたくさん出会える一年になればいいなと願うばかりである。

また、ここまで約10,000字あったというのに最後まで目を通してくださった方に対しては2018年がなんかちょっとイイことある一年になることを願わずにはいられない。特に効果があるとは思えないがとにかく願う。

 

自分の目線・感覚から決められる「変わる/変わらない」の判断。そこから生まれるいろいろな感情。

それによって物事を必要以上に歪めて見てしまわないように、あるいはそれを誰かに押し付けることのないようにしながら、来年も慎重にいろんな物事を見つめていきたい。

 

 

「君の名は。」の聖地巡礼したら東京のイメージが少し変わった

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2017年、「君の名は。」が好きすぎて生まれてはじめての聖地巡礼なるものを実行した。

もう半年も前の話になるのだがとにかく楽しく、昨年ブログに綴り損ねたので新年早々だが記事にしてみようと思う。

 

今回きっかけになったのは2017年6月4日に幕張メッセで開催されたアミューズ所属アーティストが一堂に会するフェス「Amuse Fes」の遠征だった。

どうせ関東に行くのなら、と聖地巡礼の予定などを詰め込み日程は2泊3日に。これから綴るのはその1日目と2日目、2日間に渡って東京都内の「君の名は。」聖地を巡った旅の記録である。

  

「君の名は。聖地巡礼」目次

 

 

須賀神社周辺

まず向かったのは「君の名は。」聖地の中でも一番人気であろうラストシーンで登場する四谷・須賀神社

丸ノ内線の四谷三丁目駅で下車し、まずは周辺に点在している劇中登場風景を回収しながら向かった。

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終盤で瀧くんが走る三叉路。

三叉路の分かれ目中央にはポストがあるのだが、これも一瞬登場する。

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ポストを撮影しながら「盛れてる!」と思ったくらいこれが一番登場シーンに寄せて撮れている気がした。

ポストに対して盛れてるとは。

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こちらは高校生三葉が瀧くんを探すシーンで登場する十字路。写真奥へ進むと須賀神社の階段がある。

ちなみにこの写真を撮影した立ち位置近くには聖地巡礼者の間で話題になっていた自販機があった。

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ポスターの中の矢印のあたりがこの自販機の置いてある位置にあたる。

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聖地巡礼者向けのMAP。過去作品含め点在する聖地を写真入りで紹介。網羅っぷりがすごい。

 

そしていざ須賀神社へ。

平日の午前10時半頃、聖地巡礼をしていたのは私以外に外国人観光客が1組。

男3人で瀧役・三葉役をたてながらキャッキャしつつ写真を撮っていたのだが、いかんせんカメラマン役のこだわりがすごい。大きなカメラでアングルや立ち位置を整調整しながら何度も何度もシャッターを切っていた。

その様子をカメラマン役の後ろから眺める私は、さながらマネージャーのような立ち位置である。順番待ちのつもりでそこにいたのだが三葉役の彼が途中からすごく恥ずかしそうにしていてなんとなく申し訳ない気持ちになった。

 

数日前、有吉さんが須賀神社での写真をツイッターに載せていたがまさにこんな感じに仕上がっていたのではと想像する。

 

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階段下から。 

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階段途中、瀧と三葉がすれ違う場所。

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キービジュアルにも使われている。

 

この場所に実際に立ってみて「なるほど」と思ったところも多い。写真奥に向かってなかなかの坂道になっているところもそのひとつだ。坂道になっているからこそキレイに道の奥行きが出ているのだが、知らなければ案外わからないものである。

 

ちなみに私が行ったのは2016年6月2日(金)だったのだが、一番最初に須賀神社へ向かうことにしたのは理由がある。

実は、須賀神社は6月第1週に例大祭が行われる。この日夜の宵宮(前夜祭)にはじまり4日間に渡って祭り仕様となるため、実は階段上のすぐ横、須賀神社の境内はたくさんの屋台が組み立てられている最中だった。

閑散とした状態で聖地巡礼したい方はご注意を…と言いたいところだが、逆に遠征がこのタイミングにちょうどぶつかることのほうが奇跡的である。

 

四谷駅

続いて向かったのは四谷駅。瀧くんと奥寺先輩が待ち合わせしていた駅だ。

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瀧くん(中身は三葉)が迷っている背景に登場するアングル。

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奥寺先輩とのデート、走ってきた瀧くんが息を上げながらたどり着いた四谷駅前の階段。そして壁。なんてことない風景にも「同じ!」とテンションが上がってしまうあたりマニアというかオタクというか…である。

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大人になった瀧くんと奥寺先輩が待ち合わせして落ち合った場所。最後までアングルがよくわからずなんとなく雰囲気で撮る。

後日発売されたディスクや美術画集と照らし合わせたところかなりズレていたようなのでいつかリベンジしたい。

 

瀧くんのバイト先

四谷駅から新宿御苑前駅まで移動し次に向かったのは瀧くんたちのバイト先のモデルになったお店、「カフェ ラ・ボエム」の新宿御苑店。

ドラマなどのロケでも使われているらしく「失恋ショコラティエ」や「ラヴソング」でも登場していたそう。

ゆるくドレスコードがあったり夜は20歳未満は入店の制限があったりするので、さぞかしお高いんでしょう…?と思いきや、ランチはリーズナブル。

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外観。

気合いを入れて開店15分前に到着したのでまだ待ち列もなし。開店する頃には私含め4組ほど並んでいて、店を出る頃(開店後1時間くらい)には席は埋まり待ち列ができていた。

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入り口。

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ランチメニューはこんな感じ。

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入店時に水か炭酸水を選べる。

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普段こういう店に行き慣れていないのでちょっとしたことでオシャレ!と騒ぎたくなるわが心が憎い。

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瀧くん(中身三葉)が駆け下りていた階段。

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外装も内装もオシャレで、店員さんもシュッとした出で立ちだった。自分の場違い感がすごい。颯爽と、さも当然!とばかりに風を切るように入店できればよかったのだが田舎モノ気質がそうさせてはくれない。困ったもんである。

 

信濃町駅前・歩道橋〜明治神宮外苑

劇中で何度も登場する歩道橋。ここも人気の巡礼スポットになっている。

大江戸線の国立競技場駅から歩いて向かう道中、工事中の国立競技場が視界に入る。そこにいくつも大型クレーンが立っていてハッとした。

劇中にも大型クレーンのカットがあった。特にストーリーと密接に関わるわけではないのだがなにかを象徴していることを思わせるように印象的な描写で、記憶に残った。

 

2020年の東京オリンピックに向け準備が進む国立競技場。そこで大型クレーンを見たというだけなのだが、高校生の瀧が過ごしていた東京の街は確かにここでこの時代なのだ、とよりリアルに感じられてしまうから不思議である。

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歩道橋の上。平日の昼14時くらい。人通りはあれど閑散としていたので人の映り込みなく撮影できた。

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歩道橋からの眺め。正面遠くに見えるのは六本木ヒルズ。

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特報などでも使われていたドコモタワー遠景。アップにしてトリミングしているが実際はこう撮っている。

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遠い。

 

続いて瀧・司・高木の下校シーンで登場する場所へ。

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ここもかなり再現性の高い場所でビアガーデンの看板まで一致することに感動した。奥に見えるのは聖徳記念絵画館。

この写真を撮った場所、後ろを振り返ると神宮外苑のいちょう並木だった。

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ここも撮影などに使われているためテレビの中でたまに見かける場所である。

一度行ってみたい場所でもあったのだが把握しないままたどり着いたので、自分の意思で足を運んだにもかかわらず謎のサプライズ演出が実現した。 

また別件だが、この数ヶ月後に発売されたV6のアルバム「ボク・空・キミ」のMV撮影場所としても使われていてさらに驚いた。その後知ったのだがどうも私が足を運ぶ数日前に撮影していたようだ。そういう意味では意図せずして最速で別の聖地巡礼もかましていたことになる。

 

早朝の飛行機で東京に来たこともあり、暑い中を歩き回ったせいもあり、この時点で強烈な眠気におそわれていたのでいちょう並木の間に設置されている日陰のベンチでウトウトと休憩する。

平日にベンチでうとうとする幸せ。平和か。

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イチョウ並木を抜けると、芝生にいたほぼ全ハトが暑さのせいか日陰にいて吹きそうになった。ハトも私も似たようなもんである。

他の予定もあり、1日目の聖地巡礼はここで終了した。

 

国立新美術館(ミュシャ展)

そして2日目。この日のメインイベントは国立新美術館で開催中のミュシャ展だった。

遠征とミュシャ展の開催期間が偶然にも重なり、これは絶対に行かねば、と予定に組み込む。さらにこの国立新美術館も「君の名は。」の聖地のひとつ、瀧くんと奥寺先輩のデートした場所なので一石二鳥の聖地巡礼だ。

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このミュシャ展、残り数日で終了するとあって盛況っぷりも凄まじかった。実は混雑状況によっては1日目の予定に組み込もうとも思っていたのだが、平日昼間でさえ待ち時間が2時間超え。

あきらめて翌日開館前から並ぶことにしたのだが開館1時間前についた時点で長蛇の列、最後尾は1時間待ちだった。

開館1時間前についたのに1時間待ち。もはや何が何やら。

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今回注目されたのはなんといっても全20点で構成される「スラヴ叙事詩」。撮影可能だったので思う存分写真におさめたがあの感動は写真では表現しきれない。

写り込んでいる方の後ろ姿と比較していただきたいのだが、まずその大きさに圧倒される。当たり前だが拡大してプリントされたとかではなく、人間がこの大きさの絵を手作業で描いているのだ。

それが20枚。美しいだとか凄まじいを通り越してゾッとする。

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もうとにかく館内は混雑しており正直聖地巡礼どころではなかった。

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写真の円錐状になっている部分が、劇中で登場したカフェである。

 

新宿周辺

昼過ぎに国立新美術館を後にして新宿へ移動。

向かったのは「前前前世」の曲に乗せて展開されるタイムラプスで登場する、新宿警察署裏交差点。

ここも人気の巡礼スポットと聞いていたのだが土曜昼で私以外の巡礼者なし。拍子抜けのあまりずっこけそうになった。

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劇中では魚眼レンズに近いレイアウトで描かれている。

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裏側から見た交差点。円形の信号がどういうことなのかよくわかっていなかったが、実際目にして都会の象徴のようにも感じた。

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こちらはエピローグ、雪が降る中で大人になった瀧と三葉がお互い気付かずにすれ違う歩道橋。

写真右の建物は損保ジャパン日本興亜本社ビルだ。

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この中には東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館があり「名探偵コナン業火の向日葵」で登場する。ということでこちらはコナンの聖地として巡礼してきた。ゴッホのひまわりを眺めながら例のベンチにこしかけじっくりと鑑賞。

 

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そして「君の名は。」巡礼、ラストはタイムラプスで登場したユニカビジョン。

 

 

あとがき・聖地巡礼して感じたこと

「君の名は。」で描かれる東京は、三葉が住むど田舎・糸森の町とは対照的だが都会的に美しい景色として描かれている。そしてその都会での暮らしが、瀧の日常だ。

 

「東京」という言葉に私が思い浮かべるのは、ビルが立ち並び人々が観光に訪れる人気スポットがあり常にたくさんの人でごった返すような、「人の暮らしが息づいている」とは程遠い景色だったりする。

テレビを通して眺める大都会・東京にたくさんの人がひしめく姿を想像するのは容易なのだが、そこに人の暮らしが息づいていることが案外ピンとこない。

 

さすがに今となってはそんな幼稚なことを思わないが、子供の頃は「あんなにビルが建っている都会に人は住んでいない、住むところがない」となんとなく思っていた。

「じゃあ東京の人はどこに住んでると思っていたのか?」と問われれば答えようもないのだが、逆にこちらが「どこに住む場所があるの?」と聞きたいくらい、とにかく感覚的に、人が住んでいる場所ではないと思っていた。

 

東京に暮らす瀧の生活も、「実際にある大都会の中に、作品の都合上ポンと投げ込まれた架空のもの」という前提が心の奥底にあったような気がする。 

それはそれで違和感なくこんなにも感動させられているのだからまったく問題はない。リアリティだけがすべてではないし、引き込まれるストーリーや描写さえあればそこにしっかりと感動は生まれる。

 

聖地を巡ってみて気付いたのだが、よく考えればこれまで私は東京の街中、人の暮らしがあることを確かに感じさせるような風景を歩いたことがなかった。東京に来て足を運ぶのは常にネットや観光誌の情報からチョイスした人気スポットの類ばかりだ。それだけでも数が多く、東京の選択肢の多さに逆に疲れたりもする。

 

今回行った場所、たとえば須賀神社。

周辺を歩き回り例大祭に向け準備している人や、数日後に担がれる神輿が置いてあるのを見かける。平日昼間の人通りも少ない住宅街を歩くうちに、価値観が少し変わった。これは結構な収穫だった。

須賀神社の所在地は新宿区である。東京とかけ離れた場所で暮らす私の中の「新宿」のイメージは「歌舞伎町、歓楽街、物騒、怖い。」くらいに極端で、やっぱりこのイメージも人々の暮らしとはかけはなれている。

 

頭で理解していても実際に歩いてみないとわからない。新宿区内でありながらこんなに落ち着いた風景もあるのだ。東京の街で暮らす方にとってはたぶんこの価値観からしてもう田舎者丸出しになっているだろう。お恥ずかしい。 

それでもやっぱり私にとっての東京は、実在すると理解していながらたまに「もしかしたら実在しないのでは?」と思ってしまうくらいに遠いのだ。

 

そんな東京を改めて「聖地巡礼」という名目ではあるが「人が暮らす場所」としてしっかり見て回った。

聖地巡礼といえど所詮アニメーション映画に登場する架空の人物の話ではないか、と思えばかなり説得力が無く聞こえるだろう。

それでも瀧の生活圏を実際に自分の足で巡ってみて、実在する東京の風景の中にしっかりと「人が住む東京」を疑似体験したような、不思議な気持ちになった。これも瀧と三葉の中身が入れ替わることで「他人の日常を体験する」姿を描いたこの作品ならではといえるのではないか。

 

点在する聖地のどれもが高校生である瀧の生活圏内に集中しているため、巡礼する側としてはコンパクトにまとまっているのも嬉しい。

そして、各スポットを実際に訪れ作中と同じようなアングルで写真を撮ることも楽しかったのだが、実在する各スポットの「距離感」を体感できたのもいい経験だった。

 

エピローグで瀧と三葉が走る東京の街の風景は実在の場所をモデルに描かれているのだがその配置も忠実で、登場する一瞬のカットも含めてそれぞれがどの電車に乗りどの駅からどう須賀神社にいたったのか、という経路を検証する方が出てくるほど現実に沿っている。 

電車や徒歩での移動を繰り返し地図を見ているにもかかわらず迷うという方向音痴っぷりを発揮した私は、街中でお互いを探し走る瀧と三葉の様子をちょっとだけなぞることができたような気分にもなった。疲労感は増したが結果オーライだ。

 

東京に土地勘が無い私は、この聖地巡礼で東京のイメージが変わった。

それもこれも「君の名は。」が好きすぎるからで、もしこの作品に出会っていなければ、聖地巡礼してみたいという衝動がなければ、こんな風に東京の街を歩くこともなかったかもしれない。

動機を与えてくれたこの作品に感謝するばかりである。

 

 

この聖地巡礼後に美術画集やディスクが発売されたので資料も増えた。

新海誠監督作品 君の名は。美術画集

新海誠監督作品 君の名は。美術画集

 

美術画集にはキャラクターが一切登場せず、作品中の美しい背景・景色のみが掲載されている。数多くのグッズを購入してきたが、さすがにいよいよここまで来たかと思った。

 

時間の制限もあり探しきれなかった聖地や追求しきれなかったアングルもあったので、これらの資料を参考にしながらまた機会があれば挑戦してみたい。

 

機会があればなんて言っておきながら、根拠なく次回があることを実は確信している。

 

 

 


2017年V6のコンサート会場でスタッフをされた方からコメントをいただいた話

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昨年、V6コンサートの銀テープ事情について書いた。

2017年のツアー中各会場で繰り広げられた銀テープシェアの様子をまとめつつ、実際にシェア精神に乗っかってみた体験について綴った。

 

先日、この記事を読んだ方からコメントをいただいた。

「どうしてもお伝えしたいなと思うことがあって連絡いたしました。」

というところから始まるその文章に、一瞬「怒られるのかな…」とちょっと身構えた。基本的に石が飛んでくることを恐れながら生きているためすぐに言葉でぶん殴られるのでは、という最悪の事態がよぎるのは悪い癖である。

読み進めてみるとまったくそんなことはなく、むしろその逆だった。

 

コメントをくださったのは昨年行われたV6コンサートツアーの、とある会場でコンサートスタッフのバイトをしたという方だった。

コンサート・イベント関連の会社で数年バイトをしているそうなのだが去年はじめてV6の現場に携わったとのこと。

その内容は私1人がひっそりと噛み締めて嬉しがるにはもったいなさすぎるもので、ぜひブログに書きたいと思いお願いしたところご快諾いただいた。(改めて掲載許可ありがとうございます!)

 

ご厚意で掲載させていただくにあたりご迷惑がかからないようにするためにも、前置きとしてこれはすべての会場・公演にあてはまるわけではないということはしっかりと述べておきたい。

「とある会場の一例として受け取ってもらえたら」、とのことなのでどうかそれを念頭におきながら読んでいただきたい。

 

 

  

銀テープシェアの裏側

ここからはいただいたコメントを引用させていただきながら話を追っていく。

ジャニーズのコンサートでも何度もお仕事していますが、去年初めてある会場でV6のコンサートのスタッフを経験しました。

今までジャニーズの仕事では銀テープは配らない・触らないという注意事項がありました。「1本ください」「あそこのとってください」という声に応えてしまうと不平等で揉めてしまう・不快な思い出になってしまうということでした。また、グループによっては「この瞬間はかなり危険なので走り出す人、怪我をしてしまった人がいないか十分に気をつける」というような注意もありました。

 

V6の運営は「基本は見守りつつ、銀テープを配るお手伝いを」と伝えられ、通常のように警備につく人・銀テープを集めて列の端の人に適当な束で渡す人・(V6の場合通路等に落ちた物を拾いに来るファンはいないから)触れられなかったテープを一斉にかき集めてスタンドやアリーナ後方のファンに運ぶ人という割り振りまでありました。

通常の会場内人数では足りないので、発射時間の前に銀テープを集めるためのスタッフがスタンバイもしました。

 

実際に1人1本とって回したり、ロビーなどに銀テープを置いてくようなシェアの方法を目にして、初V6スタッフだったバイトたちはみんなびっくりしていました。控え室でもその話でもちきりでした。

皆さん謙虚に1本ずつだったため最後アリーナ内にテープが余ってしまいそうだった時には「スタッフさんもどうですか?」とファンでない私にまで配ってくれようとする方までいました…!

注目したい点はいくつもあるのだが、まずはスタッフさんにまで銀テープを配ろうとするシェア精神の権化のような方がいらっしゃったことが微笑ましくてうっかり笑ってしまった。

逆にお仕事中にご迷惑だったのでは…?と少し不安になり返信で触れたところ、

ファンなら絶対欲しいはず!いくつあっても嬉しいはず!な、銀テープをスタッフに配ってくれようとする姿勢に私もびっくりしながら少し笑ってしまいました。

人が少なくなってきたアリーナで余ってしまいそうになったテープはとあるファンが「ロビーとか外なら欲しい人いるんじゃない?」と言いながら持って行ってくださったので、会場の外でより多くの人の手に渡ったのではないかなと思います(^^)

優しいお言葉にホッとするとともにその光景を想像してまた微笑ましい気持ちになった。

 

仕事中の注意事項についても書いてくださっていたのだが、銀テープについてまとめるとこうなる。

V6の運営の方針は「基本は見守りつつ、銀テープを配るお手伝いを」

その中でもいくつか役割分担があり、

・通常のように警備につく人

・銀テープを集めて列の端の人に適当な束で渡す人

・(V6の場合通路等に落ちた物を拾いに来るファンはいないから)触れられなかったテープを一斉にかき集めてスタンドやアリーナ後方のファンに運ぶ人

通常の会場内人数では足りないため、発射時間に合わせて銀テープを集めるためのスタッフがスタンバイしている

今回のツアーでスタッフさんが銀テープを渡してくれた、という内容のレポートは何度も目にした。その様子からもスタッフの方が「銀テープを配る」べく動いてくださっているのは知っていたのだが、こうしてお話を伺うとより一層その有り難みをずっしりと感じる。今一度スタッフさんに感謝したい気持ちでいっぱいになった。

 

とはいえ結果的に「そのために、そのせいで仕事内容を増やしてしまっている」とも思ってしまう。大きく感謝すると同時に小さく申し訳なさも感じてしまった。

銀テープ配布要員のスタッフが配置されていたことは仕事が増えるという印象ではなく、「こういう対応を可能にしてる現場ってすごい!」という驚きが1番でした。

銀テープ発射時に危険に目を配り緊張しているよりも、スタッフとしても幸せな仕事内容だと思います。なので、「そのせいで仕事を増やして…」と思わず存分にコンサートを楽しんでもらえたら嬉しいです。

 

また、こういった対応は各地の運営会社の一存で決めることではないので、 コンサートの中核にいるV6側のスタッフから申し送りがあったのだと思います。

 V6ファンはスタッフからも信頼されているんだなぁと感じました。

こんな光栄な文章をいただいてしまっては、もはや私一人の手には負えない。

私だけが受け取るわけにはいかず、かといって「私たちすごい!」と自慢するのもなんだかおかしい。とはいえ「V6さんおめでとうございます!」と言うのも少しズレているような気がする。では逆に「V6さんありがとうございます!」なのか、「V6さん側のスタッフさんありがとうございます!」なのか? 

何が何やらわからなくなってきたがとりあえず嬉しいのだから仕方ない。

V6とその運営側、そしてV6を目当てに集っている我々の様子を見てそんなふうに感じてくださった方がいらっしゃるのなら、これはもうひたすらに嬉しく、喜んでいい話なのではないか?というところに落ち着いた。

 

ジャニーズコンサートにおいて、「スタッフが銀テープを配らない・触らない」が徹底されている、という話は以前にも伺ったことがある。(→コンサートスタッフさんに気になるアレコレを質問してみた - ループ ザ ループ。

 

ジャニーズの仕事では銀テープは配らない・触らないという注意事項がありました。「1本ください」「あそこのとってください」という声に応えてしまうと不平等で揉めてしまう・不快な思い出になってしまうということでした。また、グループによっては「この瞬間はかなり危険なので走り出す人、怪我をしてしまった人がいないか十分に気をつける」というような注意もありました。

この文章を読んでいて「そうか、もし怪我した人が出たらその対応までスタッフさんがすることになるのか」と想像した。たとえばそれがファンが自分勝手に暴走した結果だとしてもスタッフさんはケアしないといけないわけで、そんなところまで見てくださっているのか…ということが急にリアルに感じられる。

 

V6の銀テープ事情について話をするとどうしても流れとしてジャニーズの他グループと比較するような形になってしまう。同事務所でありコンサートの運営もやはり似ているわけで、必然的にそうなってしまうのはなんとも複雑だ。

でもだからこそ逆に、V6現場のこの話は希望でもある、と考えたい。

「ジャニーズだから無理」ではなく、銀テープを配っても混乱が起きない環境さえつくり出すことができれば、これは実現可能な話なのだ。

 

そして気になっていたこんなことも質問させていただいた。以下送信した文章より。

コンサートが行われていた当時、ファン界隈のツイッターでは「スタッフさんが銀テープを配りに来てくれた!!」という言葉をいくつも見かけたりそれがじんわり拡散されたりしていたのですが、実際に走り回ってくださっていたスタッフさんには届いていたのでしょうか…?遅ればせながら、あえて「その節はお世話になりました!」と添えさせていただきたいです。 

単なるいちファンにすぎない奴がこういうことを言うのは我ながら「貴様代表気取りか?!」と小っ恥ずかしくもある。

それでもこうしてご縁をいただいたからには小っ恥ずかしさなんて捨て置きたいのだ。湧き上がってくる感謝の気持ちが第一で、小っ恥ずかしさ氏との対談は後々のたうち回りながら行うことにする。

私は今まで参加したコンサートについてエゴサーチしたりすることがなかったので、スタッフのことまでファンの方が見てくれているのは今回初めて知りました!(運営に関わる上のスタッフは見ているんじゃないかなあと思います)

ファンの方はよく見てくれているのだなと嬉しくなりながら、これからも気持ち良くコンサートを楽しんでもらえるように頑張りたいと思いました。

いただいたコメントはどこもかしこも「こちらこそ!」と返したい言葉ばかりだった。

私ができることと言えばマナーを守ってご迷惑をおかけしないようにコンサートに参加することくらいしかない。実際に現場でお仕事をする方からの心強いお言葉に感謝しながら、今後もつつましく楽しみながらコンサートに参加させていただきたい。

 

最後に、いただいた中で一番嬉しかった文章をお届けする。

銀テープだけでなく、私にとってあのバイト期間は「V6のファンってすごいな」と思うことが何度もありました!

はまさんのブログを読んで、「下っ端アルバイトだけど V6ファンに惚れたスタッフがここにいるんだよー!」と伝えたい気持ちが抑えられず、長い文章を送ってしまい申し訳ありません。

素敵なブログを読んでほっこり幸せな気持ちになりました。ありがとうございました。 

はじめに前置きした通り、この話はあくまで「とある会場の一例として」のお話だと受け取らなければならない。

それでも、確かにそこでこんなふうに感じてくださるスタッフさんがいたのだ。丁寧に綴られた文章には伝えようとしてくださった想いがたくさん詰まっていて、こちらこそとてつもなく幸せな気持ちになった。 

 

 

 

ブログを始めてから本当にいろんなことが起きる。

記事を書くことでこうして思いもよらないご縁が生まれるのもその1つで、予想外の展開に誰より自分自身が一番びっくりしている。

 

2017年のV6コンサートツアーにおける「銀テープシェア」は今後のためにも記録としてしっかり残しておきたかったこともあり記事にしたのだが、まさかそこからこんなご褒美のように素敵なコメントをいただくことに繋がるなんて当時の自分に想像できるわけがない。

 

インターネット上に文章を置くことでこんな素敵な事も起こりうるのだなあと思い知りながら、2018年もちゃんと書き残していこう、と決意を新たにした。

 

 

 

昔のラジオ音源をカセットテープからパソコンに移す日々

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最近ひたすら昔のラジオ音源をカセットテープからパソコンに移している。

カセットテープ自体が場所も取るしなによりテープの劣化が心配で、以前から「いつかはやらないと…」と思っていたのだが、このほどようやく取り掛かることにした。

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目次

 

 

MP3変換プレーヤーを使ってみた

音源を取り込むにあたり方法を調べたのだが、手っ取り早く簡単に変換できるというこちらを購入することにした。

お値段3,480円。(2016年6月18日現在)

安い。あまりにもお安いので少し不安を覚えつつ購入した。

自分自身も買う時にいろいろと悩んで最終的には勢いで購入したので、電気製品に疎い者なりにレビューしておく。何かのお役に立てれば。

 

まずはこちらをご覧いただきたい。

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「えええ、質素ー…」と対面した瞬間心のなかで言った。少し不安を覚えるパッケージである。

 

箱を開けると中身はこんな感じ。

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プレーヤーとUSBケーブル、ソフトウェアのCD-ROMと説明書。以上。

 

ソフトウェアはWindows対応のもので、私は不使用。

この機器を使い、カセットテープを再生しながらパソコンに音源を取り込んでいく。

 

一応操作ボタンのアップも撮ってみた。シンプル。

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不安要素があるとしたらこのパカッと開く部分だろう。

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蓋というかカバーというか、これが心もとない。

普通にやさしく扱えば問題なさそうだが、扱っていくうちに雑になりそうで、やさしくやさしくと肝に銘じながら取り扱う日々だ。

 

頼りないところはあるが、今のところラジオ音源を変換する分にはなんら問題はない。

というか、これまでそのすべを持っていなかった者からすると音源化できるだけで御の字

文明は進んでいる…!と感動している。時代についていけてない。

 

 

 

ラジオ番組を録音して見出しをつけていた暇人の話

ようやく重い腰を上げデータ移行へ動き出したきっかけの1つはこれである。

「いや漢字で書けよ!」というツッコミは自分自身が一番感じているので何卒ご容赦願いたい。

 

詳細は覚えていないが、もう大体内容の想像がついてしまうのが三宅健という男のすごいところである。

誰が投げても曲がるボールが三宅さんが投げるとなぜか曲がる、という話なのだろう。まだ中身を確認していないので確認後追って報告したい。

 

こんな感じで、保存したカセットテープのいくつかには自分で記入した見出しが書かれていた。

いかに私が時間を持て余した中学生だったかがよくわかる。

 

しかしながら、これが2016年の私にとっては非常にありがたい。

もちろん実際に聞いてみるとここには書ききれなかったのか他にも珍事が巻き起こったりもしているのだが今の私にはこの見出しは新鮮だ。

それでいてツボはあまり変わっていないのでチョイスがなんと私好みなことか。

今となっては「なんで全部のテープに書いておかなかったんだよ!お前暇だろ!?」と過去の自分を叱責したい。

 

このラジオというのはV6が毎週3人ずつ(のちに2人ずつに減るが)出演していた22時から2時間生放送されていた関西ローカルラジオである。

どんな番組かというと以前に書いていたのでこちら参照。

とにかくもう私が好きで好きでたまらなかった番組だ。

 

 

たとえば、この放送回の見出しをさらして言及してみる。

2001.9.11 MBSオレたちやってま〜す(長野・森田・三宅)

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三宅さんの奔放さが際立つ2001年9月11日放送「MBSオレたちやってま〜す」。

 

軽くコーナーを説明しておくと「おくちに出してよ」はムチャぶりお題におもしろ回答で答えるというコーナー、「WAになってしゃべろう」は久本朋子さんが席を外してV6のメンバーのみ男性リスナーのお便りでトークをするコーナーである。

この回は途中で特番が入り放送時間が縮小。日付を見てお分かりの通りアメリカ同時多発テロが起こったのがこの日、この時間帯だった。

末にある「カミセンミュージアム」はまた別番組で、カミセン3人が登場し10分という短さではあったが月〜木まで放送されていた帯番組。

 

ここから見出しに沿ってお伝えする。

◆「健くん、最初からまちがってます…。」

番組冒頭から番組名およびコールの仕方を間違う三宅さん。

番組名も微妙に変わっていったので仕方ないといえば仕方ないが(「オレたちXXXやってま〜す!」から「MBSオレたちやってま〜す」になったり)それにしたって。番組名大事。

 

◆「健くんのムカつく話」

「ムカつく話」をなぜ見出しに書いたのだろう?と思って聞いてみると三宅さんが炸裂していた

先に言っておくがただただ三宅健がプンスカしていてその様子に爆笑する3人という和やかなムードのお話である。

三宅「こないだね、うちのばあばのうちに行ったわけよ。駅で写真撮られたの。『すいません写真撮らないでください』って言ったの。そしたら最初なんか……ちがう、最初来たんだよ!『写真撮らせてください』って。『ダメです』って言ったんだけど、振り返った瞬間に撮ったの。んで『写真撮らないでくださいって言ってるじゃないですか!』って言ったら、『別にファンでもねーのによ!』って。撮んじゃねーよ!!!

長野「(笑)とりあえずだ(笑)」

三宅「すっげーむかついた!」

久本長野「(爆笑)」

三宅「このっ…このっ、娘がっ!と思って。」

久本「(笑)」

三宅「この小娘!と思って。ファンじゃねーんだったら撮んじゃねえこのやろー!」

全員「(笑)」

三宅「フィルム出せこのやろー!!」

全員「(笑)」

三宅「したらまたねえ、口が減らないんだよこれが。『いろんな思い出が入ってるんで』って言って。」

全員「(笑)」

森田「そいつ相手にするからだよ!(笑)」

三宅「すっげーむかついた!でちょっとねえ、ちょっと駅の中で大変なことになっちゃってねえ、いろんな人に囲まれたの(笑)」

長野「(笑)バレちゃったバレちゃった」

三宅「『あれ三宅くんじゃないの?』

長野「『目立ってるわ、絡んでるわよ』(笑)」

三宅「うちのばあちゃんが駅に迎えにきてて『ほら!ほら!早く来なさい!』つって(笑)おばあちゃんに…助けてもらって(笑)」

全員「(笑)」

長野「『うちの孫がすいません』つって(笑)」

全員「(笑)」

久本「隠してもーて(笑)」

三宅「まあ、そんな厄介がありました…」

長野「(笑)お前おもしろいな!!」

三宅「いや俺ほんとむかついたんだよ」

長野「今の聞いて声かける人いっぱいいると思うよ、逆に(笑)」

三宅「すっげーケンカしたんだよ」

長野「『三宅に声かけるとおもしろい』って話になって」

全員「(笑)」

(次の話題へ移ろうとするもじわじわおもしろくなったのか、三宅さんがハガキを読み上げる隣でボソボソ喋る森田長野)

森田「「ケンカしたんだよ」って…(笑)「ケンカした」って、ケンカすんなよ(笑)」

長野「『撮んじゃねえよ!』(笑)」

森田「女の子に…(笑)」

内容をまとめると「2001年、三宅健が写真を無断で撮られて怒った話」である。

15年後、今の私も「おもしろいなー、これを見出しの1つに置いているあたりやっぱり私のツボ変わってないなー」なんてのほほんと思っていた。

 

偶然にも「2016年版・三宅健が写真を無断で撮られて怒った話」、文字起こししてた。

 

人間の笑いのツボというのは時間を経てもあまり変わらないらしい。

ブレない自分にゾッとした。とはいえ過去と現在の同じ話題を比較できたので結果オーライ…と言っておきたい。

時が経って対応が大人になった姿と相変わらず奔放な姿を垣間見ることができた。

 

◆「顔のことで言われてショックだったこと」

 

つぶやき損ねたが長野さんがさらっと「"鼻がでかい"とかは普通だしなぁ」とつぶやいていたのも笑った。それ普通なの?みんなあんまり言うてなくない?

それと眉が薄い、と。

ライトが当たると眉が無いと言われたことがある、とのこと。

 

なんと言えばいいのだろうか、下手くそに訳すなら「私たちは心のどこかでそれをわかってはいましたが、私たちの多くはあえてそれを口にしません。」というところだろうか。

それを長野博自身がさらっとぶっ込んできたものだから私の心は翻弄されっぱなしだ。

忘れてはならないがこれは2001年の話で今は2016年である。時をこえて翻弄されている。

  

◆「健くんは超気分屋。」

長野「お前食いしん坊だもんなー」

三宅「食いしん坊じゃない!」

長野「人の分まで食べるもんなー」

三宅「んなこたない!」

森田「あっ!こいつこの前!」

長野「うん」

三宅「何?」

森田「人のこと焼肉に誘っといて『やっぱ行かない』とか言って。

長野「(笑)」

森田「ひどくねえ?」

三宅「なんだよそれー!」

森田「飯食いに行こうって話になって、『焼肉がいい』っつって。」

長野「言ってた言ってた!(笑)」

森田「で『お前おごってよ』って。そしたら『ああ俺おごるよ』

長野「言ってた言ってた」

森田「で俺がイノッチに『健なんか今日焼肉行くらしいから一緒に行こうよ』って言ったら『行く行く!』つって。3人で行くって話になったら急に『やっぱ行かない』って。」

三宅「(笑)」

長野「それは何、増えたから?」

三宅「井ノ原よけいだった。

長野森田「(爆笑)」

長野「井ノ原だったんだ、他の人だったらいいの?」

三宅「そうそう」

長野「俺もさあ一緒に仕事、終わって帰るときに今日飯食いに行こうかなって話になって『もしも行くなら誘って』って言って(たから)、電話したんだ。

タクシーでワンメーターくらいの場所なの。ほいで『長野くん何で行くの?』『車。』って言って。『ふーん…』って言われてさあ。『お前はタクシーでくる?』って『んー…迎えに来てくんないの?』

森田「(笑)」

長野「『あぁ、だって近いからさーそのまま来いよ。』まあ帰りは送ってあげようと思ってたんだけど。『うん直接行くよ』って言ったら『あー…今日はやめとこうかな…』

森田「(笑)どんな気分屋だよ!!

三宅「(笑)」

長野「誘ったんだよ俺(笑)電話して」

森田「こいつからでしょ!?」

長野「そう!『行くなら誘って』って言われて電話したわけだよ俺。」

三宅「(爆笑)そんなこともあったね(笑)」

長野「あったろ(笑)」 

気分屋というか自由人というべきか。

 

余談になるがこちらはアルバム「HAPPY〜」の大阪キャンペーンで出演していたラジオ音源を聞いた時のつぶやきである。

昔から自由な方だなあとは思っていたが、 年を重ねていない頃の若かりし自由具合もすごかった。というよりひどかった。

現在「三宅健のラヂオ」をやっておられるが、その奔放さについては以前書いた。 

若かりし頃の音源を聞いたあとだと「三宅健のラヂオ」がまた違って聞こえてくるのが不思議だ。

 

 

くだらない話こそ最高におもしろい、の原点 

データを変換する際は、再生している音源がそのまま録音される。

再生しているとどうしても耳を傾けてしまう。

録音中は途中で停止させることはできない。

興味深い話に感情が昂ぶったところで「ちょっと待って今のところもう一度!」というわけにもいかず、目が点になるような言動や行動も多いのにとまどっている間に話題は次々と移っていく。

 

記憶に残っている話もあれば、完全に忘れていた話もある。

「これは…!」と思ったものは勢い余ってツイッターに投下したりしているが、なにせ急に放り込むので 「お前は一体西暦何年に生きているんだ?」と思われても仕方ない。

 

説明が抜けてしまっているが電車でのお話。誤字があるのは気にしないでいただきたい。お恥ずかしい。

この頃の井ノ原さんときたら、本当にもう…!という感じだ。

こういうことばっかり言っていた。

そういうところが大好きだった私も大概である。

 

 

3人という組み合わせがトニセン・カミセン関係なく、というところも私が大好きだった点だ。

この番組のおかげでコンビ・トリオ問わずなんでもいけるクチになったことは否めない。「なんだこの人たち、どの組み合わせでもおもしろいじゃねえか…!」と気付いてしまったのだ。

 

そしてその日ラジオに不参加のメンバーを話題に出すことも多く、そんな距離感も好きだった。

 

中身があったか?といえばあまり無かったかもしれない。

それでも毎週入れ替わりのメンバーでお届けしてくれる2時間のおしゃべりタイムはとても楽しくて、私はそのくだらない話を毎週爆笑しながら聞いていた。

 

AMラジオならではとも言えるような下ネタも豊富だった。

ネタコーナーで頻繁に採用されるハガキ職人はラジオネームがもう下ネタである。それが普通に採用されるのだからすごい。AMの自由度怖い。

 

 

 

音源を聞いている中、久本朋子さんが言った言葉が刺さった。

番組中によくメンバーから年齢のことでいじられていたのだがある時、

「まだ36やっちゅーねん!!!」

とつっこんだのだ。

 

当時聞いていた方、ゾッとしないだろうか。

 

あんなに年齢のことをいじられていた久本朋子さんの世代に、いよいよカミセンまでもが追いついているという現実。

朋ちゃんも自ら「関西人丸出し・コテコテな厚かましいキャラ」でグイグイきていたせいもあり、時にはカミセンから「おばちゃん!!」と言われたりしていた。

そりゃあ自分たちのことをおじさんおじさんと言うはずだ、と妙に納得してしまった。

…もちろんそれをリアルタイムで聞いていた私も着々とそこに近づいているのだが。

 

しばらくはラジオ音源と向き合う日々が続きそうなので、また何かおもしろいことがあったらお伝えしたい。

 

2000年頃のラジオ番組のプレゼントが豪華すぎる件

最後にひとつ。

番組内で時代を感じるスペシャルウィークの告知があったのでぜひお伝えしたい。ただただビックリしたので残しておきたい。

 

以下2000年秋にAMラジオ・MBSオレたちやってま〜す(月〜金の帯番組)内で行われたスペシャル企画の告知、長野さんが読み上げた内容。

ラジオを聞くだけで現金ゲッチューよ!毎日リクエストで現金1万円×50人、&BSデジタルテレビ売り切れ必至の猫型アイボ&最高級牛肉が…。

クイズに答えて録再DVD、PDA(手のひらパソコン)、プレステ2など商品総額30万が20人に大当たり!さらに20万円の欲しいものなんでもあげちゃう!

こんな豪華なプレゼント最近ではとんと見かけない。

全国ネットならまだしも関西ローカル・毎日放送がこれをやっていたというのだからなんだかんだであの頃は景気も良かったんだなあと思ってしまった。

アラサーは大変ショックを受けている。

 

 

 

「アイドルが踊る姿を見て私が抱くイメージ」を分類してみた

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アイドルグループが踊る姿を見ているといろいろなポイントにグッとくる。

 

単純に技術力の高さに魅かれることもあるし、時にはあまり上手くはないんだろうなーと思うのになぜか目が離せなくなるような場合もある。

 

自分自身が一体なにを基準にして、なににどうグッと来ているのか?と不思議に思ったので、少し考えてみた。

 

これまでは「良い!」「なんかよくわからんけど好き!」とえらくざっくりとしたニュアンスでしか捉えてなかったのだが、どういうポイントで見ているのかを追求してみると思い浮かんだのは6つの要素だった。大きく分けると。

 

必ずしもひとつのタイプに分類されるわけではなく、この要素の組み合わせでなにかしらを感じ取っているようだ。

あくまでずぶの素人がダンスを見ていて感じているニュアンスを自分勝手に分類してみただけのものなのでさらりと読み流していただければ幸いである。

 

 

 

【忠実】型

文字通り基本に忠実、丁寧。クセがない。

なぜか基礎を知らない人が見ても「これが原型なんだろうな」と思わせられる。

よい意味で「踊ることが仕事である」という印象。職人型。

 

【応用】型

「もともとの振り」に自分が持っている技術を乗せてくるタイプ。

他のジャンルのダンスの要素を応用して組み込んできたり、備わっている基礎技術から引き出してくるため動作が自然。レベルが高い。

足さばきが華麗であったり、指先のふとした所作が美しかったり、重心の置き方が綺麗

「しなやか」「キレイ」「美しい」と言いたくなるタイプ。

 

【追求】型

基本をしっかりと体に入れた上で自分のかたちに作り上げていくパターン。

鏡の前でたくさん練習したんだろうな、と感じさせる。

納得できるかたちまで追求したあとが見える努力型。

追求したものを出してくるのでそれに基づいた自信が見える。

 

【憧憬】型

それまで自身が見て憧れてきたもの、がカゲになんとなく見えるパターン。

追求型と似ていてでもそこにもう少し「目標にしているもの・ひと」が足されているイメージ。

環境によって根っこに備わったものなので常に一定、何に憧れて歩んできたかが見える感じ

 

【パワー】型

ダイナミックなダンス。

体が大きい・手足が長いなどの体格を生かしているパターンと、動きを激しくして大きく見せるパターンがある。

ノリと勢いでしゃかりきに踊る場合も含む。

 

【独創】型

何がどう上手いのかはよくわからないがぱっと見で「この人ダンスが上手い人だな」と思わせられるタイプ。

「自分の体の動かし方」を自分が一番理解していて、それを活かしきっている印象。

基本に忠実でなくてもそれがオリジナリティであると納得させられてしまう。

なんでもそうだが、本当に上手い人は足し算だけではなく引き算が出来る。「力の入れ方」というよりも「力の抜き方」がわかっている感じ。

素人目に見ていても気持ち良さを感じる。

 

 

…と、ざっくり分けるとこんな感じだろうか。

 

V6で例えるなら

坂本さん…応用型(所作が美しい)

長野さん…忠実・憧憬型(誠実・漂う昭和の香り)

井ノ原さん…パワー型(身長と手足の長さを生かしつつ動きも大きい)

森田さん…独創型(力の加減が絶妙・活かし方を感覚的に知っている感じ)

三宅さん…追求型(頭に描いているものを体現しようとしているイメージ)

岡田さん…忠実型(1つ1つの動作が丁寧・パキッとしつつ柔軟性がある印象)

というイメージである。長くなりそうなのであえて一言で止めておく。

 

大まかに分けてみたが、実際はいろんな要素が複雑に絡み合って「その人」のダンスが出来上がっている。

忠実型でなければ忠実に踊ってないというわけでもないし、独創型でなければオリジナリティがないのか?といえばそういうわけでもないのでその辺りは先回りして言い訳させていただきたい。

 

 

 

そもそもなぜ分類してみようと思ったかというと、先日NMB48劇場に行ってきたからである。16人の女の子が目の前で歌って踊る様を見てそれはもういろんな要素を感じた。 

「その子がこれまでどういう道を歩んできたか」を深く知らなくてもダンス1つでこんなに考えさせられるものか、と思った。

 

同じ振りのはずなのに違って見えるし伝わってくるものも違う。

「上手い」と言われるにこしたことはないのだろうが、そこには上手い・下手という技術面だけでは片付けられないものが詰まっていた。

あらためて「踊るグループっていいなあ…」と強く思った。

 

違っているからこそ生まれる対比も楽しい。

一糸乱れず揃ったシンクロ具合に感動するのも楽しい。Perfumeなんかはこのタイプだ。

 

分類してみるうちに、結局のところ私が楽しんでいるのは「いろんな要素が集まって出来上がった集合体」なんだろうな、というのも改めて感じた。

 

単体で見るのもいいが、どうやら私は「踊るグループ」を見るのがとても好きらしい。

 

 

 

Perfumeに限界は訪れるのか 〜年齢と「女性アイドル」の期限〜

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4月にPerfumeのニューアルバム「COSMIC EXPLORER」が発売されてもうすぐ3ヶ月が経つ。

COSMIC EXPLORER

COSMIC EXPLORER

 

アルバムの発売にあたり特別プログラムが放送されたり、各雑誌にもいろいろとインタビューが掲載された。

 

世間へ向けての露出は少し落ち着いている今日この頃ではあるが、現在彼女たちはアルバムを引っさげて国内ツアーを開催中で、私もようやく明日そのステージを体感してくる。

国内ツアーが終われば次はそのアルバムを引っさげてアメリカへ。北米ツアーを開催し、秋には国内3カ所のドームで追加公演も決まった。

 

アルバム発売に絡んだメディア露出の中で、私がいちばん印象に残ったのはのっちがインタビューで語ったこの言葉だった。

 

「ここまでいろんな人生のルートがあったけど、その中でPerfumeとして生きる道を選んできて、今、27歳の私はここにいるけど、小さいときの私は、若いお母さんになって、子供の授業参観に行きたかったよな、って」

ー女としての夢が。

「そうそうそう。今から頑張って婚活しても、たぶん授業参観に行く私は若いお母さんじゃない(笑)。そういう人生の選択肢はもうないんだなって思ったら、凄く寂しくなったんです。でもその選択肢がない分、またいろんな選択肢が増えたんだなって、今は思っていて」

(「音楽と人」2016年5月号)

音楽と人 2016年 05 月号 [雑誌]

音楽と人 2016年 05 月号 [雑誌]

 

 

 

インタビュー全体を通して読んでみるととても前向きな内容なのだが、私にはこの部分がぐっさりと刺さった。

 

アイドルを選ばなかったら…というのは「Perfumeののっち」ならではの悩みだ。

でも、

「もし今と違う道を進んでいたら、どうなっていたのだろう?」。

今と違った世界線を歩む自分を想像する、そんな瞬間は誰にでもある。

 

「そういう人生の選択肢はもうないんだなって思ったら、凄く寂しくなったんです。」という発言はこの年代になると抱きがちなものだ。 

軌道修正してたどり着くことができそうな「もしもの話」は希望がある。

でも、今の年齢からだとどう足掻いてもたどり着くことができない「もしも」は、とても寂しい。

20代の後半になるとそんな「寂しくなるもしもシリーズ」が増えてくるのだ。悲しいことに。

 

それがのっちの話でいうところの「若いお母さんになって子供の授業参観に行く」。

お母さんにはこれからだって十分なれる。

でも、「若いお母さん」にはもうなれない。

 

アラサーである私にとってはこの話題は年齢的にもぐっさりと来たのだけれど、それ以上にこの「世間一般の27歳が抱く、いたって平凡な憂い」を「Perfumeののっちが語った」というのはなかなか衝撃的で、改めて考えてしまった。

 

アイドルだって1人の人間である。

そして時間には限りがあって、それはアイドルだって一般人だって同じだ。

「1つの道を選ぶこと」は「別の道を捨てること」なのだから。

 

 

目次

 

 

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「アイドル」に期限はあるのか?

Perfumeが「チョコレイト・ディスコ」や「ポリリズム」で世間に認知され始めた2007年、彼女達はまだ10代だった。

あの時点で今現在の「27歳になったPerfume」を想像できた人間がいただろうか。

のっち

「中学生ぐらいの、ほんとに上京したてぐらいの時は、こんなに続くと思ってなかったんで、大学生っていうものがすごい大人に見えてて、その頃には髪の毛ロングにしてるのかな、みたいに想像してて」

ーそれはPerfumeが続くかわからなかったからですよね?

「はい。本当に続けていきたいと思ってるし、解散とかまったく、Perfumeが終わるだろうなとは思ってないんだけど、なんとなくこう、そこまで行ってないんだろうな、みたいなふうに思ってたのか、大学生になったら髪伸ばそうって思ってて。」

(「ROCKIN' ON JAPAN」平成28年4月30日発行)

Perfumeは外見的なそれぞれの特徴をずっと保ってきた。

その1つが髪型で、のっちはずっとショートヘアを維持している。

大学生になったら髪を伸ばそう、そう漠然と考えていたことからも10代半ばののっちの中には「27歳になってもPerfumeでいる」という未来は想像出来る範疇にはなかったのだろう。

 

順風満帆に歩んできたわけではなかった彼女達は、活躍しはじめてからも足場がいつ崩れるかという不安も常に抱いていたように見えた。それが謙虚な姿勢にもつながって、もはやそれは彼女たちのキャラクターを語るのに外せない姿でもある。

不安定な芸能界の中で、一発屋で終わるか否か。その危機感は彼女達が一番感じていたのではないか。

ご存知の通りそこからPerfumeはステップアップとジャンプアップを積み重ねながら今日の活躍にいたっている。

 

アイドルという存在は私の中で長い間、「いつか無くなってしまうもの」という位置付けだった。

加齢によって失われていく若さと、ピークを過ぎて少しずつ下降していく人気と。

そしてその先にいずれ待ち構えているであろう「解散」や「引退」。

そこにおそろしさを感じながら愛でる対象だと思っていた。

 

最近になってようやく「アイドルにリミットはないのかも?」と思い始めた。

アイドル、特にアイドルグループの寿命は格段に延びた。

大好きなアイドルがいる身としては良い時代になったなあとも思う。

 

しかしながら女性アイドルが、アイドルとして長く活動していくことは男性アイドルのそれとは比べものにならないほど難しい。

そこにはパフォーマンスとしての体力的な若さと共に外見的な可愛らしさ・若さがより一層求められるからだ。

 

 

長く続いているグループのほとんどはメンバーがどんどん入れ替わっていくかたちをとっている。

もはやアイドルグループは「唯一無二である人物の集合体」という概念だけではなくなってきた。

 

例えば、誰かがいなくなってもグループそのものは無くならない。

この子がいなければならないなんてことはなく、その「様式」が継承されていく。

 

特定の人物だからこそ成り立つパフォーマンスやその人間模様でアイドルグループを成立させるのではなく、「スタイル」としてのグループを成立させる。そしてそれを次の世代と継承していく。

箱は同じで中身は少しずつ変わっていくような感じだろうか。

 

そんな形が生まれたのも時代に合ったプロデュースを追求した結果なのかなあと思う。

 

話が逸れたが、Perfumeはというとその類のアイドルではない。

メンバー3人と、いわゆる「チームPerfume」と呼ばれる彼女たちを支えるスタッフが絶妙なバランスで作り上げる世界はけっして他の誰かにはできないことだ。

 

だからこそ私はその完璧なPerfumeの姿に、「いつかは見られなくなるものなんだ…」という切なさを常に抱えてきた気がする。

 

Perfumeの活動状況に特に危機感を抱いているわけでもない。安定した活動状況とその活躍ぶりに、もう流行り廃りに振り回されることはないのだろうな、という安心感すら抱いている。

 

それでもそれとは別の次元で、「年齢」という概念でアイドルを見た時には、どうしてもこんな感情を抱いてしまうのだ。

あと何年見られるんだろう、と。

 

過ぎていく時間はあっという間で、Perfumeの姿を通して感じる「1年」は短い。

でもそれを何度も何度も繰り返してきて今の彼女たちは27歳。今年度の誕生日を迎えれば3人とも28歳になる。

アラサーの域に入ってきていることがいまだに信じられない。

 

若さを失ってしまえば「Perfume」は無くなってしまうのだろうか?

これは私がここ数年ずっと抱いてきた不安である。

 

 

年齢と共に進化するアイドル

彼女達の振り付けを担当するMIKIKO先生はこう語る。

「日本はまだ、女の人が若さを失うことはマイナスだという世の中ですよね。でも本当はそうじゃなくて、年を重ねることは楽しくて、自分自身の財産が増えていくということ。表現にだって幅ができていきます。年相応がすてきで肯定したいことだというメッセージは、Perfumeのパフォーマンスを通して、伝えていきたいことの一つです」

(「装苑」2016年5月号より)

装苑 2016年 05月号 [雑誌]

装苑 2016年 05月号 [雑誌]

 

 

年を重ねるアイドルを、同じ状態で維持するのではなく「年相応」をまとわせていく。

そんな意思を持ちながらMIKIKO先生はダンスを変化させてきている。

 

高校生、大学生の頃はなるべく直線的に、ラインを出さない振付けを心がけていたのですが、今は、3人の変化に合わせて品のいい曲線のラインも加えての表現を追求していますね。

 

これからも、彼女たちの年齢に応じて、その時がいちばん輝く見せ方を作っていけたらいいなと思っています。それは例えば、かわいさであったり女の子であること、性別を売りにしない表現ということ。それが、3人の自信にもつながっていってほしい。

(「装苑」2016年5月号より)

 

 その試みは、最新曲の「FLASH」でも明白に表れている。

"今"の3人がいちばん輝く見せ方。

これは確かに女子高生・女子大生の頃には出せなかったであろう「27歳のPerfume」だから出せる美しさだ。


セットはいたってシンプル。周りをそぎ落としてそぎ落として、なおかつ体のラインが最高に活きる振り付け。

派手な映像効果が付加されているかといえばそうでもない。

体のラインに合わせシンプルに「線」と「面」を追加するような控えめなCGと、最後に登場する「棒術」を思わせる振りに光の演出を加えた程度だ。

光と影、線と面。

ただそれだけなのにこんなにも目が離せなくなってしまう。

 

私はPerfumeの積み重ねてきたいろんな楽曲・パフォーマンスも年齢と共に成立しなくなっていくのだろうか、というところに危機感を抱いていた。

でもそうではないのかもしれない。

 

年齢と共に成立しなくなっていくのではなく、「その瞬間」に成立する最高のカタチを常に更新していく。

それは決してレベルを下げるとかそういう次元のお話ではなく、年を重ねるからこそ出せるものを最大級に追及することが結果的にレベルアップへと繋がっていく。

 

 

アイドルとしての使命と責任 

そもそもPerfumeはアイドルなのか?と思う方もいるのかもしれない。

パフォーマンスを見ていると玄人達が集まって作り上げるその完成度は「アーティスト」寄りであると思う。その世界観を見ていると、思わず「アーティストだ!」と言い切ってしまいたくなる時もある。


Perfume GLITTER

だが、彼女達は自らアイドルである旨を度々発言する。

押し付けるようなものではなくて、本当にさらっと「アイドル」という言葉を使う。

それは彼女達にとっては当然であることで、そこには自覚や強い意志を感じる。

だからこそ私は彼女達を「アイドルだ」と言い切る。

 

アイドルであり続けるということは「アイドルとして生きる」という使命を受け入れていくことなのかな、と最近ふと思う。

 

ある程度の年齢を重ねてそれでもなお「アイドル」であり続けようとする人というのは、それなりに「アイドル」という職業と向き合う時がくる。

それを乗り越えた上で「"アイドル"をやる」という決意を背負った人というのは強い。

 

2013年、ROCK IN ON JAPAN FES.の大トリをつとめた後のインタビューで「この曲Perfumeだなあって一番強く思う曲は?」と問われたかしゆかは「Dream Fighter」と答えた。

アンコールでこの曲を歌った時、かしゆかは「ああ、こうやって生きていくのが私の使命なんだな」と思ったそうだ。

 

「Dream Fighter」は、彼女達がはじめて武道館でライブを行った時期にリリースされた楽曲だ。

夢を追い続けてきたPerfumeが「武道館ライブ」という夢を叶えた、その瞬間に添えられた思い出深い曲でもある。

 

Dream Fighter - Perfume - 歌詞 : 歌ネット 

このままでいれたら って思う瞬間まで

遠い 遠い 遥か この先まで

最高を求めて 終わりのない旅をするのは

きっと 僕らが 生きている証拠だから

現実に打ちのめされ倒れそうになっても

きっと 前を見て歩くDream Fighter


[MV] Perfume「Dream Fighter」

 

当時この曲に「夢にたどり着いたけどまだまだ進み続けるPerfume」を感じた。

まだまだ上がある、もっともっと先がある、挑戦していく、そんな意思を強く印象付けられた。

かしゆか

「『乗り越えたい!』みたいな気持ちはすごく強いです。その先に、今まででは味わえなかったような喜びとか達成感が待ってるってわかってるんで。手が震えるほど緊張しても、そこを乗り越えた先にまた違うものがあるって、15年間やってきた中で、何度と無く味わってるから。見たことないことに挑戦したい、そしたらそこからまた見えてくるものがあるって。そういう楽しみがもう、たぶん癖になってると思いますね(笑)」

(「ROCKIN' ON JAPAN」平成28年4月30日発行)

ロッキング・オン・ジャパン 2016年 05 月号 [雑誌]

ロッキング・オン・ジャパン 2016年 05 月号 [雑誌]

 

 

いろんな挑戦を繰り返してきた結果が今の自信につながって、さらにまた次のステップに挑戦していく。そうしてもっと繰り返されていく。

 

1つ越えても、まだ次がある。

達成してもすぐにまたその先を目指していく。

 

 

「Perfume」を追求しそのスタイルを確立するべくがむしゃらに突き進んでいたブレイク直後からすると、その姿は少しかたちを変えた。

けっしてマイナスな意味で言っているではない。

「Perfume」というアイコンを守る、そのイメージを崩さないことに重きを置きながらレベルを上げてきた。

それはきっと「作り上げなければいけないもの」であったように思う。

 

本人がそこにいるだけではなくてそこにいくつかの特徴を上乗せする。

もちろん3人がそこにいることも大事ではあるが、何人もの職人が集い「プロジェクト」のような形で進行することで「Perfume」の人気は不動のものとなった。

 

そして今の彼女達を見ていると「Perfume」はもう「作り上げなければならないもの」ではなくなったのではないか、と思うのだ。

 

スタイルを貫かなければならないのではない。

1つのアイコンを確立し、その姿はもう揺らがないだろう。

「Perfumeらしいことをしなければならない」のではなくて、「彼女たちがやることがPerfumeらしい」のだ。 

今の彼女たちなら、歩いていく道そのもの、生きていく姿そのものが「Perfume」になるのだと、私は思う。

 

 

アイドルとは、その成長過程を一緒に歩んでいく存在である。

アイドルについて考えていると「アイドルって何なんだ?」というところにいつもたどり着く。何度も何度も考えて、その度にいろんな考えにたどり着く。

 

あらためてwikipediaで調べてみると、こんなふうに記されていた。

日本の芸能界における「アイドル」とは、成長過程をファンと共有し、存在そのものの魅力で活躍する人物を指す。キャラクター性を全面に打ち出し、歌・演技・お笑いなど幅広いジャンルで活動を展開しやすいのが特色である。外見が最も重要視されるモデルとは異なり、容姿が圧倒的である必用はなく親しみやすい存在であることが多い。一方で、はっきりと目には見えない「華」や「人間的魅力」が強く求められるため、一流のアイドルは手が届きそうで届かない存在となる。

( wikipedia「アイドル」)

「成長過程をファンと共有し、存在そのものの魅力で活躍する」という記載には唸ってしまった。

その語源から「アイドル」とは偶像のことである、と一言で片付けられてしまうことも多い。

でも私たちはその偶像が成長していく姿に勇気をもらい、その魅力的な姿に元気をもらう。近いようで遠いその存在にいろいろな感情をもらう。

 

「挑戦し続け、成長してまた新たな一面を見せてくれること」は、アイドルがアイドルでいつづけるための条件なのかもしれない。

のっち

「過去を吹っ切って、夢だと思っていた場所にたどり着いたら、目が覚めて、スーッと幕が引かれるのかなあ、って思ってたけど、違ってた。きっとそれって、自分たちで引くものなんですよね。」

(「音楽と人」2016年5月号)

のっちは、昨年デビュー10周年と結成15周年の集大成を見せるライヴを行って、そのあと感じたことをこんな風に語っている。

冒頭に述べた言葉もそうなのだが彼女の言葉はとても率直で、ざっくばらんなその言葉にドキッとすることもしばしばある。だからこそ共感してしまう。

 

「スーッと幕が引かれるのかなあ」という表現もまさしくそれで、私の中で「アイドルが終わる時」の印象そのものだった。

 

でも、のっちがたどり着いた答えは「幕は引かれるのではなくて自分たちで引くもの」。

つまり「ここで終わり」と決めるのは自分たちで、限界を決めるのも自分たち。

足を止めるか、次の一歩を踏み出すか。

それを決めるのは「アイドル」自身だ。

  

 

最新アルバムの「COSMIC EXPLORER」に収録された楽曲には「旅」というワードが何度も登場する。

中でも私が大好きなのは「TOKIMEKI LIGHTS」だ。

最近は聴くたびに毎回泣いている。曲調こそポップで可愛らしいのだけれど、その歌詞がグッときて仕方がない。

 

ずっと 流れない 時の中で

こんな世界に 囲まれたいけど

いつか 失ってしまうのが

こわいものほど美しい きっと 

TOKIMEKI LIGHTS - Perfume - 歌詞 : 歌ネット

 

ときめくものに出会った時、私たちはずっとそれに触れていたいなあと思う。

ライブなんてものはその典型だ。

この時間が終わらなければいいのに!と思うし、この瞬間を静止してそこにとどまることができたならどんなに幸せだろうと思う。

 

でもこの歌詞に含まれているのは「有限であるからこその美しさ」。

儚いからこそ、より美しい。

永遠ではなく不安定だからこそ、もっと尊い。

 

これはアイドルを愛でるすべての人が感じていることなのではないか。

アイドルの寿命が延びたとはいえ、やはりそこにはいろんな「有限」がある。

「永遠に同じ」であることはない。

 

いつか失ってしまう、そのことをきちんと受け止めた上で今をまっとうする。

それを嘆くのではなくて「だからこそ美しい」と肯定して前に進み続ける。この曲のそんな世界観がとても好きだ。

 

歌詞に登場する、

「光のように ときめくままに 旅してたいよ」

という部分も合わせてPerfumeそのものだな、と思う。

 

なんにでも限りがあって、どんなことにも終わりがある。

でも「終わり」をそのまま「始まり」に直結させるかのように変換してしまうPerfumeの進み方は、「章」の終わりこそ感じさせられても「物語」の終わりは感じさせない。

 

余談だがどうしてこうもピンポイントな歌詞を書き上げてくるのか、楽曲を担当する中田ヤスタカ氏の頭の中を覗いてみたいと心の底から思う。

 

 

 

「アイドルであることを選ぶ」ことは「別の何かを捨てる」こと

冒頭で引用させていただいたのっちの話にも「選択肢」というワードが出てきた。

そしてその言葉を使い、もっと端的に表している文章がある。

「ROCKIN' ON JAPAN」で、3人は10年後の自分たちに向けた手紙を書いている。

その中で、のっちはこう書いている。 

(のっちの10年後のPerfumeへのメッセージより抜粋)

「これまで色々ありました。これからも色々あるね。

目の前にある選択肢から選んで選んで、同時にたくさん捨てながら共に進んできた人生でした。

今、選んで進んでいるあなた達の人生が幸せなものであると信じています。」

(「ROCKIN' ON JAPAN」平成28年4月30日発行)

 

「アイドル」という道を選んだからこそ、増えた選択肢があること。

でも同時に「アイドル」を選んだからこそ、捨てなければならなかった選択肢もあったということ。

そしてそれはこれからも続いていく。

そこには夢があって、同時に切なさもある。

 

Perfumeは、私たちとは懸け離れた偶像である。

 

でも27歳としての彼女達は「違う道を歩む自分」をふと想像してなんだかセンチメンタルな気分になってしまうような、等身大の女性でもある。

 

いろんな選択肢を捨てながら「今」を選んだ27歳の女の子たちに、もっともっとステキな景色を見てほしい。

「アイドルを選んだ」からこそ叶えられる大きな夢を、もっともっと叶えてほしいし、私たちにも見させてほしい。

 

自分勝手ではあるが、ファンとしての私はそんなふうに願わずにはいられないのだ。

 

決意とともに真摯に歩む。その先に彼女達にとっての幸せがこれからもたくさん待っているはずだ、と、私は信じている。

 

 

想像を超えたその先に

どんな景色があるんじゃろう

わたしたちは進む

Perfumeは進む

ーあ〜ちゃんー

  

ありがとう

あなたがいて成り立つ世界

旅は続く 未だ見ぬ未来へ

ーかしゆかー

 

旅はつづきます

その先でまた会えますように。

ーのっちー

 

 (「COSMIC EXPLORER」ツアーの最終公演で、終演と共に映し出されたメッセージ)

 

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三宅健というアイドルについて

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「私が今一番気になる人物は三宅健である。」

という文章から始まる記事を、書き始めてすぐに放置していた。今年に入ってすぐのことだ。

 

書き始めてすぐ放置することになったのはなぜかと言えば、はじめましての方以外には多少お分かりいただけるかと思うのだが文章が長くなりすぎるからだ。

あまりにも収拾がつかなくなりそうだったため早々に断念し、とりあえずは少しずつ、その時々で思ったことを整理しながら少しずつ消化することにして過ごした上半期だった。

 

 

以前、「岡田准一の反抗期」についてまとめた。

出戻ってきて「自分の中で消化しなければいけない」のがこの「岡田准一の反抗期」であったとするなら、「追究してみたい」と一番強く感じたのは「三宅健のアイドル性」である。

 

それについて考えだすとどうしても一番に浮かんでしまうのが、岡田さんが反抗期だった頃に三宅さんが言ったというアイドルとしての誇りを持ってくれ」という言葉だ。

久しぶりに自分で書いたこの記事を読んでちょっと泣いてしまった。

私が書く記事は結果的に自分が泣きやすい動線に収まりがちなので、読み返してはちょくちょく泣いている。

 

当たり前のことが、当たり前じゃなくなること。

V6でいることが、当たり前じゃなくなるかもしれない。いつかは終わるかもしれない。

漠然とした危機感を抱えながら過ごした2005年の10周年。そんな中で三宅さんがやろうと思ったことが「メンバーをポラロイドで撮影する」だったのだから、泣かせる。

「テクニックがあるわけじゃない。でも、僕が撮りたいのはプロのカメラマンが撮るようなカッコいい作品ではなく、ある意味、プロのカメラマンには取れない写真。被写体への愛情、そう、照れくさいけど、V6への愛情だけで成立するような写真。きっと、メンバー同士だからこそ撮れる写真があるはずだ。」

(2005年ツアーパンフより、三宅さんの言葉)

 

メンバーが好き。ファンが好き。

自らが自分の所属するグループの大ファンで、ファンの目線でものごとを考える。

 

「とにかく、この"6人"というのが好き。そして、いいコちゃん発言にとられたらイヤだけど、V6を応援してくれるファンのみんなが好き。だから、実はかなり激しいV6ファンであり、V6メンバーでもある僕が、ファンのみんな(当然、自分も含む)が喜ぶ顔をイメージしながら考えると、どんどんやりたいことが湧いてくるというわけ。」

(2005年ツアーパンフより、三宅さんの言葉)

20周年を迎えてからのV6の2ヶ月間、まとめ。 - ループ ザ ループ。

「ファン」としての目線で考えた時に一番私たちに温度が近いのは三宅さんのような気がする。

握手会を発案したのは三宅さんらしいし、企画する時の目線がとても近いような気がするなあと感じる時が度々ある。

10周年を迎えた後、V6に何があったのか。 - ループ ザ ループ。

    

「みんなファンの人が求めている物を何で分からないかなっていう、もちろん近くに来てくれるっていう気持ちも凄く分かるし、それもあると思うの。
でも基本的に自分たちが「これ以上いったら吐いちゃうんですけど」っていうくらい踊って、そのぐらい踊ってファンの人にはちょうど良いというか、満足度が満たされるっていう事だと思ってるんですよ僕は。

だから僕はいつも踊ろう踊ろうってとにかく踊りまくって、極力ね。

もちろん外周に行って近くに行ってあげるのも大事だけど、歩いたりとか、お手振り曲を減らしましょうっていうのが僕の思いなんですよね。

(「三宅健のラヂオ」/2011年6月6日放送)」

 

ダンスが好きなのはもちろんだが、その裏にあるのは「見せる」ことへのこだわり。

「求められているもの」を確実に届けようとするその気持ち。

私が三宅さんを「プロアイドル」と言うことの理由のひとつはこれだ。

「滝沢歌舞伎2016」に今感じていること - ループ ザ ループ。

 

(20周年当日のアニバーサリーコンサートを終えた翌日ジャニーズweb内の三宅さんが綴った文章を見て)

ざっくりと中身を説明するならば「代々木組」「家で留守番組」「デビュー時からのファン」「新規」と、すべての人にコメントをしていた。

私が1番びっくりしたのは「出戻り組」に対してまでもコメントしていたこと。 

本当に、この人は。

呆れてしまうくらいにアイドルで、呆れてしまうくらいにファンの目線をよくご存知で。三宅健という人に、私は負けっぱなしだ。

20周年を迎えてからのV6の2ヶ月間、まとめ。 - ループ ザ ループ。

 

V6の最新コンサートDVDに収められた特典映像の中に「みんなで足つぼマッサージを受ける」という企画があった。

それぞれ体の中で悪いところが指摘されたのだが三宅さんの悪いところはまさかの「頭」だった。

頭が悪いといっても、頭の使いすぎ、という意味である。

いつでもファンの心理を読んで、先回りして望むものを用意してくる三宅さんのプロアイドルぶりには驚かされるばかりだ。頭の使いすぎを指摘されたところで納得しすぎて困る。でしょうね…」という感想を抱くしかなかった。

「滝沢歌舞伎2016」が終わって思うこと - ループ ザ ループ。

 

(WOWOWでV6のコンサート映像が放送されることになり、その編集に三宅さんが関わったという話題から。わざわざ足を運び6時間ほどつきっきりで作業に立ち会った。)

ここまで来ると私はもう、三宅さんがコワイ。

「アイドル」が、「アイドル」たる部分を追求することのおそろしさ。

そこにはまだまだ可能性を感じさせてくれる。

何をやってくれるのだろう。何を見せてくれるのだろう。

20周年を越えてなお「アイドル」としての未来を見せてくれそうで、私はやっぱり期待してしまうのだ。

20周年を迎えてからのV6の2ヶ月間、まとめ。 - ループ ザ ループ。

 

「V6」にとっての三宅さんの存在ってなんなんだろう、とよく考える。

まだしっくり来るうまい例えは見つけられていない。

 

誰一人欠けてもV6ではないが、その中でも人一倍グループについて考えていて、常に先を読んでいる。かといって1人で前を歩き一方的にグイグイ引っ張っていく、というわけでもない。

 

「三宅健」というアイドルだ、という認識よりは「V6」というアイドルグループの中の「三宅健」である、という事柄を優先しているように感じる。

それくらいに「グループの一員としてのアイドル」としてやるべきことを模索してきたプロであるし、ため息が出てしまうくらいファンに極めて近い目線からグループプロデュース、および自己プロデュースをする。

 

さらにそれを実現するために努力を惜しまない。そこまでわざわざ苦労しなくても、と思ってしまうことすらあるほどだ。

 

 

 

緻密に練られたようなプロデュースを活動の端々に感じる一方で、狙ってるんだか狙ってないんだかはかりかねるような事案も多く発生する。

 

ファンの要望がわかっているからこそあの、三宅健らしいあざとさMAXな発言や行動が出たりするのだろう。何度、「くっ…!」となったことか。

悔しい。狙ってやっているのがわかっているのに術中にはまることほど悔しいことはない。悔しいのにいちいち反応してしまうのだから敗北感満載だ。

そのくせ、あざとさの中に天然も混ざってくるのだから曲者だ。そのいびつさが堪らないのだけども。

10周年を迎えた後、V6に何があったのか。 - ループ ザ ループ。

本当にこれが曲者で、どこからどこまで計算なのか、それともまったく計算していないのか。

手のひらで転がされているのか。

だがファンの求めるものを出そうとしてくれるということは、逆にこちらが手のひらで転がしているということにもなりうるのではないか?

深く考えだすと何が何やらわからなくなってくる。かくして事件は迷宮入りだ。

 

ものすごくストイックなアイドルという一面に加え、ツッコミどころが満載な独特な一面もある。真面目で不器用。素直であまのじゃく。狡猾で天然。

私はこの絶妙なバランスこそが三宅健の最大の魅力であると思っていたりする。

 

時には「なんなんだ、この人は…!」とそのプロアイドルっぷりに感嘆する。

でも「なんなんだこの人は…?!」と大混乱することも多い。

 

心のなかでツッコミを入れながらの三宅健のラヂオ、あぁもう楽しい。

大部分は「何それ!?」という感情なのだが同時に「三宅健すぎる」とも思うし、「出よった…!」「やりよった…!」という気持ちもある。複雑な感情が入り混じったツッコミだ。

三宅さんに関しては文字にするには難しい感情が多すぎて近頃ほとほと困っている。

「ミヤケッチは許さないよ!そんな、無断で撮るような人」ー三宅健のラヂオ2016.03.07 - ループ ザ ループ。

 

また過去のラジオを聞き返すと、もうただただ自由奔放で天然な様子が見て取れた。

外見・中身とも「昔と変わらないなー」なんて思ってばかりだったのだが、昔のほうがはるかに奔放だった。

昔の三宅さんの奔放さについてはいずれまた触れていきたいと思う。とにかくツッコミどころが満載すぎる。

昔のラジオ音源をカセットテープからパソコンに移す日々 - ループ ザ ループ。

 

 

 

 

昔々に私がV6の解散を案じていた頃、勝手に「V6だってきっといつかは解散するんだ…」と思って悲観的になっていた。

それと同時になぜか思っていたことがあり、それは「健くんだっていつかは老けておじさんになるんだ…」ということだった。

 

漠然とそう思っていた自分が今となってはおもしろい。

なぜ三宅さん限定でそんなことを考えていたのかと言えば、私にとって三宅さんは特に「変わらない外見」の象徴だったからだろう。

厳密に言えば髪型なりなんなり変わってきているところはあったが、それでも私にとっては「不変の人」、というイメージだった。

 

結局、2016年にV6は無事に21周年を迎えようとしている。

それはまあわかるとしてもおそろしいことに三宅健さん、老けていない。そんな馬鹿な。

 

私のあの頃の杞憂は本当に無駄だった。老いという概念すら覆されてしまった。

よくもまあこんな想像以上の未来を見せてくれたものである。

 

奇跡のおじさんは、果たしていつまで奇跡のおじさんでいてくれるのだろうか。

 

2016年7月2日で三宅さんは37歳を迎えた。

37歳の1年は果たしてどんな「三宅健」を見せていただけるのだろう。

三宅さんのよく使うお言葉をお借りするならば「必笑」、この1年も笑顔の多い素敵なお姿を見せていただきたいものである。

 

公式恋愛ゲームのツイッターで「いつもキュートな三宅君」なんて書かれる、そんな37歳男性。

 

 

期待すればするほどそれ以上のものをくれそうで、考えれば考えた分だけその都度答えをくれそうな気がしてしまう。

遠いなあと思うのにたまにとんでもなく近くにいるような気になってしまう。

翻弄されっぱなしの自分がお恥ずかしい。

 

引き続きそのわかりやすいようで掴みきれない絶妙なアイドルっぷりについて考えながら、何度も何度も迷宮入りさせつつ「ああでもないこうでもない…」と考える日々は続きそうである。

 

 

三宅さんお誕生日おめでとうございます!

 

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